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2005年7月 4日 (月)

読了「靖国問題」

 「靖国問題」について記事を書いたら、丁度僕の書いた後半の部分について、主義者Yさんが、ご自身の過去の記事についてトラックバックして下さった。後半の部分では靖国に変わる無宗教の追悼施設が出来たとしても、第二の靖国にしかならないことが指摘されている。

 で、主義者Yさんが触れていない部分について書くとする。

 靖国が追悼施設ではなくて戦死者を顕彰する施設であることは「読みかけの「靖国問題」」で書いたのだが、それは誰が何のために顕彰するのかが問題なのだ。遺族は一切排除されているのが実は靖国である。と言うのは、今日諸外国の遺族から靖国への合祀を取り止めて欲しいとの裁判等が行われる以前から、国内においてキリスト者等の間で合祀の取りやめを求める運動も裁判も存在していたが、靖国側は教義を盾にそれを拒んできた。遺族の信仰や思想が何であれ、天皇のために戦死した者を神として祀るのが靖国だからだ。そしてその為に天皇自らが参拝するなどして戦死者を讃えてきたのが靖国の政治的役割なのだ。

 東條英機らA級戦犯が合祀されるや、先ず日本国内で反対の運動が巻き起こった。それまでは天皇ヒロヒトは戦後も靖国に参拝していた。戊辰戦争以来天皇の為に死んだ者たちを讃えるために。当然幕軍や西南戦争での薩摩軍などは合祀の対象外だ。東京大空襲、沖縄戦の民間人、広島・長崎の原爆、これらの死者は戦死ではないから祀られていない。あたかもアメリカのアーリントン墓地が南北戦争の北軍戦死者を祀るために設けられた様に、時の権力者に逆らったもの、協力しなかった者は祀る対象から外れている。

 慰霊施設が無宗教で新設されたとしても、日本の政治が侵略的な物である限り、いくら新しい施設を作ったとしても第二の靖国にしかならない事を論証して、著者の高橋氏は二度と再び侵略戦争をしない日本を作る事を結論として押し出している。今日の様に右翼・ネット右翼どもの跳梁跋扈を許しておく訳には行かないのだ。

   

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コメント

こんにちは
考えてみると、戦死した兵士のなかには「左翼」だった人もいるわけで、それが有無をいわさず顕彰されちまってるんですね。護国の英霊として。
また、一宗教法人にすぎない神社に対して、厚生省が戦死者名簿を渡してきた経緯も問題だと思うのです。

投稿: 主義者Y | 2005年7月 7日 (木) 19時54分

毎度お世話になります。

国立の戦死者「だけの」追悼施設の必要性は感じないし他国に国立の戦死者「だけの」追悼施設があるという事例は知りません。アーリントン墓地は追悼施設ではなく埋葬施設なので位置付けはちょっと違います。

靖国神社は現在では単なる一宗教法人でしかないので肯定する理由もなければ否定する理由もないのですが、クリスチャンなどの他の宗教の信者にとっては靖国神社の教義や主張はどうでもいいってことだけは確かです。

投稿: FeldDorf | 2005年7月 6日 (水) 17時22分

 GENさんいらっしゃいませ。明治天皇ムツヒトが勅令で東京招魂社を靖国神社とした当時、天皇=日本国家という時代でしたから、特に問題はないかと思いますが。今の時代、靖国神社の側に「天皇のため」と主張できない負い目があるから、表現を変えているだけであると思っています。

投稿: アッテンボロー | 2005年7月 5日 (火) 22時39分

靖国神社のサイトの、概要をご覧ください。
建立は明治天皇の指示ですが、目的は「日本のために戦死した方すべてを慰霊する」のが目的であると書いてあります。
歴史認識はともかくとして、天皇のために死んだ人をまつるというのは事実誤認では?

投稿: GEN | 2005年7月 5日 (火) 22時23分

 やれやれ、ネット右翼がまた来ましたね。植民地を獲得したり他国を軍で的に占領することを侵略というのだ。朝鮮・台湾を植民地にしたことも日本が中国東北に方に「満州国」という傀儡国家を作ったのも。、中国各地を占領し、インドネシア・マレーシア・タイ・ビルマ・ベトナムなどを軍事支配したことも知らないようだ。

投稿: アッテンボロー | 2005年7月 5日 (火) 10時43分

 国事殉難者の顕彰は国家事業だろう。どこの国でも、自国の戦死者の顕彰は、国家がおこなっている。それができない、現在の日本のほうが異常だし、それを追認するあなたが異常だよ。
 他国からの干渉は、侵略そのものだ。ありもしなかった日本の侵略を前提にして、隣国からの侵略を肯定しているあなたの議論は、論理回路が逆転している。

投稿: 罵愚 | 2005年7月 5日 (火) 03時40分

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靖国神社についてちょっと調べてみました。靖国神社の主張(歴史観など)   靖国神 [続きを読む]

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