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2006年2月19日 (日)

「帝国主義論」その4

 レーニンが「大国主義論」の中で述べたかったことは、資本主義社会の発達によって金融独占資本が社会を支配するようになり、その事によって自由主義段階から帝国主義の段階になっこと言うこと、帝国主義段階においては資源と市場の争奪を巡り少数の帝国主義列強による世界の分割支配が必然となり、発展の不均衡によって先行した帝国主義に対して後発の帝国主義が世界の再分割を巡って政治的・軍事的に挑戦すること、資本主義の矛盾は恐慌ではなく世界戦争の爆発によって「解決」される時代になったこと。そして帝国主義段階にまで発展した資本主義は寄生的で腐朽しており、労働者人民の手によって打倒されることによる共産主義社会の前夜とも言うべき状態であると言うこと。乱暴に纏めたと言われるかも知れないが、これが結論であると思う。この一連の記事について、私はレーニンの引用などから読み取ってもらうつもりで出来るだけ直接表現しない形を取っていたが、コメントの中に結論を急ぐ方もあるので明確に書くこととした。唯、この事で危惧するのは例えば小川さんを始めとする共産党影響下の人々などが拒否反応を示してしまうのではないかと言うことである。

 「三四郎日記」の小川さんとの論議の中で、「カウツキー主義」を巡るやり取りがある。小川さんは現代を帝国主義の段階として捉えているのではないようで、「超帝国主義」的に「WTO体制やEUなどは“『先進資本主義』諸国による共同搾取”なのではないですか?」と、帝国主義同士は相争わずにいることが出来ると考えているのではないだろうか。また「グッバイレーニン! (帝国主義について~その4)」「レーニンの時代にあっては、カウツキーの『超帝国主義』なるものは『将来に想定されたもの』『空想』の域を出ないものだった。そのようなものは『理論』とはとうてい言えないし、現に帝国主義戦争が行われている段階でそのような理屈を持ち出すことは、革命運動に対する妨害でしかなかった。
現代の〈帝国〉状況は、それがたとえ『カウツキー主義的』だろうがなんだろうが、目の前で『アメリカ帝国主義』の侵略政策が展開されている以上は、そのようなもの(超帝国主義的なもの)として見る以外にあるまい。むしろ、レーニン的な『帝国主義論』に固執する方が、『運動を武装解除する』事になりかねない。このことを端的に示したのが先のイラク戦争だった。
アメリカは、イギリスを従えてイラク侵攻を強行したわけだが、ドイツとフランスは明確に反対した。ドイツとフランスが自国の経済的利害から戦争に『反対』したのではなかったことは周知の通りである。しかし、ドイツ・フランス両国民の『反戦』への強い意志(大規模で継続的なデモ)が、独仏両政府を『反戦』へと動かしたのである。」
と書いている。

 先ず、百歩譲って「超帝国主義」的に帝国主義による共同搾取が実現可能であったとしよう。では現実に起こっていることはなんであろうか。フィリピンにおいてはトヨタ自動車の現地法人での労働争議が巻き起こっているのだが、それに対してトヨタ本社の指示による第二組合結成の動きや組合破壊の攻撃がかけられている。「トヨタ争議つづく」(レイバーネットより)また、「現代帝国主義論Ⅱ」(島崎光晴著 前進社刊)からの孫引きで申し訳ないのだが「労働者にとって給料日は、しばしばミステリーの日である。河南省のある女性労働者は『一ヶ月分の賃金として、私たちがどれだけの額を支給されるか、まったくわからない状態なのです』と語った。このミステリーは、賃金が複雑なポイント制で決められていることによる。繊維工場のある女性労働者は、一ヶ月分の労働に対する報酬がゼロだっただけでなく、逆にその月の支給額の三分の一を債務として雇用者に負っていることを知らされて愕然とした。労働者が自分の生産高や賃金計算の資料を見ることが禁じられているために、彼女は抗議しようにも弱い立場にあり、他の労働者の賃金と比較することさえできなかった」「食事中の私語の禁止、工場=寮複合棟内では床の印に定められたルートに従って歩くこと、特別な許可がなければどんな時間帯でも工場・寮施設から出てはならないこと、妊娠・結婚・婚約の禁止等々。ある工場では勤務時間中にトイレに行くために一日二度以上席を離れた者は、月給の五分の一を罰金として徴収するとされている。こうした規則を破れば、罰金だけでなく、体罰や嫌がらせを受けたり、あるいは二週間分の賃金を退職金として、解雇されることもある」(中央公論97年5月号)そしてこの様な日系企業に対して中国珠海(チューハイ)のキャノン・松下などでのストライキが深チェン経済特区にまで飛び火したことに対して対して、広東省公安当局を動かしてストの指導者を捉えさせ、死刑にさせている。(「最新東洋事情」95年版)インドネシアにおいてもトヨタの現地法人での賃上げ要求ストに対して、会社が雇った暴漢数百人が襲撃を掛け二人が殺され数十人が重軽傷を負う事件も起きている。(「エコノミスト」01年5月22日号)等々。こういったアジア各国への搾取は帝国主義同士が戦争さえしなければ許されるのであろうか?昨年春の中国における大規模な反日デモにおいてはこれらの事情を背景として日系企業が襲撃を受けたが、それらに対して鎮圧を要求することは許されるのだろうか?私は絶対許してはならないと思う。

 次に、イラク侵略戦争がアメリカによって行われたことに対して、それを「超帝国主義」的な物として見るというのは混乱ではないだろうか?この混乱は共産党が91年の中東湾岸戦争においてもイラク侵略戦争においても帝国主義戦争ではないという見解を示していることから来ている。小川さんの論理で行けばアメリカのイラク侵略戦争は「帝国主義的政策」だが帝国主義戦争ではないと言うことになる。帝国主義が行う戦争のすべては帝国主義戦争だというのが本来の共産主義の考え方ではないだろうか。そして、レーニンは帝国主義戦争に対しては、取りうるありとあらゆる手段を講じて反対を貫くことを主張している。レーニンの立場に「固執」することがどうして「運動を武装解除する」論理になるのかについても説明が不十分である。寧ろ問題は逆であり、レーニンの立場に立てないからこそ共産党の反戦運動は中途半端な物でしかないと言えるだろう。何故なら共産党は40万人の党員を抱えているのであるから、もし本気で反戦闘争を行うのであれば党員だけで10万以上の集会を開くことは十分可能である。それだけではない。全労連は100万以上の労働者を組織している。生協や民商・民医連などを通じて影響下にある労働者市民の数は数百万になるのだ。だがしかし共産党は侵略戦争反対のストライキ一つ提起しなかった。何故ならその事が日本においても革命情勢を迎えることに恐怖しているスターリン主義の本質があるからだ。日和見主義というのは闘うべき時に闘うことが出来ない者のことを言うのである。

 三番目に独仏における政府のイラク戦争反対の動機と、民衆の間に広範にあった反戦意識と運動の高揚とを混同していることである。独仏帝国主義は中東湾岸戦争後経済制裁を受けていたイラクと接近し、石油利権を確保していた。それは莫大な借款を伴っており、イラクフセイン政権は決済手段をドルからユーロに変更しようとしていた。米帝にとっては戦後の中東石油支配体制の崩壊と基軸通貨としてのドルの地位の一層の低下をもたらすこの事態を見逃すことができなかった。だからこそ「大量破壊兵器」をでっち上げてイラク侵略戦争を強行したのである。そして独仏帝国主義にとっては戦争を通じてイラクフセイン政権が崩壊することで自らが確保する権益を失うことを恐れたからこそ戦争に反対していたのだ。英帝、スペインにおいても膨大な民衆が反戦闘争に立ち上がっていたにも拘わらず英西両国はアメリカに荷担して侵略戦争に突進したことを見れば、単に民衆の反対の意志を政権が尊重したのではないことが分かるであろう。今日の世界帝国主義は米英日を枢軸とする陣営と独仏を中心とする陣営とに分裂を始めているのだ。そしてそれは、労働者の帝国主義打倒の共産主義革命がない限り、必ず第三次世界大戦へと突き進んでいくのである。

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「経済・政治・国際」カテゴリの記事

コメント

 そうですね。ある意味今日の中国共産党の支配に当てはめて読んでも面白いかも知れませんね。昔読みましたが、名作ですね。

投稿: アッテンボロー | 2006年2月25日 (土) 01時40分

遅い時間に失礼します。
中国の話が出たので思い出しましたが、何となく今の中国って、ジョージ・オーウェルの『動物農場』に似た状況かなって、勝手に思っております。
農場を支配していた人間側が日本やアメリカ、其を解放した後に、新たに動物達の支配者となる豚が中国共産党指導部。で、話の最後に手打ちをしつつも、又諍いを起すのですが。
本題と関係無い話ふってすみません。でも『動物農場』は、ロシア革命と其の後のスターリン体制を風刺した話ですけどね。

投稿: 怪星人カピア | 2006年2月25日 (土) 00時21分

 通りすがりのものです さん、中国や朝鮮の問題についても多少は知っています。私の立場は両国の労働者が現在のスターリン主義体制を打倒する真の共産主義革命に立ち上がることを支持するという物です。難しいのが最近のネット右翼などの差別排外主義からの批判との違いをどの様にして伝えるか、あるいは差別排外主義にならない形で中国・北朝鮮のスターリン主義を批判するかと言うことですね。正直私の力量では出来ないので、先ず自分たちの住む国が行っていることから批判しています。

投稿: アッテンボロー | 2006年2月22日 (水) 14時45分

中国は、厳然とした階級社会ですよ。
ネットで様々なニュースソースやブログを見ると確信します。
日本の体制を非難するのは構わないと思いますが、
それ以上にひどい中国の現体制と、
そこで苦しむ農民たちに思いが行かないのは何故?
チベットやウィグルの人々の苦しみは
アッテンボローさんには聞こえないのかな?
土地も金も未来も共産党に奪われている
農民たちの苦しみの声は聞こえていますか?
北朝鮮の人民の苦しみの声は聞こえていますか?

投稿: 通りすがりのものです | 2006年2月22日 (水) 08時59分

 元反戦高協さんご教示有り難うございます。口座派などの理論はおろか宇野経済学もまともに勉強したことがないので、私の場合は中核派による批判を通じて共産党の反革命性を学んでいる状態です。独自に批判できるようになるには相当に勉強する必用がありますね。

投稿: アッテンボロー | 2006年2月20日 (月) 09時41分

レーニンの帝国主義論の今日版として、島崎現代帝国主義論は妥当だと思います。代々木は基本的に宇野経済学の理解がない、と言うか講座派自体のマル経を廃棄させており、現在の資本主義社会の批判として思想的立脚基盤を限りなく社民化させたものであると思います。

構造改革派と(つまりは右翼スタ)路線転換しているという認識でよいのではないでしょうか。一旦構造改革派となれば、本気で資本主義批判=労働者階級の解放の運動はおろか、政府批判、反戦運動などもろくに取り組まない改良主義的な政党に転落している、と思います。

あとは、この現実の政党に追従する党員に党内闘争などの奮起と、階級的自覚に望みをかけるしかないでしょう。

中国のことですが、中共の幹部とあることから知り合いです。幹部血族である委員会を支配し、日本、アメリカ、ドイツなどの企業と賄賂を公然と受け取り腐敗のきわみです。無論高級車に乗り、ポケットにはドル・円で膨らんでいます。

この幹部に共産主義者として恥を知らないのか、モラルはないのか、と詰問をしました。そうしましたら、幹部は共産主義者は将来の人民の生活のモデルとして、現在の生活をしている、とのたまうのです。カクマルの"永遠の今"というドグマが頭をよぎりました。。。

スターリン主義の体制が(生産手段として資本主義体制を確立させ)、買弁資本家となっており、自国の人民を帝国主義に差し出す体制になっていると言うことです。

投稿: 元反戦高協 | 2006年2月20日 (月) 09時04分

 黒目さん、中国政府にも党にもまともな階級性は残っていないと思います。だからこそ劣悪な労働条件で外資を誘致しているのだと言えます。その意味で半植民地化しつつあると言えると思ったわけです。ですからスハルトや全政権と区別する必用は、私はないと思います。

投稿: アッテンボロー | 2006年2月20日 (月) 07時57分

中国の国家なり党なりに、そういう階級的要素残ってるかしらん?
マルクス主義の体系の中ではどういう事になるのかよくわかりませんが、どうにも、いま中国でおこっている事はかつてインドネシアや70年代の韓国でおこっていた事と同じなのではないかと思うのですが。
すなわち、あれって開発独裁の一形態なのではないかと。

外国資本が劣悪な条件での雇用が可能であるという事はすなわち、中国における労働市場がそういう具合なのであるという事を意味します。中国ナショナル資本での仕事が、外国資本のようではなく、劣悪なのでないのであれば、みんな中国ナショナル資本の職場で働き、外国資本は駆逐されるでしょう。
しかし、外国資本はこぞって中国に資本投下しています。それは中国が「使い捨て可能な安い労働力」を供給可能だからです。
中国共産党政権は、労働運動を弾圧する事によって、資本による労働者使い捨てに寄与している、すなわち「ブルジョアジーの暴力装置」そのものなのではないでしょうか。
私にはどうにも、あれとスハルト政権や全政権のやっていた事を区別する必要があるのかがわからないのです。
それは例えば「民主経営による労務管理」の実態を考えりゃわかる話なのではないかと思うんですが。

投稿: 黒目 | 2006年2月20日 (月) 02時41分

 通りすがりのものですが さん、引用の冒頭に書いたように孫引きですので中央公論なりの元の文で確認していただくのが一番でしょうね。基本的には日本を始めとする外資系工場での劣悪な労働条件があるのだと思います。
 誤解されているようですが中国は「帝国主義」ではありません。日米欧の資本によって半植民地状態になりつつあるスターリン主義国とでも言うのでしょうか。そして本来の共産主義であるならば経済侵略に対する反帝闘争は対置してストライキなどはするでしょうが、戦争ではなく帝国主義諸国の労働者に対して革命に立ち上がることを呼びかけるでしょう。

投稿: アッテンボロー | 2006年2月20日 (月) 02時16分

記事前半の部分の分析は、現状の中国共産党による社会支配をそのまま分析しているように思われます。「共産主義」を標榜する「帝国主義」体制が体現する帝国は、必然として戦争を望むんでしょうね。ちなみに中国における労働争議は日系企業だけなのでしょうか?日本企業だけの問題で中国で全国的な労働争議が起きるものなのでしょうか?日系企業より遥かに多く存在する中国企業の搾取はないのでしょうか?

投稿: 通りすがりのものですが | 2006年2月20日 (月) 01時55分

 護憲的コケシさん、私なりの「帝国主義論」の読み方が参考になれば幸いです。今回結論というかまとめを書いてしまったのですが、原著の内第七章についてのみしか書いていませんので、本当ならばまだ色々書くべきことがあるのですが。5以降をかくかどうかについては思案中です。
 党派問題というのは今の私は無所属ですから、暫くの間は思想的・運動的に諸国放浪の旅をして自分の研鑽を積みたいという以上の物はないのですがご理解いただけない方もあるようです。できれば闘う全ての勢力が小異を残して大同団結してくれるのが一番有り難いと思っています。
 管制塔被告支援連帯基金の運動については踏み倒す所まで開き直れない場合にはやむを得ない選択だったと思います。私としても元被告の生活破壊を見過ごすことはできないという思いがありましたので協力しました。

投稿: アッテンボロー | 2006年2月19日 (日) 22時27分

 一連の「帝国主義論」を読ませていただきましたが、原著に当たる(すでに岩波版を所持しています)と共に、この一連の記事もコピー・ペーストして一つの資料としようと思います。アッテンボローさんお疲れ様でした。個人的には韓国の話が興味深かったです。

 さて、「熱田はに接近するような人間は動労千葉へのリンクなどを外すべきだ等々」についてですが、若い僕からすればその必要はないと思います。僕は「戦旗派」の人(学生)とも交流がありますし、また、明確な反戦運動ではない取り組みにも力を貸しています。かつ、動労水戸の皆さんとの実際の交流もあり、ブログでは動労千葉へリンクをしています。

 アッテンボローさんに向けられている批判を僕に当てはめるならば、戦旗派の学生と動労のどちらかの「仲間」を見限る、最悪「切捨て」ることになりかねません。でも、今求められているのは、そうした党派に必要以上にこだわることではなく、反戦・平和を求める統一戦線の形成です。その観点からすれば、各個人は所属を気にせずに、つながりたいと思う「ひとりひとりすべて」と向き合う必要がありますし、その一方で相互尊重の観点から各組織について一通り知りつつ、「どう共通理解をつくるか」という努力が必要になってきます。

 少しずれましたが、アッテンボローさんが三里塚(でしたよね)の熱田派にも、動労千葉にも協力する意思があるということは統一戦線という観点からすれば、とても良いことだと思います。ですから、僕はそのままで構わないと思います。

 ただし、「三里塚1億円カンパ」そのものについては、「なぜ当局にお金を渡す解決法を選んでしまったのか?それは権力に屈服していることにならないか?」という疑問自体はありますが。

 僕からは以上です。

投稿: 護憲的コケシくん | 2006年2月19日 (日) 22時07分

 日本国憲法擁護連合さん、色々賛同いただいて有り難うございます。ただ予め御願いしておきたいのですが、他の方が書き込みにくくなりますので独演会だけはしないで下さい。それと以前「内ゲバ」問題で色々と私に対して熱田はに接近するような人間は動労千葉へのリンクなどを外すべきだ等々の批判をされていましたが、その辺について何か仰ることはありませんでしょうか。

投稿: アッテンボロー | 2006年2月19日 (日) 21時50分

>今日の世界帝国主義は米英日を枢軸とする>陣営と独仏を中心とする陣営とに分裂を始め>ているのだ。

イラク戦争に限定すればそうです。
ですが、東アジアではそうとはいいきれません。第一次大戦と第二次大戦がそれぞれの背景を考察するのが重要ですが、基本的に日米対立構造というのがアジア市場争奪のあり方だと思います。

>そしてそれは、労働者の帝国主義打倒の共>産主義革命がない限り、必ず第三次世界大>戦へと突き進んでいくのである。

これに関しては、反論はありません。

投稿: 日本国憲法擁護連合 | 2006年2月19日 (日) 21時32分

それからもうひとつ。
アッテンボローさんと小川さんの論争で気づいたことだが、小川さんはレーニン帝国主義の指標にすべて合致していないと帝国主義とはいえないというように述べ、現代はその指標とすべてと一致していないから帝国主義とはいえないという。ということは、教条主義的に逐一一致しなければならないという解釈をしているのは、小川さんのほうになるでしょう。
もっとも、こうした詭弁術を私は展開したいのではありません。本質的に市場争奪として戦争が行われてきたということなのです。
ところがそれを帝国主義戦争だと認めるということは、共産党は革命を対峙しなければならなくなる。だが共産党は帝国主義戦争だとは規定しない。アッテンボローさんが、痛烈に日本共産党の反戦運動のさぼりについて指摘されているが、そのとおりで、日本共産党は革命から逃げ回っているということなのです。そしてそれは、左翼的な主張を掲げる人々のなかにもそういう流れがあるということです。小川さんが、不破氏の理論を受けているのは、そんな背景があるのでしょう。ですから、帝国主義戦争だと提起しているアッテンボローさんの理論にケチ付けをしてたまらないということなのでしょう。

投稿: 日本国憲法擁護連合 | 2006年2月19日 (日) 21時24分

アッテンボローさんのイラク戦争論は私も同意見です。補足すると日帝も自国帝国主義の利害をかけて参戦しているということです。

もうひとつ補足すれば、東アジアに対する市場争奪は北朝鮮問題として東アジアに対するアメリカの重圧がましているということです。
アメリカは、日本の東アジア権益を妨害するために、北朝鮮の脅威をぶちあげ東アジアの権益をアメリカの手に渡るように展開し続けているということです。

ユーゴ空爆はドイツ帝国主義との覇権争いから、イラク戦争はユーロとの対立構造から、そして北朝鮮は日帝との東アジア市場争奪から起因しているわけです。その優先順位からアメリカは、戦争を行っているということです。

レーニン『帝国主義』のまとめはほぼ同意します。補足すれば、自由主義段階・産業資本のイギリスに対して、後発資本主義国ドイツなどが金融資本を基礎にして市場再分割に挑んでいくのが帝国主義段階です。金融資本というあり方は、産業資本がもたらす周期的恐慌ではない、資本輸出→市場争奪→戦争をもたらすということなのです。だから、帝国主義戦争を革命へというレーニンの提起が掲げられていったのです。

投稿: 日本国憲法擁護連合 | 2006年2月19日 (日) 21時12分

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