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2006年4月12日 (水)

おかしい団体生命保険

団体生保めぐり最高裁が初判決、遺族側の敗訴が確定
            (asahi.com 2006年04月11日19時44分)
 企業が従業員にかけた団体生命保険の保険金を遺族が受け取れるかどうかが争われた二つの訴訟の上告審判決が11日、あった。最高裁第三小法廷(藤田宙靖裁判長)は「会社側は、社内規定に基づく額を超えて、受け取った保険金を遺族に支払うと合意していたとは認められない」と訴えを退け、遺族側の敗訴が確定した。
 団体生保では、従業員が知らないうちに保険をかけて会社側が保険金を受け取る例が90年代半ばに問題化した。最高裁判決は初めて。
 二つの訴訟では、住友軽金属工業名古屋製造所に在職中に死亡した社員4人の遺族が同社に保険金の支払いを求めていた。
 判決は、団体生保の趣旨は「従業員の福利厚生を図る目的」だと明示した。住友軽金属は(1)従業員の死亡時に6千万円を超える高額の保険を掛けながら、遺族に支払われたのは1000万円前後(2)生保各社との関係を良好に保つために保険を結び、受け取った保険金などを保険料の支払いに充当することを漫然と繰り返した――と指摘。「こうした運用は保険の趣旨から逸脱する」と非難した。
 しかし、(1)だけで社会的妥当性を欠いて許されないとは言えないと判断。原告のうち3人に保険金の一部を支払うよう同社に命じた二審の判断は誤りだと結論づけた。
 上田豊三、藤田の両裁判官は補足意見で「従業員のほとんどは保険の存在さえ知らなかった」と指摘。商法が定める「当事者の同意」を欠き、契約そのものが本来は無効だと解釈した。
 この訴訟で問題になったのは、団体生保のうち、原則全社員が加入して会社が保険料を負担する「団体定期保険旧Aグループ」と呼ばれる商品。従業員が知らないうちに保険をかけて、会社側が大部分を受け取るケースがあったため、遺族への引き渡しを求める訴訟が相次いだ。このため、96年に遺族と会社の受け取り分を分離させた新型保険に切り替わり、旧A型は姿を消している。

 郵便局においても、簡易保険の新規契約高が高額であるために、バブル末期から企業を契約者とする団体生命保険の勧奨が推進されるようになった。職域サービスセンターという専門の部署が各連絡会ごとに設けられ、法人契約を担当するようにもなった。私自身何件か法人契約を勧誘したし成契もした。だがその際の一番の売りは企業の福利厚生の充実であった。掛け金を税務上福利厚生費に計上することが出来るため、利益の出ている企業が税金対策として導入することも非常に多く、契約の形態としてはこの裁判で問題になっていた掛け捨ての定期保険と、満期保険金のある養老保険との二種類がある。
 今手元にパンフレットがないために税法の何条か思い出せないのだが、原則として従業員に対して説明会もしくは個別の説明をして加入への同意を得てからでなければならない。さらに死亡保険金の受取人に関しては従業員の遺族に当たる人間を指定することが条件である。もちろん一部の保険金については企業が受け取ることも認められていた。それは従業員の死亡によって生じる損失補填の意味合いのためである。だがこの住友軽金属の事例のように企業側が保険金の殆どを会社の物にしてしまうことが問題となり団体定期保険旧Aグループが無くなったように、原則は福利厚生のために遺族への弔慰金もしくは死亡退職金の原資となるべき物である。
 この最高裁判決では商法上規定されている本人同意を元に企業が従業員に保険をかけることについて「同意がある以上、保険金の一部しか遺族に引き渡さなくても、契約が無効とは言えない」としているが、では住友軽金属が帳簿上保険料をどの様に処理してきたのかが問題になるのではないだろうか。繰り返しになるが、福利厚生費として損金算入を認められている以上、保険金の大部分は従業員の遺族に対して支払われるべきである。この最高裁判決は保険の営業をしてきた人間としてどうしても納得いかない。このような判決が判例として今も多数或る裁判の方向を決めるのは許せない。

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コメント

 なんだかねえさん、本当に最高裁はおかしいと思います。三権分立など一体何処にあるのかと思います。結局任免権を内閣が握っていることから政府に都合の良い法匪ばかりが集まっているのでしょうね。

投稿: アッテンボロー | 2006年4月15日 (土) 16時35分

最近は最高裁の不当判決が多すぎますね。選挙で罷免されないと思っているから調子こいているんでしょう。

投稿: なんだかねえ | 2006年4月15日 (土) 08時51分

 土屋潜郎さん、そんなに緊迫しているのですか。サイトを見てみます。

投稿: アッテンボロー | 2006年4月13日 (木) 00時09分

平林総長は私たちに自宅謹慎を命じ、退学処分で法大から追放しようとしています! 私たちへの自宅謹慎を撤回させ、退学処分をさせないために署名にご協力をお願いします!
3・14法大弾圧を許さない法大生の会http://hosei29.noblog.net/blog/
なんだか非常に心配です・・

投稿: 土屋潜郎 | 2006年4月12日 (水) 23時54分

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