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2006年1月29日 (日)

ホームレス問題について

 私はホームレスの人々への支援運動という物にはたった一回の参加しかなくて、基本的に無関係で来たと言える。たった一回の参加も組合の動員で釜が先の三角公園での越冬闘争の支援集会に付いていっただけで、まあお付き合いで行ったような物である。だがこの間色々なブログで公園に住民票を置くことが認められた大阪地裁の判決や、靱公園・大阪城公園などにおけるホームレス排除を狙う行政の動きなどを見ていると何となく自分と無関係ではないような気がしてきた。若い人々はそうではないのだが、50を超えるような人々の中に、もしかしたら自分の直接の知り合いがいるのではないかと思ってしまうからだ。

 以前何かの記事で私の父が土建屋を経営していたことを書いた。戦後朝鮮半島からの引き揚げ者であった祖父が大手ゼネコン前田建設の飯場の責任者になりその跡を継いでいたのだ。ところが60年代の後半、私が三四歳の時のことだが、合理化の一環で飯場がそれぞれ独立させられることになり、社長になってしまった。大手のゼネコンはどこも景気の変動に因るリスクを本体で取ることを止め、下請けとした飯場に取らせるようになった。大阪万博景気などの影響もあり最盛期には父の会社の従業員は300名を超えていた。経営能力がない父であってもそれなりに儲かる良い時代であったのだが、その後親会社に干されるようになる。首切り合理化今日で言うリストラを行うから、労働者の多くは転職したり、郷里に帰ったりするのだが、中には帰る場所のない人も沢山いた。そう言った人々は住み込みで働ける飯場を探すか、西成などのドヤ街に移り住んだ。

 バブル景気の時代まではそれなりにアンコであっても仕事があったのだが、バブルの崩壊によって日雇い労働者に仕事はなくなる。細かいことは知ったかぶりをしてはいけないのであまり触れないでおく。土建屋の中には厚生年金を天引きしておいて社会保険事務所に納めず懐に収める悪徳社長なども存在している。その結果長年働いても年金が貰えなかったり、有っても生活するには足りないような労働者も存在する。60,70となっても働かないと生活できない人もいる。しかし西成などで立ちんぼをしても若くて技術がないと雇って貰えない。自然とホームレスにならざるを得ない。

 27日金曜日の大阪地裁判決は画期的な物のようである。元々がテント生活をしているホームレスには年金受給等のために住民票を置く場所が無くて、支援の人たちが自宅を提供していたら、それに対して警察が公正証書原本不実記載同行使の罪状(実際にすんでいない場所に住民票を置いたと言うこと)で弾圧を行いだした。それなら仕方ないと言うことでテントを設置している公園に住民票を置こうとして、それを受理しなかった行政に対して裁判を行い、勝利判決が出たわけだ。この後どの様な動きになるのかは私には想像も付かないが、今まで警察をはじめとする行政機関(郵便局を除く。ちゃんとテント宛でも郵便を配達してきました)が虫けら同然の扱いをしてきたホームレスの人々の権利が守られたことについては喜ばしいことだと思う。

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コメント

 護憲的コケシさん、まずホームレス・路上生活者の支援連帯への決意を新たにされたことに賛意を表します。現時点で中核派系列の運動ではこの領域での取り組みが存在しない現状にありますから、その点様々な苦労が発生するかと思いますが、頑張ってください。
 武装自衛の問題については、あくまでも被抑圧人民が抑圧者とその手先に対して取る物ですから、帝国主義者などが「自衛のため」と称して侵略戦争を行う物とは全く違う物です。他国の労働者・人民は階級的兄弟です。ですから、そこからスターリン主義者の核武装が如何に共産主義とは無縁の物であり反労働者的な行為であるかはご理解いただけると思います。中核派が初めて帝国主義の核だけでなくスターリン主義の核にも反対の闘いを提起したことの正しさも分かっていただけると思います。

投稿: アッテンボロー | 2006年2月 1日 (水) 09時14分

 昨日のホームレスの強制排除には心が痛みました。公園に「生活実態」がある人々を、まさに「暴力」で、しかも一部の者の「見栄」のために行うことが正しいことなのでしょうか?前日に出た判決も結局は無に帰してしまったことが残念でなりません。

 また僕はこれを通して「武装自衛」が、あくまで文字通りの「自衛」に特化する限りにおいては必要であると認識しました。じつは「武装自衛」論は、僕自身よく勉強していないこともありまして、「その言葉だけ聞くならば『北朝鮮や中国のミサイルからの防衛』と人々に一緒くたにされるのでは」などど考えていましたが、それは正しくないことがわかりました。

 あのような人々の「生存権」を奪うような「権力の横暴」から自らの仲間を守るために、少なくとも最低限の「防衛武装」が必要であったのではと、ニュースを見て思いました。さらに、そうした「武装自衛」はあくまで反革命的な勢力の実力行使に対してのみ使われるのであって、「国権の発動たる戦争」とは明確に区別されるべきものとして存在できると思い至りました。

 そもそも「北朝鮮や中国がミサイルを撃ってくる」といった妄想的な懸念が出る事自体が日帝の軍事大国化の帰結であり、そうした「真の原因」を探ればいかに一般に喧伝されている「脅威」が作為性を持っているかが明らかになるはずです。日本が度々侵略戦争を繰り返すのではないかという懸念を与え続けたこと、それを労働者・市民がしっかり批判して粉砕すること、これが真の友好への道だと思います。当然、他国の「労働者・人民」は仲間ですから、「仲間内では非暴力を貫く姿勢」も重要になるでしょう。

 かなりずれましたが、今回の大阪のホームレスの方々の必死の抵抗に、「やはり『傍観者』でいていいはずがない」と決意を新たにし、今は「支援」を通すしかなくても、実際の路上生活者の声を少しでも聞いて彼らそして全国のホームレス・路上生活者との連帯を、できる範囲でいいからつくっていきたいと思いました。

 今回はこれで以上です。それでは失礼します。

投稿: 護憲的コケシくん | 2006年2月 1日 (水) 00時49分

  理人(マサト) さん初めまして。ヒトラーに対して「世の中の役に立つだけの)力」という評価をされるのは私とはかなり感性や価値観が違う方のようですね。ブログについても少し拝見しましたが、私は株の運用などには関心がありませんので折角紹介いただきましたが興味をそそりませんでした。
 怪星人カピア さん今晩は。大阪市のやり口については腸が煮えくりかえります。労働者に対して死を強制しようとする帝国主義は打倒する以外にありません。革共同の真の労働者党への飛躍と発展によって、今回の下手人共に鉄槌を下して欲しいと願わざるを得ません。

投稿: アッテンボロー | 2006年1月30日 (月) 22時15分

今回も去年の名古屋同様、訳の判らんイベントを名目に、野外での生活を余儀無くされた下層労働者に対し、官憲が住む場所すら剥奪して、“野垂れ死に”に追い遣ろうとする、そうした現状を許す結果となってしまいました。本当に残念です。
言いたい事はある筈なのに、何だかどう表現して良いのか、判らない……。唯々悔しいだけで…。
去年見た、死ぬのはやつらださんの『反米嫌日戦線LIVEandLETDIE』の6月26日の記述、『支配されたがる この国の人達/船本洲治の死から30年 何も変わってないよ』を思い出さずにはいられません。
補足 大阪市は地裁の判決を不服として、高裁に控訴したとの事で、予想していたとはいえ、腹ただしい…。彼等に寒空の下で死ねと言いたいのか。
最後に、理人とやらのHP見ましたが、色んな意味でヤバ過ぎるので、相手にしない方が懸命かと思います。

投稿: 怪星人カピア | 2006年1月30日 (月) 22時00分

ヒトラーも浮浪者出身というのは、(世の中の役に立つだけの)力のある人が出てくる事もある一例ですよね。

私のブログをぜひ御覧下さい。理人(マサト)部分クリックで飛べると思います。底辺から駆け上った「ブッ飛んでる連中」の話です。

投稿: 理人(マサト) | 2006年1月30日 (月) 19時42分

  HISAさんお早うございます。この学者さんは年間数百人が死亡しているホームレスの問題を知らないのでしょうか。どこが豊かな世界だというのでしょう。現実を知らないのにも程があります。

投稿: アッテンボロー | 2006年1月30日 (月) 08時47分

バカの壁(養老孟司 新潮新書)を読んでいたら、(日本では)「ホームレスでも飢え死にしないような豊かな社会が実現した」とか「失業した人が飢え死にしているというなら問題です。でも、ホームレスはピンピンして生きている。下手をすれば、糖尿病になっている人もいると聞きました」なんて記述があり、目の玉、ひっくり返りました。いわゆる「ある程度のホームレスの存在は仕方がない」論です。養老って、人のことバカだと決めつけ、自分は何様なんでしょうかね。こんなのが東大名誉教授ですよ。まったく、世も末です。

投稿: HISA | 2006年1月30日 (月) 02時14分

 護憲的コケシさん、度々の書き込み、細かく読んでいただいているなと有り難く思います。正直いてホームレスの支援の問題については全くと言って良いほど無知なので、何をどうすべきかについての見解という物がハッキリ無いのですが、労働者を使い捨てにしてきた日帝の所行に対する怒りは感じます。明日は靱公園と大阪城公園で行政代執行が行われるようです。残念ながら私は支援の行動に参加できませんがニュースに注目したいと思います。

投稿: アッテンボロー | 2006年1月29日 (日) 23時02分

 三日連続で書き込みに来ました新参者のコケシくんです。

 水戸にも「まごころネットワーク」という路上生活者支援のボランティア活動が存在し、(好きな子の力になりたいという個人的な動機ではありますが)何度かボランティアを行ったことがあります。そのネットワークが支援しているだけでも20人ほどおり、皆水戸市界隈で路上生活をしています。

 残念なのはそのネットワークが「単なる支援」にとどまって、行政への要請や労組との連携(動労水戸という地域最強の労組もあるのですが)を行わないでいることです。もっとも動労水戸もこの問題にまだ手を出していないと言う問題もありますが、この問題にも労働者や市民にとって見逃せないものがあることだけは確かです。

 僕はホームレスや路上生活者については、当面の支援と行政への訴えという具体的行動を並行させて行うのが良いのではと考えます。彼らこそ、帝国主義的政策の最たる「被害者」の一部であり、彼らと連帯する意味でも支援と行政とのたたかいを両立させる必要があるのではないでしょうか?

 その意味で、大阪の判決は水戸の「まごころネットワーク」とその支援をうけている路上の「労働者」を勇気付けるものとなると思います。また、これを機にネットワークも要請行動などに出で欲しいと思っています。

 今回はこれで以上です。それでは失礼します。

投稿: 護憲的コケシくん | 2006年1月29日 (日) 22時41分

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