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2007年1月28日 (日)

死ぬな!辞めるな!闘おう!通信

 人事交流に反対する会の許可を得てビラを転載します。

「死ぬな!辞めるな!闘おう!通信」07年01月28日 発行■人事交流=強制配転に反対する近畿郵政労働者の会

  討議資料
「JPU第121回中央委員会議案」批判

1、はじめに
  今年10月には郵政民営化がいよいよ始まろうと言う状況下、本中央委員会が重要なのは言うまでも無いが、更に全郵政との統合に向けた協議の報告がなされると言う点でも一層注目される委員会である。

 周知のように、昨年2月の全郵政の中央委員会において、宮下全郵政委員長から、「JPUとの統合も一つの選択肢とする」という提案がなされ、それ以後、「組織統合検討協議会」が設置され、協議がなされてきたが、その中間報告がいよいよ明らかにされるのである。JPU13万人、全郵政8万六千人、もし統合が実現されれば、20数万の巨大民間労組の誕生となるわけであるが、それがJPU本部が言うように「地域社会や日本の労働運動に対する存在感を醸成し、郵政労働運動の新たな潮流をまきおこす原動力」となるかどうかは、甚だ疑問と言わざるを得ない。

 また、民営各社における人事制度、労働条件などの骨格がようやく本議案において示されているが、「現行を下回らない」労働条件等が本当の意味で維持されるのかについても多々疑問がある内容である。

 更には、JPUの主張する「事業の公共性の確保」と言う点でも、現在の郵政公社の下ですら、それと逆行するような事態が進行しており、それについて、何ら批判的な観点を打ち出さず、事業の現状や展望について、JPU本部が郵政当局のスポークスマン化している現状についても批判したい。

2、議案の内容
  議案は大きく分けて3つの部分から成っている。現状分析(社会全体、郵政)、当面の主要課題(民営化、統合問題)、2007年春季生活闘争の3つであるが、もちろんその主要議題は、民営化と統合問題である。それは後で取り上げるとして、ここで言って置かなければならないのは、この議案の社会全体の現状分析が、非常に非政治的であるということである。確かに、ワーキングプアや格差問題については触れ、小泉政権のアメリカ追随については軽く触れているが、教育基本法改悪については全く触れず、憲法問題等については、「連合運動に収斂する」と言うだけで、全く主体性が無い。これは何も今回に始まったことではないが、統合問題で出てきた「全郵政綱領」との関係や、新組合の規約における、国の基本政策や平和運動に関連して「組織方針や運動を逸脱した行動等については内部で整理する」との文言との関係において改めて注目される議案の特徴である。議案には、組合員が一般的な政治情勢に関心を持ち、行動することへの警戒心が見られるが、全郵政は、北方領土問題や富士政治学校での右派的イデオロギーの注入等、右翼的労働組合としても周知の存在であり、統合によって新組合の政治的立場がどうなるのか注目されるところである。

 今回の統合は、直接にはもちろん、郵政民営化を契機として出てきたものであるが、大きな目で見るならば、連合の結成を機に始まった日本の労働運動の右翼的再編、帝国主義的労働運動の推進の大きな一環として位置付けられることを忘れてはならないであろう。ときあたかも安倍超反動政権の登場で、日本の帝国主義化が急ピッチで進められようとしている時に、今回の統合が出てきたのは、決して偶然では無い。

3、郵政事業の現状
  一言でいって、「各事業とも厳しい状況であり、一層の努力が必要」と言うだけの内容であり、分析も対策も郵政当局の受け売りに過ぎない。集配拠点の再編等に見られる、地方の切捨て、公共性の低下ということについての批判的見地は全く無く、郵政現場のますます悪化する労働条件についても一言の言及も無い。

4、民営化後の人事制度・労働条件
 「公社下の条件を下回らない」というのであるが、民間会社になることから出てくる様々な問題点を指摘せざるを得ない。問題点を列挙する。
*社員区分における非正規社員(有期雇用契約)における更なる細分化、格差の問題。
*採用の問題
*派遣労働者や郵便内務作業のアウトソーシングなど非社員の雇用の問題。
*出向・転籍問題――人事交流――普通局と特定局の一体化*解雇
*処分
*労災補償
*争議権
*政治活動
*専従期間の制限の撤廃
*地域給導入と退職金問題
*人事評価 3年連続70点以下問題 、ボーナス査定
「JPU SQUARE」1月1日号でのJPU菰田委員長と日本郵政株式会社社長西川との対談の問題点。西川の「非正規職員として働いていただく方のモチベーションもより高まるような仕組み」と言う発言が、更なる差別選別を強め全体としての搾取の強化を意図していることが明白であるにもかかわらず、それを非常勤組合員に対する「元気の出るお年玉」として手放しで評価。

5、統合問題
 ことの起こりは、一説によると昨年1月に宮下委員長等全郵政三役が、西川を訪問した際に、JPUとの統合を強く要求され、全郵政がそれに屈服したことにあるという。(郵政民営化監視市民ネットのホームページ参照)。そこから、2月の全郵政中央委員会での「JPUとの統合も一つの選択肢」という宮下発言、統合する上での全郵政からの四条件の提示、それに対するJPUからの返答、「組織統合検討協議会」の設置、今回の両組織の中央委員会での中間発表となるわけである。

 この西川の説得、全郵政の屈服と言う話の真偽はさておき、実際全逓、そしてJPUが事業防衛路線を強めれば強めるほど郵政当局にとってその存在価値が薄れていくのは必然的だったといっていいだろう。全郵政は結成時二万数千人であったが、2002年には最高9万人まで組織を拡大したが、郵政公社の職員数自体の激減の中、微減を続け、現在約8万六千人である。周知のように、その組織数の伸びほど活動は活発化せず、ほとんど日常活動はせず、組合員の意識も低い。

  一方、全逓(JPU)は最高24万人もいた組合員が、いまや13万人まで減少し、特にここ数年、勧奨退職の急増等一年で約一万近くも減らしており、まさに危機的状態と言っても過言ではなく、この統合については、まさに組合員確保と言う点からは、めぐみの雨であり、全郵政の綱領を基本とし、過去の全郵政の対する全逓の行き過ぎを公式の文章で認めるなどと言うまさに屈辱的で、全逓ないしはJPU組合員からすれば裏切り行為以外ではないことを行っても、この統合を何が何でも実現しようと躍起 である。また、JPUの主張も活動内容も全郵政と変わらないものになってきており、この統合が郵政労働運動の右翼的展開の一つであるのは当然だが、ある意味、必然的とも言える。それほど全逓運動、JPUの運動の思想的実践的堕落は激しい。

 だから、実際上の問題は、全逓ないしはJPU内の左翼的な部分をどうするかであろう。新組合結成時に排除しようとするか、一旦は新組合に取り込み、その後、統制を強めていくか。おそらく、後者であろうが、その点からは、新しい規約の中の「組織方針や運動を逸脱した行動などについては内部で整理する」という文章が何を意味しているかは非常に注目されるところである。

 ただ、そのJPU内の左翼的部分とよばれる活動家層自体が活動が低調になり、元気が無くなりつつあることが一番の問題であり、統合の「阻害要因」にすらなり得ないのではないかと危惧される。

  非常勤組合員の組合資格についても、JPUは本務者と同等の権利を有することを認めたのに対し、全郵政は準組合員としての扱いであり、それがどうなるかは注目されるとことである。現在の郵政の正規職員数が、2005年10月18日時点でさえ、23万2千人に過ぎず、現在ではもっと少ないと思われ、今後、この正規職員の比重はますます少なくなっていく中で、非常勤労働者への組合への組織化は避けて通れない問題であろうであろう。しかし、本当に非常勤労働者のために活動する組合なのか、当局の為の御用組合なのかがその際激しく問われるであろう。

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コメント

 タッキー稲沢さん、初めまして。そうですね。本当に闘う全逓・権利の全逓の再生目指して頑張ります。

投稿: アッテンボロー | 2007年2月 8日 (木) 07時02分

「JPU内の左翼的部分とよばれる活動家層自体が活動が低調になり、元気が無くなりつつあることが一番の問題」

だから辞めたんだ。
今後のJPUに期待を!

投稿: タッキー稲沢 | 2007年2月 5日 (月) 13時11分

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