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2005年9月27日 (火)

全逓四・二八闘争

 ご存知の方は郵便局員の間ですら少なくなってしまったのだが、日本郵政公社を相手取って闘い続けられている解雇撤回闘争がある。全逓四・二八(よんにっぱ)闘争がそれだ。郵政省時代に省当局が全逓を敵対視し、第二組合である全郵政を育成するために様々な不当労働行為、全逓組合員への不利益扱いを十数年の長きにわたって続けていたことに対して、積もり積もった全逓労働者の怒りが78~9年の反マル生越年闘争として爆発した。郵便物の区分をしない、配達をしない、貯金保険の労働者は新規契約活動をしないという実力の抵抗闘争は当時の自民党政権をして「労働問題ではなく権力問題」と言わしめるほど凄まじい物となった。滞留した郵便物の量は数千万通と言われている。全国各地の郵便局で大量のアルバイト、主婦のパートが動員されたが、そんな物ではとうてい郵便業務を回すことは出来なかった。東京の調布郵便局では二階建てのプレハブ局舎の床が、郵便物の重みで抜けてしまい、多くのアルバイトが重軽傷を負う事故まで起きた。当時の調布局に在職していた仲間の話では、全逓の組合員が負傷者の救助作業を始めたところ、管理職は「業務に戻れ」と命令を出したという。つまりそれだけ人を人とも思わない労務管理がまかり通っていたのだ。

 全逓労働者の渾身の闘いに恐怖した政府は、三名の公労法違反による解雇と懲戒免職58名という大弾圧を行った。それ以外にも全国で数千人が様々な処分を受けている。そしてこの首になった61名の内訳はと言うとすべてが現場の若い組合員であった。普通ならば労働争議の支持命令を出した組合役員が免職などの攻撃を受ける物なのだが、指導責任など一切無い一般の組合員に処分が集中したことに常軌を逸した政府・郵政省の反動性・凶暴性がある。処分が発令された1979年4月28日の日付から四・二八闘争として全逓の総力を挙げた闘争として闘いが組まれていた。ところが80年代に入り中曽根内閣による国鉄分割民営化攻撃の凄まじさの前にたじろいだ全逓本部の労働貴族・ダラ官どもは闘争をスポイルするようになる。そしてとうとう91年5月の第99回臨時中央委員会において郵政省との手打ち、労使協調路線の障害物となる四・二八闘争被免職者を組織から追放し闘争の幕引きを計った。唯一人、カクマル派の京極のみを専従役員に残して。(京極はその後労使協調路線の尖兵として組合の右傾化に棹を差し、順調に組合内で出世をし90年代後半には東京地方本部副委員長にまで登り詰めている。現在の消息は寡聞にして知らない)

 以来多くの非免職者が闘争を諦めてしまう中、神谷努さんを始めとする数名が今日でも解雇撤回を求めて闘い続け、心ある現場の組合員が支援している。昨年の6月30日には東京高裁の判決で解雇無効の決定を勝ち取るまで闘いは前進している。組合からの除名追放に関しては全逓本部に対し組合員権の確認を求める訴訟を行い勝利している。今日の郵政民営化攻撃の最中において四・二八闘争が意気軒昂として闘われていることは、私たち現場で呻吟する労働者にとって光明を見いだす事が出来ると思う。時間はかかるだろうが再び反マル生闘争のような実力の闘いを作り上げ、反撃すれば「民営化」攻撃は粉砕することが出来る。現場労働者の戦闘性をいかにして解き放つか、この事に一切はかかっているだろう。

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コメント

 gakusei さん色々論議はあったんですが、組合員の権利を回復して、組合内部からの改革を選んだと言うことなんです。一部には除名されたことで別の組合と一緒に解雇撤回運動を始めた人もいますが、私はやはり「権利の全逓」と呼ばれた組合再建に賛成なんです。
 国家権力の介入で組合の方針が右寄りになっては困りますが、利用することで戦闘的になれるなら、それもありだと思います。

投稿: アッテンボロー | 2005年9月30日 (金) 08時23分

>組合の問題について裁判所という国家権力を介入させるのは疑問であると言われますが、それでは様々な問題、例えば小泉総理の靖国参拝が違憲であると求める裁判、自衛隊・米軍基地の騒音問題への対策を求める裁判などは無駄なのでしょうか。

sore wa mondai arimasen.
kokka no ko^i ni tuite, saibansyo no handan o motomeru nowa to^zen no kenri desyo^.
daga, kokka kara dokuritu sita sonzai de aru beki ro^do^ undo^ no mondai o saibansyo ni motikomu koto ga tekito^ka do^ka to iukoto desu.

投稿: gakusei | 2005年9月29日 (木) 23時48分

 労働組合には犠牲者救済資金という制度、略して犠救というものがあります。争議行為によって処分され、経済的に損失を受けた組合員に対して組合がそれを補償することで闘争への参加を確保するためのものです。除名は犠救打ち切りと一体になっていました。それはおかしいだろうと言うことです。
 組合の問題について裁判所という国家権力を介入させるのは疑問であると言われますが、それでは様々な問題、例えば小泉総理の靖国参拝が違憲であると求める裁判、自衛隊・米軍基地の騒音問題への対策を求める裁判などは無駄なのでしょうか。公害企業に対して処分を求める訴訟もあります。国家権力の一部である裁判所であっても闘うためには利用するという考え方もあるのです。

投稿: アッテンボロー | 2005年9月29日 (木) 15時18分

>組合の指導に従って闘争に参加して首を切られているのに、本来ならその組合員の生活に責任を取らなければいけない筈の組合が除名・追放という行為を行ったからなのです。

除名・追放という行為 ni yotte, honrai siharawareru beki kyu^en (enzyo) ga siharawarenakatta to iukoto?

>そしてこの解雇撤回を闘っている人々は、組合その物に昔のようなまともな組合に戻って欲しいと言う思いがあるのです。

sikasi, 組合 no mondai o saibansyo ni motikomu to yu^koto wa, ro^do^ undo^ ni kokka o kainyu^ saseru koto ni narimasen ka?

投稿: gakusei | 2005年9月29日 (木) 01時40分

 gakuseiさん初めまして。何故組合員の権利を回復する裁判をしたのかご質問ですが、分かりにくかったらもう一度質問してくださいね。
 組合の指導に従って闘争に参加して首を切られているのに、本来ならその組合員の生活に責任を取らなければいけない筈の組合が除名・追放という行為を行ったからなのです。
 そしてこの解雇撤回を闘っている人々は、組合その物に昔のようなまともな組合に戻って欲しいと言う思いがあるのです。その為には組合員の権利を回復して組合の中から改革の運動をしようとしています。

投稿: アッテンボロー | 2005年9月28日 (水) 12時12分

konnitiwa. Nippongo ga kakenai node Ro^mazi de situmon simasu.

>組合からの除名追放に関しては全逓本部に対し組合員権の確認を求める訴訟を行い勝利している。

kaiko tekkai wa to^zen to site, naze 組合員権の確認 ga hituyo^ nano desu ka?

郵政 wa "CLOSED SHOP" (必ず組合員になることが条件の職場) dewa nai hazu desu ga...?

投稿: gakusei | 2005年9月28日 (水) 06時04分

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