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2006年3月 1日 (水)

「帝国主義論」その6

 月曜日に「現代帝国主義論Ⅱ」(島崎光晴著 前進社刊)を読了して「三四郎日記」の小川さんお勧めの「レーニンと『資本論』戦争と帝国主義」(不破哲三著 新日本出版社)に取りかかった。前者はレーニンの帝国主義論を今日も基本的に有効であるとする立場から現代資本主義を帝国主義段階として把握しプロレタリア革命による打倒の対象としている。後者は共産党が今日の議会主義を肯定するために第一次世界大戦当時の情勢にあっては正しかったが、今日に適用することは出来ない、つまり革命の必要性を否定する立場から書かれているようだ。まだ三分の一しか読んでいないので結論づけるのは早いかもしないが。

 前回に引き続き第八章「資本主義の寄生性と腐朽」について書きたい。「帝国主義の最も奥深い経済的基礎は独占である。これは資本主義的独占であり、すなわち資本主義から成長してきて、資本主義、商品生産、競争という一般的環境のうちにある、そしてこの一般的環境とのたえまない、活路のない矛盾のうちにある、独占である。しかしそれにもかかわらず、それは、あらゆる独占とおなじように、不可避的に停滞と腐朽の傾向を生み出す。たとえ一時的にでも独占価格が設定されると、技術的進歩に対する、従ってまたあらゆる他の進歩、前進的運動にたいする刺激的要因がある程度消滅し、更には技術的進歩を人為的に阻止する経済的可能性が現れる。」例えば今日問題になっている官製談合などは独占価格を企業に対して保障する物としか思えない。官僚達は如何にして資本家にもうけさせるかという仕事のためにこれを行っているのだ。国家機関と実に複雑に癒着しているのが現代の独占資本主義といえる。官僚達は現役時代の功績に応じて退官後に天下りした先で高級・好待遇を保証されているわけだ。

 「さらに、帝国主義とは少数の国に貨幣資本が大量に蓄積されることであって、(略)その結果、金利生活者のすなわち『利札切り』で生活する人々の、どんな企業にも全然参加していない人々の、遊惰を持って職業とする人々の階級、あるいはより正確にいえば階層が、異常に成長してくる。帝国主義の最も本質的な経済的基礎の一つである資本輸出は、金利生活者層の生産からのこの完全な断絶をさらにいっそう強め、いくつかの海外諸国と植民地の労働を搾取することによって生活する国全体に、寄生性という刻印をおす」村上ファンドやライブドアは株の買い占めによる企業の売買で儲けている。投資ブームによって働きもせずデイトレーダーと化した人々も多く存在する。実際の生産活動は国内に於いては極少数の人間が行い、多くは海外の工場に任されている。私は一応貯金と保険の業務を担当しているから、その様な人々、株式市場の上下を利用して利ざやを稼ぎ、金利が少しでも高く付く商品を探して金を動かして生活している人々を沢山見てきた。まさに帝国主義の寄生性その物である。

 「金利性格者国家は寄生的な腐朽しつつある資本主義の国家であり、そしてこの事情は、一般にはその国のあらゆる社会=政治情勢に、また特には労働運動における二つの基本的な潮流に、反映しないではおかない」「帝国主義は、世界の分割を意味死、一人中国に限らない他の国々の搾取を意味し、ひとにぎりの最も富裕な国々のための独占的高利潤を意味するのであって、それはプロレタリアートの上層部を買収する経済的可能性をつくりだし、そのことによって日和見主義をつちかい、形どらせ、強固にする」「労働者を分裂させ、彼らのなかで日和見主義を強め、労働運動を一時腐敗させるという帝国主義の傾向」これらは今日の連合および全労連指導部の腐敗の原因を解き明かしている。彼らは文字通りの労働貴族であり資本家の労働者手代である。連合や全労連の傘下にある組合で今日のリストラと称した首切り合理化に対して真っ向から闘いを挑んだ組合があるだろうか?殆どは組合員に対して政党への支持を押し付けるだけであり、自らは経営者と馴れ合い、あたかも自らがブルジョア資本家の一員にでも成ったかのように振る舞って気いる。彼らの発言は如何にして企業を守るか、国家に組織された資本家階級を防衛するかと言うことばかりである。

 「今日の状態の特徴は、日和見主義と労働運動の一般的で根本的な利益との相容れない対立を強めずにはおかないような、経済的および政治的諸条件にある。帝国主義は萌芽から支配的な体制に成長した。資本主義的独占体は国民経済と政治で首位を占めるにいたった。世界の分割が究極まで行われた。他方ではイギリスの全一的な独占に変わって、少数の帝国主義列強の間で独占に参加しようとする闘争がおこなわれているが、この闘争は二十世紀初頭全体を特徴づけるものである。日和見主義は、もはや今日では、十九世紀の後半にイギリスで勝利を得たように、数十年の長きにわたってある一国の労働運動で完全な勝利者となることはできない。それは幾多の国で最終的に成熟し、爛熟し、腐朽してしまい、社会排外主義としてブルジョア政治と完全に融合するにいたったのである2月16日におこなわれた集会の場において、国鉄1047名闘争の当該である国労闘争団・全動労争議団・動労千葉争議団が三者一体となって成功を勝ち取ったことは特筆されるべきだろう。連合・全労連の傘下にある多くの労働者もこの集会には合流を果たした。全労連の内部では公然と鉄建公団訴訟闘争を支持するグループが登場しつつある。日和見主義との広範な分岐が既に始まっているのだ。

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コメント

 アントニオさん、①については帝国主義諸国がその他の国々を政治的経済的に支配している様をもっと徹底的に暴露する必用があるかと思います。軍需産業・航空宇宙産業に関してはその他の最先端技術と共に帝国主義本国での生産がおこなわれていますからどうしてもGDPに表れる数字は帝国主義諸国が大きくなるのでしょうね。②については、勉強不足のために自分では判断が付きかねますが、半植民地となりつつあるように思っています。③については現在でも所定国主義の矛盾は様々な形で衝突していますので、いずれ軍事面においても不均等発展による対米対抗的に現れると思っています。それが例えば第二次大戦における日本による対米戦争のような展望のない形であったとしても。
 NKさん、金融資本としても日帝のあり方はまつき的だというご意見、全く同感です。今こそ帝国主義打倒のための労働運動再生が必用だと思います。

投稿: アッテンボロー | 2006年3月 3日 (金) 09時09分

本文にありましたライブドア事件についてはついに「事件」になってしまったわけですが、これは、はろくに利益も計上できない会社を、あたかも優良企業であるがごとくでっちあげて株式上場し、膨大な株式を売り出して、労働者人民のなけなしの財布からから1700億円にものぼる金銭を詐取した詐欺事件と呼ぶほうがふさわしいでしょう。
もうひとつの村上ファンドについては、いわゆるヘッジファンドのひとつだとすると、その出資者は巨額の資金を持っている人間に限られます。そしてまた出資者は巨額の利益を手にすることもできるのです。そういう意味では全然背景が異なるといえるでしょう。しかしこの資金のもとが、「暴力団」等による「振り込め詐欺」などによってかき集めた資金の洗浄である可能性はあります。そうなると前者と同じ人民からの収奪となります。
いずれにしても、昨今の「株式ブーム」自体が、ひとつの証券会社の中で、一方では株式の小口売買によって労働者人民から病気や老後の蓄えを吸い上げ、他方ではこうして生じた流動性をテコに投資信託等を運用する大金持ちに巨大な利益をもたらすことになるのです。まことに金融資本としても末期的な症状を呈していると言えるのではないでしょうか。

投稿: NK | 2006年3月 2日 (木) 22時23分

①帝国主義国による海外諸国の搾取の問題は、今日でも最大の政治テーマですね。多くの後進国で、帝国主義の外資が国の基幹産業を牛耳っている現実があると思います。
 他方、経済的指標だけをみれば、現在は、帝国主義のGDP=国内生産が世界経済の中でダントツの大きさを占めています。海外搾取など取るに足りないかのように表現されます。ここらへんの不均等な価値表現を解析する必要があると思っています。
②現在、中国について、「依然として経済的には従属的だが、強大な独立した政治権力を持つ点で、単なる従属国とは違う」と、劉宇凡さんというコミュニストが書いていました。
③アッテンボローさんご指摘のとおり、帝国主義間の対立も先鋭であり、今日でも「超帝国主義」とは言えないと思います。しかし、軍事的政治的関係を見れば、アメリカに対して他の帝国主義は軍事的に自己を貫くことはできないように思います。

投稿: アントニオ | 2006年3月 2日 (木) 20時17分

 護憲的コケシさん、分かり易いと言って頂いてこちらこそ有り難いです。株式投資に一般の労働者や市民を誘っていること自体が危険な動きだと思います。結局株式暴落の危険性を機関投資家が避けるために利用されているという面があります。更に株に投資することで企業の論理に労働者を取り込む働きもあると思います。少なくとも労働争議などがある企業は株価低下に繋がるでしょうから、その様な労働運動・市民運動にたいする反動として個人投資家が組織されることもあると思います。
 国際連帯の重要性は幾ら強調しても多すぎることはないと思います。今日の日本における差別排外主義の高まりを見るとき、国際連帯の実践を通してこれを打ち破る必用があると思います。
 岩波版の「帝国主義」を読み終えられましたら、島崎さんの「現帝論」「現帝論Ⅱ」も読まれると良いと思います。レーニンの理論を如何にして今日に適用するかについて本当に勉強になると思いますので。

投稿: アッテンボロー | 2006年3月 2日 (木) 01時12分

 前回・今回とよくまとまっていて、とてもわかりやすいです。本当にありがとうざいます。

 「株で儲けよう」とマスコミなどで騒がれていますが、これって結局「労働者からの搾取に協力しよう」ということに他ならないことに改めて気づきました。個人投資家を増やそうとする動き自体が帝国主義の寄生性であることを肝に銘じておきます。

 また今回は「国際連帯」の重要性も直接的ではありませんが、「一国では勝利者になれない」という形で表れていましたね。「世界社会フォーラム」や動労千葉・民主労総・ILWUの三者連帯などは、そうした帝国主義段階の労働運動のあり方を大なり小なり体現しているのだと思います。もっとも前者には日和見主義も見られますが。

 そして、レーニンの分析は今日においてもかなり有効であると僕は確信しました。とはいえ、それを証明するためにはやはり何らかの「改善」なり「進化」が必要だとも考えています。それが、レーニン主義を研究・実践している人々の責任でもあると思います。さらに言えば人々がそれに接しやすい(右翼の悪扇動的なものではなく)ようにさせることもそれにあたると思います。

 なかなか岩波版を読み進めてはいませんが、読んだ時には必ず確認しようと思います。

投稿: 護憲的コケシくん | 2006年3月 1日 (水) 23時31分

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