« ブログ開設から一年 | トップページ | はつてんじん »

2006年5月29日 (月)

何故「全逓大改革」か

 幾人かの方から、全逓(現日本郵政公社労働組合 略称JPU)を巡る労働運動の路線についてのメールを頂戴した。有る方は何故全逓内部の活動家と郵政全労協・郵政ユニオンとの統一が出来ないのかについての素朴な疑問である。別の方は現実には緩やかな統一戦線が存在していることを前提としての「全逓大改革」についてのご意見であった。

 多数派組合である全逓の再生を目指すのか、それとも少数であっても左翼的戦闘的組合運動を行うのかと言うことである。私の個人的見解を先に述べてしまえば、それは獲得すべき組合員大衆がどの様に存在しているかによって違ってくる戦術的選択ではないかと思う。郵政部内の労働者は殆どが全逓もしくは全郵政に組織されている。26万人中両組合を併せて22~23万人が所属している。つまり殆どが両組合に所属しているのだ。全郵政に関しては基本的に労使協調路線=経営者の言いなりとなって労働強化を現場組合員に押し付け、尚かつ組合役員となることが出世の道具となる組合であるので左翼各党派の活動家は全郵政には加盟しない。極例外的に、採用された職場が全郵政のみに組織されている場合だけである。元々全逓が社会党総評ブロックの組合として括弧付きの階級的労働運動を行っていたために、組合員大衆も権利意識が強い傾向がある。その為左傾化・戦闘化を促進することを目的として全逓への獲得工作を長年にわたって行ってきた経緯が存在する。

 だが、80年代の全逓の方針転換、俗に言う59・2(ごーきゅうに)によって労使協調路線に舵を切って以降、本部による左派の機関に対する様々な弾圧が当局と一体となって公然と行われるようになった。中央本部に反対する地本・地区・支部・分会の役員が人事交流によって大量に配転され、処分乱発を受け解体されていく過程が80年代から90年代にかけて存在した。その過程で機関を握る左派の役員活動家の中で問題となったのが全逓に留まるか否かである。第四インターなどの党派は左分裂することで機関の戦闘性を保とうとした。それは一定程度機関の大多数を組織している場合に有効であったと言える。何故なら動労千葉部落解放同盟全国連合会も、中央本部による統制や除名策動に対して機関の階級性・戦闘性を守るために、やむを得ざる選択として独立の道を選択したからだ。座して階級性・戦闘性を解体されるのを待つか、それを断固として守り抜くかのギリギリの選択であったと思う。

 では全逓の場合にはどうなるのであろうか?基本的に中核派系の活動家が機関を握っており、大衆的に信頼され、確信を持たれている職場は少ない。存在しないわけではないがより上部の機関に所属する広範な組合員大衆を獲得するためには、自己満足的に分離独立を選択する状況には無いというのが「全逓大改革」路線の因って立つ基礎であろう。私の所属する支部連協においては、普通局で組合員資格を有する労働者の8割が全逓に所属している。ここで闘わずして一体何処で労働運動を闘うというのだろう。私にとってこの組合員大衆を獲得することが最重要の課題である。職場の状況はそれぞれ違うために、今現在の私は郵政全労協・郵政ユニオンに見られる左派分裂を選択する余地はない。断固として圧倒的大衆を獲得するために「全逓大改革」路線の下に闘うのみである。

 宜しければクリックして下さい。 人気ブログランキング

|

« ブログ開設から一年 | トップページ | はつてんじん »

「経済・政治・国際」カテゴリの記事

コメント

 まことさんの仰ることは確かにその通りではないでしょうか。中央本部の労働貴族・ダラ官が自己の保身のために特定局長会とさえ手を結んだことで「既得権益にしがみついているだけだ」という誤解を生じさせたと思っています。階級的立場から自らの首切りを恐れず民営化に隠された独占資本の新たな利権作りと地方切り捨て・労働者への義戦の転化などを徹底して弾劾することが本当の闘い方であったと思います。動労千葉が国鉄分割民営化に反対してストライキを打ち抜き、今日なお安全確保のために闘争を組む姿は関東において多くの乗客の支持を得ています。
 階級的で戦闘的な労働運動こそが本当に多くの労働者との相互理解・連帯・支持共感の輪を広げる物だと思います。

投稿: アッテンボロー | 2006年6月 3日 (土) 14時59分

私は郵政民営化には反対です。
それを前提にして書きますが、なぜ郵政民営化反対の世論が拡がらなかったのか、反対運動が民衆的に拡がりを持たなかったのか-それはやはりJPU=旧全逓や全郵政に対する不信感というのもあると思うんですよね。思わず「あっ、アイツラは自分達の利権を守るために民営化に反対しているんだな、公務員の地位を失いたくないだけなんじゃないの」と勘ぐってしまう、といいますか。

郵政労働者は民衆のために日夜頑張っている「公僕」なんだ、郵政民営化に反対することは俺達庶民の利益にもなるんだ-という意識を民衆が共有し得るような郵政経営、そして労働運動の展開というものが必要なのでは無いかという気がします。

投稿: まこと | 2006年6月 2日 (金) 22時22分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/111250/10286348

この記事へのトラックバック一覧です: 何故「全逓大改革」か:

» 【民衆の力で政治の流れは変えられる!】−「共謀罪」法案・教育基本法改定案・憲法改定国民投票法案など、「今国会での成立は見送り」の運びへ [ある国際人権派の雑食系ブログ。(仮)]
. ●「『共謀罪』成立見送り 総裁選へ動き活発化」(東京新聞 06.05.31) 「小泉純一郎首相は三十日、六月十八日までの今国会の会期は延長しない方針を最終的に決めた。これにより、「共謀罪」を新設する組織犯罪処罰法改正案や教育基本法改正案などの重要法案は、軒....... [続きを読む]

受信: 2006年5月31日 (水) 21時19分

» あの?日本マクドナルドに労働組合が結成される [ある国際人権派の雑食系ブログ。(仮)]
報道によると、日本マクドナルドに労働組合が結成されたそうです。 ファミリーレストランや居酒屋業態は既に労組が結成されている企業(すかいらーく等)もありますが、ファーストフード業界では多分初めてではないでしょうか。 なお、実は日本マクドナルドには以前も....... [続きを読む]

受信: 2006年6月 2日 (金) 22時53分

» 部落解放運動の「負の遺産」としての「飛鳥会事件」−部落解放同盟は自己検証を [ある国際人権派の雑食系ブログ。(仮)]
昨日のTBS系「報道特集」で、部落解放同盟の現役支部長が「業務上横領」を犯したとして物議を醸している「飛鳥会事件」が特集されていましたが、皆さんはご覧になりましたか?私は昨日「九条の会」集会の終了後に居酒屋に飲みに出掛けていたので、録画ビデオで観たのですが。...... [続きを読む]

受信: 2006年6月 5日 (月) 08時36分

« ブログ開設から一年 | トップページ | はつてんじん »