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2006年2月22日 (水)

郵政民営化と局統廃合

 最近ようやく郵政民営化による郵便局の統廃合問題が話題に上るようになってきた。これは民営化法案成立を受けて新会社発足までに予定されている計画が報道されるようになったためだ。本当なら私のような郵便局員がもっと声を大にして訴えなければいけないことなのだが中々余力が無くて出来ないままでいた。一月に書いた「61臨大議案書を批判する」では、議案書の中で既に統廃合計画が発表されていたのだが、全国大会に向けた本部批判が中心であったために、統廃合計画の内容まで検証した記事ではなかった。議案書作成の日程から考えて昨年末には郵政公社側から計画が周知されていたはずなので、今更という感はあるが統廃合計画について検証してみたい。

 先ず現在報道によって話題になっているのは公社の間に行うべき集配局の集約化によって、現在約4700ある集配局の内約1000を無集配特定局に格下げし、集配の拠点局1100程度に纏めると言うことである。単純計算で3600局になると思われるかも知れないがこのうち2600局は仮称「前送施設」と呼ばれ内務事務については集配の拠点局、仮称統括センターに集中される。前送施設では集配事務のみを行うことになる。そしてこの前送施設については統括センターの局舎増改築などの作業の進展に会わせて段階的に廃止されていくことになっている。もしこの計画通りに進めば、集配局は約1100しか残らなくなる。貯金保険業務についても同様に民営化時点で約1000局を無集配特定局化し、残る3700局の中でも外務営業拠点とそれ以外に分けて統廃合を行うことになっている。郵便・集配に於いても貯金・保険に於いても外務員が所属する局は大量に廃止されることになる。

 具体的に発表されている統廃合に関して則して私が住み働いている近隣局の状況を見てみると。先ず私の住むA市のA郵便局は統括センターとして残るのだが、隣接するB市のB局は無集配特定局化される。また私が勤務するC市のC局は前送施設となるためいずれはA局に統合されて無集配特定局になる。更に隣接するD市のD局は、E町のE局とF町のF局を吸収する統括センターとなる。私の住む地域だけで四つの集配郵便局が無くなる。ではこの場合どの様なことが起きるのだろうか。私が勤務するC局では局から最も遠い担当地域まで郵便局の自動二輪で走って約30分を要する。C局からA局までの所要時間約20分を足すと、統合後には50分を要することになる。するとどうなるかというと郵便の場合翌朝10時までに配達するというビジネス郵便があるのだが、これが難しくなる。現状でもC局では二三通この郵便があるだけで担当者はきりきり舞いしているのだが、それが更に激しくなるわけだ。書留郵便物の場合夕方から夜間の再配達などが出来なくなるだろう。持ち戻りの書留についてはC局に内勤がいなくなるため、A局まで持ち帰ることになるので、お客さんが窓口で受け取る場合A局まで50分掛けて足を運んで貰うことになる。サービスの低下である。似たことは貯金保険でも起こる。パートなどに出ている方が出勤前の例えば9時半頃に集金に来て欲しいと希望しても、対応できなくなる。尤も公社の方針では集金業務の廃止が目標となっているのでいずれ全家庭に集金はなくなるだろう。

 私が勤務する局の管内では電車もバスも通っていないの所が多いので車に乗れないと大変であるが、老人だけの世帯が多いために交通手段がない場合も多々ある。タクシーを使って書留を取りに来たり貯金の出し入れに足を運ばなければならない人が増えるわけだ。まだ近隣の市町村に子供が住んでいる人ならば何日かに一度買い物などに車で連れて行って貰うことも出来るが、それすらできない人の生活はどうなるのだろうか。まだ私の地域は良いのだが、郡部になると、統括センターまで二時間三時間を要する。過疎地の荒廃が進むのは目に見えている。現在の国会では耐震偽造問題・BSE問題・官製談合問題・ライブドア問題の四点セットで本来ならば内閣総辞職になってもおかしくない状況であるのだが、民主党の不甲斐なさのせいで攻めあぐんでいる。小泉政権を退陣に追い込み、解散総選挙で与野党逆転を狙い、民営化法案の廃止・郵政民営化の中止を勝ち取るような取り組みが求められているのではないだろうか。

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「経済・政治・国際」カテゴリの記事

コメント

 私も「世界」三月号を買って読みました。近い内に記事に出来たらと思っていますが、実態は酷い物です。少しでも多くの人に実態を知って貰いたいです。

投稿: アッテンボロー | 2006年2月24日 (金) 22時21分

本日2/24(金)、通っている図書館で、雑誌『世界3月号』に、「郵政民営化の大合唱の陰で-郵便局の労働現場はいま-」というルポが載っていたので、コピーして持ち帰ってきました。ショックを受けました。ノルマに追いつめられて自殺するケース、トヨタ方式導入に伴う立ちっぱなし作業、過酷な深夜勤務、ノルマ達成のための''自爆''、低評価職員にたいするパワーアップ研修、世間一般の「郵便屋さん」に対するイメージとは全く異なる実態が書かれていました。現状でこうなのですから、今後ますます・・・・。民間、公営・公益、問わず、働く者たちは、団結しないと、ほんとに、小泉構造改革に押し切られてしまう。危機感を改めて強くした次第。

投稿: HISA | 2006年2月24日 (金) 21時30分

 HISAさんお早うございます。新井議員の本は読んだことがありませんが、HISAさんが書かれている内容はおそらく現実の物になりますね。各種公共料金については給与振り込みや年金の受給をしている口座からの引き落としか、コンビニでの払い込みが中心になると思います。
 高齢者世帯の場合、郵便局も含めた各種集金人によって病気で倒れていたり孤独死しているなどの事例が発見されることが良くありますから、今後その様な場合に発見が遅れるようにもなるでしょうね。私自身も集金の際に世間橋をするのが好きな方ですから、仕事その物に付いていけるかどうか疑問ですね。

投稿: アッテンボロー | 2006年2月24日 (金) 07時50分

そうですかぁ、やはりサービス低下と労働強化が避けられないのですね。以前、荒井広幸氏が自民党時代に書いた本『郵便局をアメリカに売り渡すな』を読んだことありますが、さきほど、改めて、ざっと読み直してみました。いろいろ指摘されていますが、例えば①民営化→分離分割→サービス低下→消滅、②郵便局を民営化しても「小さな政府」にはならない、③郵便局の窓口こそ、日本に残る最後の「人と人」の接点だ、などなど。荒井氏が当時から懸念していたことが、まさに現実化してしまうわけです。
 ↑「集金業務の廃止が目標」。全部調べたわけではありませんが、公益企業である、大手電力会社や都市ガス会社も、ここ数年で、集金業務を合理化という名目で、廃止したようです。自動引落か払込用紙で支払って、ということです。うちの母親などは、まだ60台前半で年寄りというわけではありませんが、簡易保険か何かの支払い、集金に来てもらっています。僕が「自動引落にしたら」と勧めたこともありますが、月に1度、集金に来てもらって、その場で領収書を受け取り、世間話をすることが、母親にとっては安心であり、楽しみでもあるようです。懐古主義を気取るつもりはありませんが、荒井氏の指摘のごとく、「人と人」のつながりがまたひとつ消滅し、人間関係の希薄化に拍車がかかってしまうのですね。

投稿: HISA | 2006年2月24日 (金) 01時41分

 へロスさん、今晩は。大分忙しいようですね。実際今の合理化の中で職場に残っている人は休みも法律通り取れなくなりつつあるし、その上に組合の役員もしているのですから大変でしょうね。無理だけはしないで下さいね。
 さて、通勤はもとより仕事中の走行時間が増えることで外務員労働者の疲労も更に増える物と思います。サービスについても管轄区域の広域化によってどうしても局周辺で動き回ることで工率を追及する動きもあると思います。国会で幾ら政府与党が僻地への配慮を口にしてもそれが空手形に終わることは目に見えていますね。

投稿: アッテンボロー | 2006年2月23日 (木) 20時15分

久しぶりのコメントです。というより、ちょっと廃人かしてきたのがやばいとこですが・・・
アッテンボローさんの書かれた記事がほぼ的を得ていたので、トラックバックをさせてもらいました。

書いてあるとおり、局の再編に絡んで勤務先に行くのに今よりも遠くなるだとか、配達サービス及び貯保の関わりに格差が生まれるのではないかというところが議論中です。
また、職員が集まるという事はそれだけのスペースが必要なわけで、その問題も未解決に近い状態にあります。
その辺は国会答弁(でしたか?)で「差」は生まないとしありましたけど、正直怪しいと思っても良いでしょう。まぁこの事を発言した当の本人が数年後に責任をとるかといえば間違いなく逃げるでしょうがね。

投稿: ヘロス | 2006年2月23日 (木) 18時53分

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