情報流出について思うこと
海上自衛隊での情報流出に続いて、岡山県警における捜査資料の流出事件が発覚した。今回の事件においてもファイル交換ソフトWinny(ウィニー)が組み込まれたパソコンからの流出だ。
岡山県警:指紋採取情報が流出 少年の実名や被害者名も
約1500人の個人情報がネット上に漏れた岡山県警の内部資料流出問題で、新たに容疑者の指紋採取の有無などを記載した多数の指紋関連一覧表や、窃盗事件の容疑者の靴底写真なども流出していたことが4日分かった。少年の実名や被害者名も含まれており、県警に対する厳しい批判が起こりそうだ。
毎日新聞が入手した流出資料によると、「不拘束被疑者関係」というフォルダには、02年2月の日付がある新見署長名の「不拘束被疑者指紋等資料採取報告書」というファイルがあった。同年1月に逮捕せず調べた万引きなどの容疑者4人から指紋採取したことを報告する文書で、4人のうち3人は16~17歳の少年だった。
「指紋関係」フォルダには「被疑者指紋管理」名のファイルが多数あった。02年のもので1カ月ごとに作成しており、逮捕または任意で捜査した容疑者計約500人の氏名や年齢、罪名、検挙日などを記載。指紋採取した場合は月日が、そうでない場合は「拒否」と記してある。
また「遺留指紋照会依頼」名のファイルは、新見署長が県警本部鑑識課長に15件の採取指紋の照会を求めた01年6月の文書。それぞれの被害者名が併記されていた。
また、「ノーツデーター」というフォルダには「足跡手配目次020~037」というファイルがあり、窃盗事件の「発生署」や被害場所、「金庫破り」「空き巣ねらい」など手口を記載。事件現場で鑑識が採取した靴跡から割り出したとみられるスニーカーなど23種類の靴底写真が添付されている。欄外には「総社警察署」と記してあった。
毎日新聞 2006年3月4日 15時00分
毎日新聞朝刊の記事では、性的犯罪の被害者の実名・金融機関の個人口座の出入金状況・国会議員の後援会名簿なども含まれているという。私自身郵便局で大量の顧客情報を扱っているためにこの問題は他人事ではないのだが、それにしても海上自衛隊と言い警察と言い、情報管理の杜撰さには驚くばかりだ。特に警察においては京都府警・愛知県警・広島県警と相次ぎ・北海道警では損害賠償を巡る裁判まで起こっている。それも全てがウィニーによる物だという。私は幸いにしてパソコンに詳しくないためにその様なファイル交換ソフトなどは組み込んでいないのだが、自分の知らないうちにデータが流出するようなソフトを何故使うのだろう。ファイルの交換には便利な代物であるそうだが、既に数年前から情報流出事件が相次ぎ問題となっている物ではないか。
郵政の場合顧客情報が入っている端末機の操作をするときは、一回一回使用目的などを帳面に記載し、何件のデータを照会したか、その後データの管理状況から廃棄状況までを全て報告するようになっている。その作業自体は時間がかかり現場の労働者の評判は悪いのだが、それでも顧客情報が流出した場合に金融機関としての信用失墜になることを思って我慢している。情報自体は印字した物か自分で端末機を見ながら手書きで写した物しか持ち出すことは許されない。データの写しを作るなどは禁じられているため、基本的に大量の情報が一度に流出しないようになっている。更に曲がりなりにも労基法を守るようになっているため、自宅に仕事を持ち帰るなどと言うことは現場の職員の場合まず無い。(時々闇でしている場合もあるが)データを持ち帰って自宅で作業するなどと言うことは考えられないのだ。
警察においては捜査情報などを政治家や暴力団に売り渡すという事件も頻発しており、奈良県警では捜査情報を漏らした警察官が自殺している。そもそも個人情報に関するとらえ方自体が間違っているのだろう。岡山県警では情報が漏れた関係者に対して謝罪をする方針だと言うが、それ自体本当におこなわれるのであろうかと疑問に思う。勿論後援会名簿が流出した政治家には謝罪するだろうが、警察は非合法で集めた捜査情報も大量に保有しているため、謝罪を通じて違法行為が発覚することを恐れたりはしないだろうか?「謝って済めば警察は要らない」と言うが、情報を流出させる警察その物が要らないのではないだろうか。
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コメント
本当にお粗末な事件ですね。情報処理についての基本が出来ていないとしか思えません。私自身どれだけの知識があるのかと言えば問題でしょうが、その分知らないこと、分からないことには手を出さないようにしていますので、大きな失敗はしていないようです。
しかし便利な反面大量のデータが流出したり、故障によって全てのシステムが止まってしまったり、問題点も多いのがIT技術の難しさでしょうね。幾ら技術が進んでも結局は使う人間次第だと言うことですね。
投稿: アッテンボロー | 2006年3月 5日 (日) 01時52分
ブログというツールにより、個人が不特定多数の人に向けて意見表明できたり、また、見ず知らずの人達と情報交換が可能となるなど、IT技術の「利便性」にすっかり陶酔してしまっている僕達ですが、それが悪用または用法を誤った場合のリスクについての認識・警戒心といったものが足りないな、ということを実感しております。
僕自身、職場復帰のあかつきには、会社の個人情報管理体制の業務を担当することになりそうなので、記事のような事件は、考えさせられること多です。
IT技術に関わる不祥事の多発によって、国家当局の余計な規制介入を招かないためにも、国民の側で適切な使用を心がけなくてはいけないと思います。
それにしても、記事の海上自衛隊や岡山県警の事例は、あまりにもお粗末すぎますね。
投稿: HISA | 2006年3月 5日 (日) 00時01分
レッツらさん今晩は。本当にそうなんです。ウィニーに限らずコンピューターウィルスなどの問題がありますから、郵政の場合は許可無くソフトを組み込んだり機器を繋いだりすること自体が禁じられています。勿論インターネットでも許可されないサイトを開くことすら禁じられています。そこまでやっても悪質なクラッカーにイタズラされる場合が有るわけですから、本当に慎重に対処すべき問題だと思います。
投稿: アッテンボロー | 2006年3月 4日 (土) 23時34分
これって本当に悲惨な問題ですよね。
ウィニーってかなり以前からいろいろ問題があって、有名人の個人所有の大人向けの画像とかもいっぱい流出してたように思います(笑い)
どこぞの某大阪国税局勤務の兄ちゃんも個人のお楽しみ画像が流出してたような気がします。
そんなソフトなんだから、というかそんなソフトを使う人ってそういう目的なんだから、一番知ってるだろうにと思ったりするんですが、会社用のパソコンに入れて流出させてる人がこれほどいるのは、本当に驚きです。個人情報も何もあったもんじゃない。
今、国会で議論されている内容よりもはるかに大問題な気がします。個人用と仕事用のパソコンを分けないと、もっと被害が拡大しますよね。
投稿: レッツら | 2006年3月 4日 (土) 22時31分