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2007年6月 8日 (金)

郵政民営化とサービス切り捨て

 鬱状態が酷かった為もあって、新年度以降の様々な民営化に向けた現場の動きについて触れることが出来なかった。今日はこの間実際の業務の中で起こっている各種の顧客サービス切り捨て=利潤追求の動きについて簡単に述べたい。

 以前に幾つかの記事でも書いたのであるが、私が勤務する局は過疎化と高齢化が進む地方都市である。都市銀行は存在せず、地方銀行は不採算店舗を廃止し、信用金庫は既に10年ほど前に経営破綻して無くなっている。残っているのは郵便局と農協と地方銀行の支店の一部である。高額の預金を持っている人々に対しては隣町や更にその隣町の銀行からも集金や支払い手続きに外務員が足を運んでいるのだが、一般家庭に対しては当然のことであるが対応していない。地銀ですら積立預金の集金を廃止してから十年近くなる。長引く低金利の為に集金をすると人件費の持ち出しになるからである。

 先ず昨年の九月に、十月以降は積立貯金の新規契約を受け付けないように言われた。何故かというと積立貯金は1年以上3年までの満期である為に10月以降に契約を受理すると国営の期間を超えて民営化以降にも契約が存続することになる。郵便貯金は今年、07年9月末日までは国家補償であるが、10月1日の民営化以降は預金保険機構がその貯金を保証することになる。保証機関が別の物にまたがった場合の複雑さを避けることが目的である。その為、預かり次点で明白に保証機関が違い、減少傾向が続く定額貯金・定期貯金については数年ぶりに営業目標が復活し、募集を喧しく言われている。実は郵便局は運転資金の融資を人質にした給与預入が存在しない為に、民間金融機関と違って給与の振り込みに関してはシェアが低い。その為どうしても各種引き落としを勧める際には民間金融機関からの預け替えを勧めなければならない。十数年前であれば、仮に銀行などの普通預金で年間千円の利息が付いた時に郵便局の通常貯金であれば五千円の利息が付いた為に預け替えも勧めやすかったのであるが、低金利時代に入りさして差が無くなると、預け替えの為に積立貯金の集金に伺う約束をして自動引き落としを勧めるようになった。原則として通常貯金への入金の為の訪問というのはないのである。その為積立貯金の集金を口実として通常貯金を集金するという手口が蔓延した。だがその積立が無くなるわけである。

 更に今年の四月には貯金の局外支払いが禁止された。局外支払いというのは定額貯金・定期貯金の満期金や通常貯金からの支払いをお客さんの自宅に届けることを言う。それが廃止された為に、今日もあるお客さんが近日中に物いりがあるので通帳から降ろして届けて欲しいという申し出をのらりくらりと言い訳して断らざるをえなかった。ハッキリ局外支払いは無くなりましたと言えればよいのであるが、今までのお付き合いがある為にそうも行かない。70代半ばの一人暮らしのおばあちゃんに対して、往復一時間歩いて最寄りの郵便局の窓口に足を運べとはとても言えず適当に誤魔化したのであるが、内心申し訳ないという気持ちが大きい。

 かように民営化に向けて各種のサービスの切り捨てが本格化している。都市部であれば歩いて直ぐの場所に郵便局が存在しているが、地方ではそうではない。今までは民間金融機関が見向きもしない地方都市で貯金を集め、それを都市部で運用するという全国一体経営で採算を取ってきたわけであるが、今は局ごとに採算を問われている。利潤追求の為には儲からない業務はトコトンまで切り捨てられるであろう。民営化の先例である国鉄分割民営化によってローカル線が大量に廃止されたことや、電電公社の民営化で人通りの少ない場所から公衆電話が無くなったように、郵便局も儲からない地域から無くなっていくのが実感として良く分かる。

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