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2005年9月16日 (金)

国鉄分割民営化に反対した動労千葉のストライキ

 85年秋の闘いの中で10・20と並ぶ大きな衝撃を社会に与えたものは、11月の28~29日にわたり打ち抜かれた動労千葉による24時間の国鉄分割民営化反対ストライキと、それを支援するためにおこなわれた革命軍のケーブル切断ゲリラ及び浅草橋駅焼き討ち戦闘だった。当時の国鉄情勢はちょうど今の郵政民営化情勢のように中曽根内閣がマスコミを利用して「国鉄労使国賊論」を垂れ流し、政財官の癒着によって生じた47兆円という膨大な国鉄赤字の原因を責任転嫁している中で、現場の労働者が処分を恐れず首すらかけてストライキに立ち上がることで情勢を大転換させた。

 当時は既に動労本部カクマルが当局の手先に成り下がって国労動労千葉・全動労という屈服していない労組にたいする破壊工作に血道を上げていた。その中で国労は分割民営化には反対しながらも、社会党を頼みにして自らは方針もなく右往左往している状況だった。当時の動労千葉は30万国鉄の中で僅か1400人の小さな組合に過ぎなかったが、当該である自分たちが闘いもせずに支援連帯が広がるわけがない。ストライキで分割民営化にて移行しようという闘う路線を選択した。

 10・20戦闘での拘留を終えて帰宅した僕のアパートの郵便受けには、その年の八月に受験した郵政外務員筆記試験の合格と二次試験の面接を知らせる手紙が入っていた。11月の下旬か12月の上旬が面接日だったので幸運にも間に合った。しかし同じように郵政一次試験に合格していながら起訴されたために面接を受けることが出来ず諦める羽目になった同志もいた。不合格で逮捕されなかった同志が「逆だったら良かった」とそれを惜しんでいた。

 動労千葉のスト支援のために11月28日の早朝から新幹線と在来線を乗り継いでスト拠点の津田沼電車区に到着した。その直後であったろうか、国鉄当局がスト破壊のために動労本部カクマルを大量動員していることに対して、当初29日午前零時にスト突入の予定であったものを12時間繰り上げて午後0時からストライキが始まった。当局も乗客も想定外の事態に大混乱に陥る。一緒にいた専従がおかしそうに「わしら早く来といて良かったな。今から来る連中はスト破り列車でくるんやで」と言う。電車区は機動隊が重包囲しているために、私たちは近寄ることが出来ず、仕方なく津田沼駅前で支援集会とデモをおこなった。支援集会ではスト破り列車への常務を命じられた国労組合員2人が緊急避難のために動労千葉に加入して自らスト要員になると言う感動的な話が伝えられた。普通ストライキの時には様々な事情から脱落者が出る物なのだが、動労千葉はストライキで組合員を増やしてしまった。夕闇の中、津田沼電車区を遠巻きにするデモの最中、どこからともなく「先頭には突撃隊が編成されていて、機動隊を排除して突入するらしい」という声が聞こえた。私は自分が先発されなかったことを恥ずかしく思った。完全黙秘が出来ないから使えない奴だと思われたのだろう。しかしデモは機動隊と衝突することなく無事に終了した。

 支援部隊は駅前で夜を明かすことになるのだが、十一月の下旬の気温は低く、寒くてとても眠ることなど出来なかった。交代で自動車のヒーターを使って暖を取った。うつらうつらするくらいはあったが、ほぼ徹夜だった。夜が明けると駅周辺に集まってきた通勤客に対して街頭宣伝をした。僕は「前進」の販売を担当していたので通勤客に話しかける。すると「トンでもない事してくれたな」という声が帰ってくる。一体何のことか分からない。どうしたのかこちらが尋ねる。首都圏と関西の一部の列車が、各地でおこなわれた列車ケーブル切断ゲリラのために運行がストップしていると言うではないか。

 街頭宣伝を終えて待機場所に戻ると、ラジオを手にした同志が報道の内容をみんなに教えてくれる。国鉄当局は前倒しストのために当初混乱していたが、本日の始発からはダイヤ通りの運行体制を確保していたらしい。つまり動労千葉のストライキを無効化する手はずを整えていたと言うことが。それに対して各地で革命軍による列車ケーブルの切断や時限発火装置による攻撃などがおこなわれ、更に全学連と反戦の選抜部隊が浅草橋駅を焼き討ちしたことが分かった。後に報道で知ったことだがその中には全学連の鎌田委員長や国鉄労働者二人、今日都政を革新する会で事務局長を務める北島邦彦さんなどが含まれていた。

 革命軍や全学連・反戦の戦闘については様々な意見が出され、中にはストライキの価値を貶めたと憤る人もいた。それでも私はスト支援のためのこれらの戦闘は正しかったと思っている。何故なら「千葉の片田舎の組合」のストライキではマスコミに無視されてしまう可能性が大であったが、戦闘の報道は嫌でも全国ニュースにせざるをえないし、その背景にある動労千葉のストライキと国鉄分割民営化への問題提起も報道されたからだ。そしてこの日を境に「国鉄労使国賊論」の立場から分割民営化賛成一辺倒であったマスコミの論調が変化し、地方ローカル線の切り捨てなど民営化が持つ様々な問題が取り上げられるようになった。

 今日の郵政分割民営化に抵抗する闘いの中で、動労千葉の闘いから学ぶものは非常に多いのではないだろうか。動労千葉は今日でもストライキや順法闘争を闘う力を維持しているし、その力を背景にしてJR経営者側に乗客と乗員の安全を守るための投資を強制している。乗客の中にも道路千葉の闘いへの理解と支援が広がっている。私たち郵便局に働く労働者も、本当は78~9年の反マル生越年闘争のような物ダメを始めとする実力闘争に立ち上がることで、民営化阻止を現実のものにすることが出来るのではないだろうか。少なくとも職場の団結を打ち固め、民営化と同時におこなわれる大量首切りと労働条件の急激な悪化に対して抵抗できる体制を整えなければならないと思う。

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