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2005年7月 1日 (金)

新左翼の理論と運動を知らない人のために。

 「警告」君からのコメントが頻繁に寄せられているのだが、まともな右翼とは違い、俗に言う「ネット右翼」に典型的な勉強不足の傾向があるので、彼のコメントを批判しながら簡単な理論と運動実践の紹介をしたいと思います。

 
 先ず第一に「もう共産主義が崩壊して15年の月日が流れているんですよ。」と有るのだが、日本における新左翼の運動というのは、50年代のフルシチョフによるスターリン批判・ハンガリア革命へのソ連による軍事介入・日本共産党の六全協における暴力革命論の放棄の三つの事件に衝撃をかけた当時の青年労働者学生を中心にして始められた運動であると言うことだ。その特徴点としては、ソ連・中国・日本などの共産党は、実は本来マルクス・エンゲルス・レーニンが主張してきた共産主義とは異質の偽物の共産主義、スターリン主義として変質した打倒すべき対象であると言うことを理論と運動実践の方針として掲げて始まる。つまり日本共産党はソ連が崩壊し、中国が資本主義を導入する過程で新植民地体制の下に再編されようとしていることに右往左往しているが、新左翼の立場からすると半世紀近く主張してきたことが現実になっただけのことであって、痛くも痒くもありません。

 第二点目に「あんたの言う労働者人民の国際連帯というのは、具体的にどこの国の労働者との連帯を指すのですか。恐らく厳密な定義はしていないのでしょうが、候補の国のひとつとして中国が挙げられるでしょう。」まともな右翼なら例えば中核派がどの様な運動をしているか知った上で論争を挑んでくるでしょうが、「警告」君は知らないようです。中核派の実践の一つとして、毎年11月に全国労働者総決起集会という物を開催しているのだが、アメリカと労組と韓国の民主労総とが代表団を派遣してくれています。つまり具体的には日米韓で国際連帯が始まっています。更に全学連の代表団をアメリカに派遣して、50万人の労働者が参加したイラク侵略反対集会で挨拶を行っています。

 三点目に「でも、その頼みの中国でさえ、ソビエト崩壊後は共産主義のイデオロギーを捨て去って民族主義国家に変貌しつつある。”労働者””人民”といった中国共産党が以前頻繁に使っていた共産主義的イデオロギー用語も、現在では”中華民族”という言葉に取って代わられつつある。」と有りますが中国スターリン主義が世界革命を放棄して一国社会主義の延命に走れば、当然民族主義を大々的に煽ること以外に生き延びる道はないのだからこれも半世紀にわたり批判してきたことです。ちなみに「警告」君は日本の法律である労働基準法・労働組合法・労働安全衛生法などの労働三法を読んだことはあるだろうか。働いているのか学生なのかは分からないが、一度くらいは読むことを勧めます。

 四点目「そんな中国の建前だけの共産主義に未だに幻想を持ち続け、」中核派を始め新左翼各派は持っていませんよ。幻想を持っているのは日本共産党の一部。「その実中国の排外的な民族主義に同調して日本政府や日本人を攻撃しているのが今のあんたたちがやってることです。」中国では確かに中共スターリン主義政権が民族排外主義を煽っているが、それは何故か考えたことがありますか。一つには共産党政権に対する怒りの矛先をそらそうとする政治があるのだが、中国の人民は何時までもそんな策動に騙されてはいないで、必ず中国第二革命に向かって決起するだろうしスターリン主義打倒の闘いに立ち上がるよ。

 五点目「今、日本人の間で中国に対する不信感が急速に高まりつつありますが、その中国への敵意はまず最初にあんたたち日本の反国家主義者たちにぶつけられることは間違いないでしょう。」実際もう始まっているよ。左翼の活動家は地域の反動勢力との闘いは前からしています。ただし今日の日本政府に対する反政府運動その物は社会福祉の切り捨てや自衛隊の海外派兵への反対、米軍基地拡張に反対する闘いなど広範に巻き起こっている。「警告」君はそれらの実践を知った上で簡単に左翼勢力が叩きつぶされる脆弱な存在だと考えるのだろうか。

 六点目「そういう時代がもし本当にきたとして、中国の民族主義者共が国際連帯の名の下あんたらを支援してくれると本当に信じているんですか。そんな国際連帯に他の日本人(特に安保闘争時代の親中国・左翼主義思想に毒されていない若い人達)の支持が集まるとでも?」民族主義には抑圧民族の差別排外主義的民族主義・侵略的な物と民族解放革命闘争へと発展する被抑圧民族による物とが有るのだが、区別できていますか。中国・朝鮮での抗日闘争は、村ごと皆殺しにされても続々と続く者が現れた長期的で強靱な物でした。それはインドでの反英独立闘争、アルジェリアのフランスへの闘い、ベトナムでは最初はフランスに対して独立闘争を闘い、次いで日本との闘い、日本の敗戦後には戻ってきたフランスを再度叩き出し、続いて現れたアメリカをも敗退させた。今日のイラクでの闘いもこれから十年二十年の歳月がかかろうとも必ず米英を叩き出すまで泥沼の闘いが続くだろう。
 七点目「あんたら早いとこ看板をたたんだほうがいいよ。これから日本がどんどんギスギスしていく中で、いつまでもお前ら左翼が大手を振って生きていけるなんて思わないほうがいいよ。」「警告」君は何でこれからの日本がギスギスしていくと思うのかな。日本中の企業がリストラして失業者が増大しているからかな。年金制度が破綻して将来の生活に苦しむお年寄りが増えるからだろうか。 

 考えてご覧、企業が首切りをするとき、抵抗して闘うのが左翼だよ。私のこのブログでも郵便局の労働運動について書いているが、今勧められている郵政民営化の大リストラ攻撃に対して、闘いを主張する左翼が支持を増やしている。実際に労働運動をしていると、首が切られること、合理化によって労働者が路頭に迷わなければならない資本主義社会の根本的な矛盾に対する怒りの凄まじさを肌で感じることが出来るよ。今の日本では民主党は労働者の味方ではない。社民党は一度裏切った、共産党は口先だけで闘わない。本当の共産主義の復活の時代が来ている。今こそ勢力拡大の時だ。その様に前向きに考えているのが中核派なんだ。

 もし、「警告」君が「共産党宣言」や「賃労働と資本」「国家と革命」などの本を読まずに左翼を批判しているのなら一読することを勧める。何故資本主義社会からは失業が無くならないのか、国家とは何か、どうすれば解決できるのか。それが書いてある。上記の三冊を読んでそれでも自分だけは首にならない、他人をけ落としてでも自分だけは儲けたいと思うのなら、その時は本当に中核派を殺せる右翼組織を作りたまえ。寡聞にして中核派に対して殺し合いの戦争を仕掛けた右翼団体は存在したとは聞いたことが無い。政府や警察も様々な弾圧をしているが、労働運動の中で中核派は勢力を伸ばしているよ。何故だか真剣に考えたまえ。

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コメント

 護憲的コケシさん、お早うございます。民族主義の基本的認識は同感です。その上で個別の民族の問題については様々な文献や詳しい方から学ばれるのがよいと思います。

投稿: アッテンボロー | 2006年2月 1日 (水) 09時06分

>先ずは「日本・朝鮮・中国」という青年アジア研究会の機関誌がありますのでそれを読まれることを進めます。また、同じく青ア研が発行している「排外主義克服のための現代史」というタイトルであったと思うのですが、今日でも入手できる本があります。是非一読して下さい。
 わかりました。できるならばそうします。

 でも、一応の僕の民族主義に関する見解を言っておきますと、「抑圧民族」の民族主義は、相対的に弱い立場にある国や地域の人々や文化を罵倒して侵略主義の正当化のために使われるものだと思います。
 「被抑圧民族」の民族主義は帝国主義による抑圧から解放することを第一目的としているので、その出発点としては「解放的」なものですが、それが「国際連帯」につながらなかった場合にはスターリン主義や帝国主義に利用されてしまう可能性もあるものであると思います。

 このような感じでどうですか?

投稿: 護憲的コケシくん | 2006年2月 1日 (水) 00時30分

 さて、非常に難しい問題について質問を頂きました。私の場合民族問題については通り一遍の学習しかしていませんので詳細を論じるだけの蓄積がありません。先ずは「日本・朝鮮・中国」という青年アジア研究会の機関誌がありますのでそれを読まれることを進めます。また、同じく青ア研が発行している「排外主義克服のための現代史」というタイトルであったと思うのですが、今日でも入手できる本があります。是非一読して下さい。

投稿: アッテンボロー | 2006年1月30日 (月) 01時14分

 またもかなり前の記事にコメントです。

 改めて「中核派」が何であるのか、中国の的確な見方とは、といったことがすっきりまとめられていますね。やはり中核派が「解放」に向かって突き進み続けていることは重要なことなのですね。

 ただ、「抑圧民族」と「被抑圧民族」の「民族主義」が区別すべきものであることは間違いがないと思うのですが、それぞれの民族主義の中身についてもう少し詳しくお教えいただけたらと思います。

 というのも、「国際連帯集会」をつくる過程で、動労水戸の方が韓国の民主労総の民族主義者と出会い、「日本人とは連帯できない」と当初言われたことがあるという話を聞いているからです。その後、それはかなり克服されたといいますが、それは動労千葉・水戸の「階級性」がそれを可能たらしめたのでしょうか?そして、中国の労働者と「国際連帯」する際も「階級性による克服」を目指すべきなのでしょうか?

 また蒸し返しコメントで申し訳ありませんが、回答していただけないでしょうか?

投稿: 護憲的コケシくん | 2006年1月30日 (月) 00時46分

 gakusei さん今日は。詳しく調べたことはありませんのではっきりとしたことは言えませんが、仰るように若い層の失業者や未組織労働者のように見えますね。本来ならば彼らの社会への不満を革命運動が組織して、彼らに劣悪な労働条件などを強制している政府や資本家に怒りをたたきつけるのが正しいと思います。

投稿: アッテンボロー | 2005年10月14日 (金) 14時51分

俗に言う「ネット右翼」 no hitobito wa, iwayuru "ni^to" ya "huri^ta^" (matawa gakusei) ga ooi no kana?
syakai ni sanka dekinai mama, uppun o tamekonde, zyakusya tataki ni sei o dasu yo^na hito ga ooi kanzi o ukemasu.
yo^roppa deno kyokuu undo^ ya, Islam syugi undo^ tono kyo^tu^ten ga miraremasu ne.

投稿: gakusei | 2005年10月14日 (金) 08時53分

 ようこそいらっしゃいました。マルチンルターさんの疑問に答えるには少々時間が必用ですので一先ずは草加さんが付けて下さったトラックバックを読まれることを勧めます。

投稿: アッテンボロー | 2005年7月 2日 (土) 21時52分

大変興味深く拝見いたしました。
唯物論の考え方で右左を考えると、どのような発展段階を経るのでしょうか。イマジンの世界になるんでしょうか。
未来社会を明るいものにするためになにを今すべきか自分に問いただす今日このごろです。

投稿: マルチンルター | 2005年7月 2日 (土) 09時34分

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