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2007年5月10日 (木)

労働運動解体を前提とするトヨタ方式

 昨日一昨日と夜にパソコンを付けることなく寝てしまった。大体晩酌しながら夕飯を食べ、入浴後の20時から21時くらいにブログの記事を書き始めるのが習慣なのだが、昨日などは風呂にも入らずに寝てしまった。何だかんだと結構疲れているようだ。沢山の書き込みも読んではいるが、中々返事が書けない。他の人はどうか分からないが私の場合返事を書き出すと優に二三時間が経過してしまう。週末などにまとめてするようになって久しいが、息子と遊んだりすると時間が取れないことがある。時間の上手な使い方を考える必要があるだろう。

 さて先日来コメント欄においてトヨタ方式について色々と論議があった。そんな中95年の阪神淡路大震災の時に日本各地で工場が操業中止に追い込まれるという事態に陥ったことを思い出した。神戸で製造されていた部品が工場の壊滅によって、あるいは交通機関、港湾施設の破壊などで供給されなくなったからだ。その後ヨーロッパの何所の国であったか90年代後半にある一国の工場がストライキに入ったために、現地の日系自動車メーカーの操業がストップした。おなじように資本輸出していてもアメリカでは製造業のストライキをあまり聞かないので、カンバン方式を初めとするトヨタ方式は上手くいっているようだ。

 ジャストインタイムという部品調達形式にとって、たった一つの部品工場あるいは輸送部門であったとしてもストライキが起きると全ての工程に支障を来すことになる。何故なら組み立て工場には余分な在庫がないからである。ねじ一つであっても納品されなければ製品は完成しない。部品を運ぶトラックや貨物列車がストに入れば当然のことであるがやはり操業中止に追い込まれる。トヨタ生産方式が注目を浴びだしたのが73年のオイルショック以降であると言うが、この時期日産などは吸収したプリンス自工の労組破壊に手間取っていた。トヨタはいち早く組合をまったくストを打たない御用組合にすることに成功していた。ソニーなどでもベトナム反戦当時「ソニーのテレビは血を映す」と言われて現場の闘いが存在していたし、松下反戦など民間企業における反戦派労働運動の存在も強固にあった。だが、当時の文献などを見てもトヨタに闘う労働者がいたという話は見聞きしたことがない。

 港湾荷役の現場では今日なお全港湾がストを打ってダンピングとそれに連動する労働条件切り捨てを阻止している。トヨタ方式が活用さているという話は聞かない。コメント欄では製造業の技術者が自分の職場では導入に成功したと言って郵政に適用できないのはおかしいと述べている。またこの人はコンビニの流通機構が広い意味でのトヨタ方式であると言っている。コンビニ業界に労働運動が存在するとは聞かないし、トヨタ方式を礼賛するこの人の職場には労組はあっても、本人が口を極めて罵るほどズブズブの御用組合で、労働者の権利を守るために闘う姿勢すらないようである。

 まだ熟考したわけでなはないが、郵便局において郵政版トヨタ方式であるJPSが上手くいかないのは曲がりなりにも労働運動が存在しているからではないかと思えてくる。勿論本部は連合の中でも先頭を行くほどのクズである。JPU(旧全逓)も全郵政も、御用組合という点には変わりがないのであるが、全逓の場合現場にはまだまだ労働者意識が残っているし、小なりと言えども闘う組合を再生しようという運動も存在している。JPSが機能しないことは全逓労働者の健全性の表れではないだろうかと思う。

 そこでじっくり考察してみるためにトヨタ方式についての本を読んでみることにして、先日本屋で二冊購入してきた。一冊は大野耐一というトヨタ生産方式の現場に恒にいてそのシステムを作り上げた人物が書いた「トヨタ生産方式」で、78年の初版以来05年には83刷を重ねているので基本中の基本文献だ。もう一冊は適当に新しい物を選び、「職場の『カンバン方式』トヨタ流改善術 ストア管理」という本を買ってみた。「基本問題」の学習もあるので直ぐには読めないだろうが、問題意識としてはトヨタ方式との現場での闘いをどの様にして築くかの為にトヨタ方式について詳しく学ぶことも必要だろうと思う。

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コメント

 何と言いますか、トヨタ方式についての本を読んでいますが、本当に酷い実態を感じますね。40年代の産別会議を叩きつぶしてから初めて、トヨタ方式が始まったあたりなど興味深いです。

投稿: アッテンボロー | 2007年5月23日 (水) 00時11分

「勇者は語らず」という小説がありますね。
>下請け絞りのトヨタ方式

投稿: TAMO2 | 2007年5月20日 (日) 21時58分

関連会社、下請けの犠牲で成り立つのが
トヨタ方式

投稿: Mr.X | 2007年5月20日 (日) 21時31分

初めて書き込ませていただきます。
単純に給料が高いことがストライキの起きない原因じゃないですかね。
トヨタじゃボーナス年3回出るらしいですよ。

投稿: t02s828e | 2007年5月13日 (日) 23時43分

ちなみに、コンビニはもとより、外食・中食業界でもJIT方式は「業界標準」というのが現実です。

また、配送が送れて在庫がアウト・・・なんて事態もあります。そんな時、チェーン店の場合、現場の店舗間で余剰在庫を融通し合うなんてことを行うケースが「一般論として」あり得るわけですが、業務用の食材は工場から店舗段階に至るまで厳格な環境下で管理することが求められており(*HACCPと言いますが)、現場レベルでそんな事をされると食材が基準外の環境に晒され、最悪の場合「食中毒」の原因になったり・・・。

ま、仕事のグチを書いても仕方が無いですね(笑)。

投稿: まこと | 2007年5月13日 (日) 09時46分

私はトヨタ方式って仕事で実践したことは無いので余り偉そうなことを言う気は無いのですが(自分らの業界ではマ○○○○ド辺りの方式がしばしば範となっていますが)、一般論として、オペレーションが滞って負担が増える理由の一因には現場のマネージャーの能力って側面もあるように思いますね。各々の従業員のスキルを見極めて適切な人材配置を行うマネジメント能力がどの程度あるか、など。

あと、

>コンビニの流通機構が広い意味でのトヨタ方式であると言っている。コンビニ業界に労働運動が存在するとは聞かないし(アッテンボローさん)

についてですが、コンビニ等の業界の場合はトヨタ方式云々というより、労働者が分断されているのも労働運動不在の一因にあるかと思います。正社員は「ヒラ」であってもマネージャー等の肩書きを持ち、パート・バイトから見れば「管理職」のようなものですし、パート・バイトにしても基本的にシフト勤務なので、彼らが「職場生産点」で一同に会することはありませんし。

ただ、CVS業界に近いファーストフード業界最大手の日本マクドナルドで昨年労組が結成されるなどの動きもあります。

・日本マクドナルドユニオン
http://www.mc-union.jp/index.html

投稿: まこと | 2007年5月13日 (日) 09時36分

>>久々さん
>>勿論、適用困難・不可能な生産工程もある。アッテンボローさんの文章から、郵便業務への導入は非常に疑問だ。

うちも適用困難、不可能の部類だったんだよ。最初はふざけんな!とか言っていたのは事実。

ストア式にこだわれというわけではない。
郵便なら手渡した時点をゴールとするなら、その他のシステム構築は自由だからな。

どうせアッテンボローさんのいうような郵便局の職場だと、仕分け速度を早くしろ、とか言って遅い職員に特別訓練とかさせてそうだからな。これやるのは、ものすごい勘違いなんだがね。
それがもし行われていたら無能の極みな人間しかいないの証左だ。そんなのにはできないよ。

仕分け機全廃するくらいの発想の転換が必要となるかもしれない。

投稿: K | 2007年5月13日 (日) 01時54分

タイトルの「労働運動解体を前提とするトヨタ方式」ですが、解体するまでもなく多くの民間労働組合の機能が会社による労働者支配を補完するものです。
トヨタなど民間企業の組合はは会社方針を徹底し私生活まで干渉するのが役割(ズル休み、トラバーユしないか)です。
指摘されていることが「労働組合≠労働運動」or「労働組合=労働運動」どちらで捉えるかです。
労働者が賃上げを望めば組合として会社業績のアップ優先であり、労働者が革命を求めるなら政治運動、労働運動です。
ただ労働運動により労働者が主人公になる社会革命を仮定するなら労働者内部の階級性を一掃すべきです、能力と関係ない賃金格差、無駄な年功序列です。
労働運動の成果として全労働者をシャッフルしてフリーター、正社員、派遣労働者、パート、公務員、また年齢男女に関わりなく能力に応じて労働者再編成するならば反対するのが官公労系組合、公務員でしょうね。

投稿: tatu99 | 2007年5月12日 (土) 12時04分

おいおい、トヨタだのテーラーだの言っている場合じゃない!
沖縄辺野古の基地建設に海上自衛隊が乗り出した!
沖縄タイムスhttp://www.okinawatimes.co.jp/day/200705111700_01.html

「非暴力」の反対運動に対し、60年安保でも出せなかった「自衛隊」が出てくるのだ。
 これを大変と言わずして、何を「大変」と言わなければならない。

投稿: GO | 2007年5月11日 (金) 19時46分


テーラーシステム導入を提言したのは、レーニンです。

投稿: TAMO2 | 2007年5月11日 (金) 19時41分

そう言えば、「資本主義的搾取を促進するテーラーシステムに反対する」と言ったコロンタイに対して、テーラーシステムの非人間性を告発しつつも、その機能性を高く評価し、生産現場に積極的に導入することを提言しましたね。

トヨタ生産システムを推進する仕事をした経験もあるんですが、あれは一概に「労働強化」と切り捨てられないものですよ。(勿論、適用困難・不可能な生産工程もある。アッテンボローさんの文章から、郵便業務への導入は非常に疑問だ。)

自分の経験。
http://red.ap.teacup.com/tamo2/129.html


Kさん、こんな図式もありますよ。


トヨタ方式を拒否、生産性向上を拒否

競争に敗れ会社がコケる

まあ、「比較優位説」ってのがあるから、簡単にコケるわけじゃあないけど、賃金が上がらないくらいの効果はあるかと。

投稿: TAMO2 | 2007年5月11日 (金) 19時40分

まったく(苦笑)、かなり簡単に書いたのに全部読んでいないだろう。

トヨタ、カンバンと言っているが、あれには答えがないと。

それにだ基本的に、民間は顧客がゴールなんだ。戦いやると

操業が止まる

顧客離れる(たいてい戻ってこない)

業績悪化

倒産or大規模な人員整理

結局、一般賃金労働者がしわ寄せを食う。

大手でもやばいのに、中小なら一発で終わりだ。戦いとやらで操業とめられるのはでかい所に勤めている連中だけだ。
ヒモ生活できるような身分ならいいんだがね。

まあ考察書いてみなよ。
ただな粗探し程度ならいいが、本当の意味で考察書くとすると相当な能力がいるぞこれは。
本読みました。はいわかりました、と言う問題じゃないからな。

投稿: K | 2007年5月10日 (木) 23時39分

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