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2006年3月12日 (日)

アメリカ産牛肉輸入再開絶対反対

米国で3例目のBSE感染牛か

2006年03月12日09時21分 asahi.comより

 米農務省は11日、牛海綿状脳症(BSE)についての簡易検査の結果、感染の疑いがある「疑似陽性」の牛が米国内で見つかったと発表した。10日夜に報告を受け、現在、免疫組織化学法(IHC)とウエスタンブロットという2種類の方法で確認検査中、4~7日で結果が分かるという。生まれた年や飼育された場所など、具体的な情報は明らかにしていない。

 米国では03年12月と05年6月にBSE感染牛が見つかっており、今回の牛の感染が確認されれば3例目となる。

 日本は昨年12月に米国産牛肉の輸入を再開したが、今年1月にBSEの病原体がたまりやすい特定危険部位の背骨が混入した肉が成田空港で見つかり、再禁輸措置をとった。米国が2月に発表した調査報告に対し、日本側が質問を提出、これから日米間の協議が本格化するが、新たな感染牛が確認されれば、協議に影響する可能性もある。

 またしてもアメリカでBSEに感染した牛が発見された。アメリカにおいては病死牛を原材料とした肉骨粉が飼料として使い続けられているために、感染を防ぐことは基本的に不可能だと思う。日本の場合でも今年北海道で国内五例目の感染例が発見されたが、その牛は肉骨粉を飼料にしていた。先ず一等最初の飼料にする病死牛のBSE検査が行われていない。米政府も畜産業者も把握していないのだろう。そしてアメリカ政府が求める月齢20ヶ月以下の牛の輸入再開に関しても、実は本当の月齢自体が分かっていないのだそうである。アメリカにおける牛の飼育は放牧であり自然交配が大勢を占めているために、日本におけるような出生証明月の牛の方が稀であるらしい。この状態でアメリカ産牛肉の安全性をどうやって証明することが出来るのであろうか?日本において行われているのと同様の全頭検査以外にないのではあるまいか。

 中川農水大臣は5日のテレビ番組で「解決にはスピード感が必要。スピーディーは消費者のためでもある」「一つ一つのステップを踏み、最後に消費者の皆さんが(牛肉を)買うか買わないか判断できる土壌を作りたい」と発言しているのだが、消費者にとっては、国民にとってはスピードなど関係ない。安全か否か、それだけが問題である。中川大臣が心配しているのは外食産業と食品産業の利益だけである。アメリカの「米共和党のブラウンバック上院議員は7日、加藤良三駐米大使と会談し、日本による米国産牛肉の再禁輸について意見交換した。肉牛生産地であるカンザス州選出の同議員は会談後、『日本の再禁輸はあまりに長期にわたっている。すぐに友好的な合意に達しなければ、米議会は対日制裁を科さざるをえない』とする声明を出した。」(3月8日asahi.com)とのことであるが、安全性を証明する努力や品質管理を怠って日本に輸入再開を求める圧力をかけるのは言語道断と言えるのではないか。

 そして中川大臣の発言にある、「消費者の皆さんが(牛肉を)買うか買わないか判断できる土壌」などと言う物は、実は私たち庶民には決して確保されることはない。なぜなら私たちに出来ることは生の牛肉を購入する際に米国産牛肉を避けるくらいしか出来ないからだ。以前にも記事にしたが、産地の偽装は流通段階では日常的に行われている。外食の際に使用している牛肉の産地をハッキリ明示している店がどれだけあるだろうか? 加工食品の成分表示を見て欲しい。牛肉エキスなどを使用した物に産地表示が義務づけられているであろうか?否である。「日本航空系のJALウェイズで今年1月までの10カ月間、乳幼児用の機内食に米国産牛肉が使われていたことが10日、分かった。」(3月10日asahi.com)と有るように殆どの人は内容を確認するすべはない。JALウェイズは同社のホームページ上では米国産牛肉を使用しないことを謳っていたがこの有様である。アメリカ産牛肉の輸入が再開された場合、「勝ち組」の極一部の人間を除き殆どの日本人はBSE感染の危険にさらされることは火を見るより明らかである。この問題に関しては妥協など許されないのだ。

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コメント

 shiroさんお早うございます。前回の書き込みの補足どうも有り難うございます。人間どうしても人から指摘されて初めて気づく欠点や至らなさという物がありますから、shiroさんのように具体的に書いてくださると分かり易いので助かります。
 遠慮無く書き込みをしてくださいね。

投稿: アッテンボロー | 2006年3月14日 (火) 07時15分

 アッテンポローさん、こんばんは。
 どうも、文章を書くときに、相手のことを想像しなければならないと頭ではわかっているのですが、ついつい、自分だけ、あるいは直接面と向かうヒトのことしか考えません。ブログという多くのヒトの目に触れるという性格を忘れてしまい、わかりにくい文章になってしまいました。反省しています。
 先回の書き込みで、わかりにくい点をひとつだけ説明しておきます。
 「呪われの夜の悪夢」とは、全国水平社創立大会の宣言の以下の引用の中のフレーズです。

 ケモノの皮剥ぐ報酬として、生々しき人間の皮を剥ぎ取られ、ケモノの心臓を裂く代價として、暖い人間の心臓を引裂かれ、そこへ下らない嘲笑の唾まで吐きかけられた呪はれの夜の惡夢のうちにも、なほ誇り得る人間の血は、涸れずにあった。

 というあたりで、今夜は遅いので寝ます。(明日は仕事ですから、、、)よければ、また書き込みします。

投稿: shiro | 2006年3月14日 (火) 01時47分

 Felddorf さん、今晩は。早速教えていただいた吉野家のホームページを見てみましたが、本当にギャグとしか言えませんね。
 「なぜアメリカ政府は肉牛の全頭検査をしないの? 全頭検査を行っても、BSE感染牛を見逃してしまう可能性が高く、食品の安全を保証できないからです。」等という処など特に笑えました。検査しても危険かも知れない物は、何もしなければもっと危険だと考えるのが普通の人間だと思います。
 結論として吉野家では牛丼だけに限らず一切の食品の安全が軽んじられているのだろうと思います。二度と吉野家には行くまいと再度決心しました。

投稿: アッテンボロー | 2006年3月13日 (月) 19時01分

以下のホームページを、ご覧ください。
http://www.anzen-anshin.tv/

私は、思わず失笑してしまいました。

投稿: Felddorf | 2006年3月13日 (月) 17時24分

 shiro さん、初めまして。色々とご教示有り難うございます。BSEに関心を持ったのがアメリカ産牛肉の輸入再開問題がきっかけであるためにクロイツフェルトヤコブ病に関する勉強などはまだ詳しくできておりません。基本的には報道を通じて得た物から判断して書いています。
 そのため牛の間でのBSE感染が肉骨粉によるものと思っておりましたが種類も色々あるのですね。教えていただいた本が読めるかどうかは分かりませんが健康を取り戻したら学習してみたいと思います。
 初心者にも分かるように色々教えていただけると助かります。
  HISAさんお早うございます。今日はお仕事ですね。睡眠は取れましたでしょうか。本当に好奇心は有るのですが実際の学習が追いつきません。 HISAさんは休暇中精力的に学習されていたようですが、私は新聞すら読めずに寝ていることも多く力不足を実感しています。

投稿: アッテンボロー | 2006年3月13日 (月) 08時00分

 体を休めることを優先してください。僕は、仕事復帰で、今までのように、本を読んだり、思索にふける時間が減りそうです。何も考えず脳を休ませる時間の確保もしなくてはいけませんしね。
 でも、好奇心の拡大を抑えられず、あちこちの分野に手を出し、積読の本が山になっている状態です。だから、『米帝・日帝』の勉強も進まず(笑)。※アッテンボローさんの連載における他者とのコメントとのやりとりを読んでいて、「読みたい!」と思いつき、島崎氏の『主義論』Ⅰ・Ⅱも、入手しました。「いつ読んでくれるんだぁ~?」と、本からの非難の視線を感じております。

投稿: HISA | 2006年3月13日 (月) 06時53分

アッテンポローさん、はじめまして。
以前からあなたのブログを覗きに来ており、時々書き込みをしようとも思ったのですが、今回が初めてになってしまいました。
アメリカ産輸入肉問題についてのあなたの主張せんとすることはよく理解できているつもりですが、(私にとって)重要な部分で違和感を感じました。
それは、化製業に対する理解の問題です。
例えば、米産牛肉の安全性を軸に問題にされるのであれば、成長ホルモンに触れられるべきでしょう。EUでは、BSE問題以前からこれが理由で米産牛肉は輸入が禁止されています。
あるいは、プリオン症を軸に問題にされるのであれば、医原性感染を問題にされるべきです。すでに日本において硬膜移植によるヤコブ病感染が50例以上確認されています。これはヒト→ヒト感染ですが、日本で使用されていた生分解性手術糸のうち、ウシ由来のものが多数確認されており、その原料がウシの腸であり、かつBSEの特定危険部位のひとつ回腸遠位部も含まれていたことを考え合わせれば、今後これが原因のウシ→ヒト感染が確認されるのは、時間の問題だと思います。
医原性感染は、経口感染と異なり、危険物質が100%体内に吸収されるものであり、よりリスクが高いわけですから。
日本でBSEが発見された当時、あわててウシ由来の医療素材の確認と輸入禁止措置がとられました。また、同じ時期にウシ由来の物質を使用した化粧品も同じ措置がとられました。それぞれ数千品目にも達しており、これらの危険性は、食肉の比ではありません。
にもかかわらず、わが国(政府とマスコミ)は、そうした事実より、あたかも食肉の方が危険であるかのごとき姿勢で一貫しています。
また、BSEの感染拡大の原因物質を「肉骨粉」と決め付け、一切の責任をそれを製造する化製業者に押し付けてきました。
現在、日本国内では、BSE対策として、「肉骨粉」の使用が事実上完全に禁止されています。しかしその内実は、科学的安全性を完全に無視したものです。一口に「肉骨粉」といっても、イギリスでBSE感染拡大の原因とされた、狭い意味の肉骨粉(ミーとボーンミール)だけではありません。「蒸製骨粉」も含まれています。「蒸製骨粉」とは、180度以上の温度と5気圧程度の圧力を2時間半ほどかけて製造されるものです。
BSEの原因物質・プリオンは、2気圧・133度・30分加熱で無害化されるとされています。これを圧力・温度・時間とも大きくクリアしている蒸製骨粉さえ、「危険の可能性がある」として、製造・販売を禁止しているわけです。
仮に2気圧・133度・30分加熱で危険であったとするなら、医療現場における医療器具の消毒も危険です。実際、医療現場ではこの基準で消毒をしているのですから。最近では、扁桃腺手術によるヤコブ病感染がヨーロッパでは問題になっていますが、確率論的にいっても、こちらのほうが危険であることは明白です。
化製業とは、家畜から命をもらう人間文化の中で、それを肉などだけの利用に限らず、毛皮や脂、骨などすべての部位を有効に活用する産業として成立してきました。
にもかかわらず、世間からは冷たい視線にさらされ、「呪われの夜の悪夢」として、先人たちが描写せざるを得ない仕打ちを受けてきました。ここから生まれた運動が、日本社会を大きく変えてきたことは、ご承知のことでしょうが、にもかかわらずBSE問題においては、悪の根源として扱われています。
日本では22頭のBSE感染牛が発見されていますが、そこで「肉骨粉」を摂取していたことが確認されたのが、わずか1頭。しかも、報道によるなら、それは「肉骨粉」ではなく、蒸製骨粉よりさらに安全性の高い「骨灰」である可能性が高いです。骨灰とは、1200度の高温で1時間近く加熱処理するもので、常圧ではありますが、すべてのたんぱく質が完全に分解する温度です。すなわち、日本国内では少なくともBSEと「肉骨粉」との関連を具体的に証明されておらず、それ以外の感染の可能性を考慮すべき状態です。
これらを行うことなく、化製業者のみにその責任を押し付けている現状を思うと、あなたの主張に、違和感を感じざるを得ません。
「モノになる動物のからだ」http://www.hanmoto.com/bd/ISBN4-8265-0408-X.htmlは、化製業の歴史と現在について、詳しく書かれている本ですから、もしよろしければ、ご一読ください。
なお、私の勝手な書き込みに気分を害されたのであれば、どうぞ削除してください。そのかわり、もう少し丁寧でわかりやすい文章を、再度(あるいは何度でも)投稿させていただきます。

投稿: shiro | 2006年3月13日 (月) 02時49分

 HISA さん今晩は。日本の食肉産業の問題性については、肉処理工場の問題までは表に出ていませんね。その辺は矢張り後ろめたくて隠しているのでしょうね。
 BSEの問題についても色々文献を読みたいとは思うのですが日中寝て過ごすことが多いために中々勉強がはかどりません。紹介していただいた本も読んでみたいとは思うのですが余力が無くてとてもそこまで手が回りません。

投稿: アッテンボロー | 2006年3月13日 (月) 00時55分

 僕は、反天皇制と同じくらいに、米国産牛肉問題も追っかけていますが、ほんとに、米国も日本政府も、対応の悪さ=消費者不在の思想には、困ったものです。
 牛由来の肉骨粉は、豚や鶏の飼料として与えることは、まだ認めれていて、したがって、肉骨粉自体は生産され続けており、記事指摘のとおり、BSE感染の危険性は払拭されていませんね。
 日本政府の米国に対する態度が今ひとつ強気に徹しきれていないことに、なぜ?という疑問を持っていたのですが、どうやら、日本国内に問題があるようです。日本政府は、「日本国内においては、全頭検査をやっているので、皆さんご安心下さい」ってPRしていますが、実は、一番大事な、危険部位の除去作業について、国内の肉処理工場を徹底的に管理・監督しきれていないようで、その点において後ろめたさがあり、処理工場のことで、あまり米国に強くものが言い切れないらしいです。つまり、自分が出来ていないことを相手に求められない、というわけです。
 また、米国の肉処理工場の労働者のおかれている劣悪な労働環境も問題です。一時は(1960年頃)、賃金も含めて労働諸条件が他産業に比較しても優位だったそうですが、そこから資本の反転攻勢が強まり、昔の劣悪状態に逆戻りしているのが現状のようです。
 参考図書①『だから、アメリカの牛肉は危ない』-北米精肉産業恐怖の実態-(ドナルド・スタイン+マイケル・ブロードウェイ、河出書房新社、¥2100)
 参考図書②『BSE禍はこれからが本番だ』(響堂新、洋泉社新書y、¥819) ※帯書:アメリカ産牛肉はBSE危機の氷山の一角に過ぎない。汚染された肉骨粉はすでに世界中にばら撒かれている!

投稿: HISA | 2006年3月13日 (月) 00時40分

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