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2007年6月23日 (土)

切り捨てられる庶民向けサービス

日経ネットより
郵貯間のATM送金無料に・10月民営化から1年間
 日本郵政公社は22日、10月の民営化と同時に郵便貯金の商品内容を見直すことを決めた。「民営化キャンペーン」として、ATMを使った郵貯口座間の送金サービスの手数料を10月から1年間、無料にする。郵便局員が戸別に訪問して集める「積み立て型」の貯金サービスは廃止する。コストがかかるが利用の少ない商品をなくし、収益力を強化する。

 同日午後、民営化後の商品・サービスについて発表する予定。郵貯口座間でATM送金するサービスは1回に120円の手数料がかかるが、2008年9月30日までは無料にする。「積立貯金」「住宅積立貯金」「介護定期貯金」など7つの預金商品はやめる。 (17:45)

 ネット上で配信されているのは上記のように簡単な物であるが、今日23日付日経新聞朝刊の4面金融欄では「ゆうちょ銀 不採算は廃止・値上げ サービス公表、収益を重視」という見出しが躍っている。廃止されるのは積立貯金153万件・住宅積立貯金3000件・電信為替100万件・現金払いによる国債購入81万件。値上げとなるのは通常現金払いが60円から400円に600万件・電信払い込み210円から525円に2350万件・定額小為替10円から100円に3600万件。それぞれの後に書いた数字は取り扱い実績である。

 自宅では朝日と毎日を定期購読しているのだが、日経は職場で購入してくれている物を読んでいる。今日は民営化の際の制度改定についての研修の為に非番日買い上げの出勤であったので、日経を読むことが出来た。以前から何度も記事にしてきたが、積立貯金などの不採算商品の廃止を正式に外部に発表したのである。そして今月初めに手渡されていた現場における制度変更の学習、今日は保険だけであった。実は貯金に関しては来月非番日出勤する。簡易保険からかんぽ生命に変わる中で、予想通りと言えば予想通りであったが、様々なサービスが切り捨てられることが分かった。

 先ず一番分かり易いのは印紙税適用による加入者負担の増加である。今までは国の機関である為に収入印紙を貼る必要など無かったのであるが、10月1日以降は3万円以上の集金・新規契約の払い込み・加入者貸し付けの返済などを受け付けると郵政負担で印紙を貼ることになる。このコストは当然のことであるが値上げで賄われる。またお客さんが満期や入院・死亡などの保険事故で保険金を受け取った際にも、お客さんの負担で印紙税を徴収することになる。

 簡易保険が簡易生命保険法のみの適用であったことに対して、かんぽ生命保険には商法と保険業法が適用される。その結果、職業による加入制限がないという点は変わらない物の、免責事項が民間生保なみに拡大する。先ず大規模災害が免責となる。例えば阪神淡路大震災の場合、民間生保の殆どは地震などの天災による死亡についてという免責条項を盾に保険金の支払いを当初拒否していた。一方簡保は、新聞記事などで死亡が確認できれば病死保険金に加えて災害死亡保険金と倍額保険金とを即刻支払った。(例として病死保障1000万の契約の場合、災害保険金1000万と倍額保障1000万が支払われた)結果として民間生保も簡保に追従せざるを得なくなって、幾つかの事例に対して保険金が支払われた。

 新たに免責条項に加わったのは「被保険者の精神障害の状態を原因とする事故」「被保険者の泥酔の状態を原因とする事故」である。今までは、精神病者が病気の発作などで事故死した場合や泥酔者が事故死した場合でも基本保険金は支払われてきたが、これが支払われなくなる。どういう事かというと例えばてんかん発作で階段を踏み外して転落死した場合保険金が支払われない。酔っぱらいが川に転落して死んでも保険金支払いがないのである。更に言えば私のような鬱病患者は症状が酷い時には自殺する人が多いのであるが、保険金の支払い対象外である。

 小泉政権の5年半の間毎年3万人以上が自殺していた為、音を上げた民間生保は自殺の際に支払う条件を加入後1年以上から3年以上に変更した。簡保は国営である為、自殺する人の殆どが経済的に困窮しているので1年に据え置いてきたが、民営化と同時に3年に変更する。生命保険に加入している場合、どんなに苦しくとも三年間は自殺してはならないのである。もし自殺したらそれまでの掛け金は丸々無駄になる。

 以上簡単に述べたかんぽ生命の制度改定については、[民営化;9-6-3]フロントライン研修用保険業務研修2分冊の1に掲載されている。税金については同2分冊の2に掲載されている。もし知り合いに郵便局員がいれば部外秘ではないので見せて貰うことも可能かも知れない。同様に貯金業務研修という物も3分冊存在している。郵便についても有るはずなので、今度郵便の職員に見せて貰おうと思っている。

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コメント

 名無しさん、郵便局に見切りを付けて下さって結構だと思います。外国の例では郵政民営化で成功した国が一つもありません。営利に走ったことで庶民に見捨てられれば再国有化の可能性があります。是非ともネットバンキングを活用して下さい。

 くまっちさん、7月の参院選で自公両党に目に物見せてやりましょう。一票一揆をすべきです。

投稿: アッテンボロー | 2007年6月23日 (土) 23時52分

この高度情報化時代、時の権力者が紙芝居という子供騙しも使って、私たち国民を欺いたことを忘れてはいけないし、次世代と世界中の人民に伝えなければならない。
恥の選択をした反面国家として。

投稿: くまっち | 2007年6月23日 (土) 23時10分

今まで郵便振込みを利用してきましたが、今度からネットバンクを利用します。

投稿: | 2007年6月23日 (土) 23時09分

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