郵政民営化、何で今更文句を言うんだ!!
新年度に入ってからのサービス切り捨てについて「郵政民営化とサービス切り捨て」と言う記事を書いたのであるが、最近それらに対して苦情を言うお客さんが多くて困っている。一昨年の国会で郵政民営化法案が審議されている過程、あるいは9・11総選挙の過程で散々民営化したら庶民向けのサービス・地方のサービスが低下することを郵政部内は特定局長会から全逓(現JPU)・全郵政まで含めて声を枯らして主張してきた。だが国民の三分一強は小泉自公政権を支持して郵政民営化を選んだ。実際には総得票数の過半数は野党支持の票であり、棄権という形での消極的反対も含めて国民の三分の二は郵政民営化に反対であった。小選挙区制のからくりで自公両党の議席が圧倒的多数を占めたのであるが、この件については今日は書かない。
私の勤務する局の所在地は過疎化が進んでいる田舎町である。85年の電電公社民営化によるNTTの発足によって営業所が無くなり、公衆電話が町の各所から姿を消した。87年の国鉄分割民営化によるJR発足ではローカル線の切り捨てによって無人駅ばかりとなり、車掌が廃止されて運転士のみの一人運行になった。駅のホームから転落する人がいたとしても救助したり列車の運行の安全確保をする要員はいなくなった。通勤通学の時間帯を覗いて列車が間引き運行されるようになった為に、車の運転ができない人は日中の移動にも苦労している。当然のことであるが民間のバスの路線は次々廃止されている。東京一極集中による弊害がまともに現れており、少子高齢化は日本全体の平均より遙かに早く進んでいる。
だがしかし、不思議なことに中選挙区の時代から地方の切り捨てを主張する自公両党の強力な地盤なのである。小選挙区制度に移行してからも、自公両党の選挙協力の為もあって自民党の候補者以外当選したことがない。当然05年の9・11総選挙でも小選挙区の中では自民候補の得票が圧倒的であった。つまり「地方を切り捨てます。庶民のサービスを切り捨てます」と主張していた候補に殆どの住民が投票したのである。自分で自分の首を絞めておいて、今更郵便局はサービスが悪くなったと文句を言うお客が多いのである。正直「自業自得でしょ」と言い返したくなることがしばしばである。今後は自民党議員の後援会の札を貼っている家や創価学会=公明党のお客に対してはハッキリ言った方がよいのかと思う次第である。
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コメント
TAMO2 さん、千葉428さん、確かにそうですね。一旦決まったことでも民意で覆すことが出来ると言うことを丁寧に話すべきでしょうね。以前別の記事で民営化に最後まで抵抗することを主張していたのに大衆を獲得することを疎かにしてはいけませんね。まことさんが言っておられるのも前半は同じ事ですね。
自民党に限らず、多くの人は政策の中身を吟味せずに表面的なイメージで投票することが多いですから。田舎では社共に投票する人も地縁血縁で頼まれる人が多いですよね。出来る限りそう言った人間関係を作り上げることも必要ですね。
tatu99さん、公務員の中でも官僚が特に腐敗するようになっています。元々彼らの殆どは志など無く、単に安定していて高給が望めると言うことで官僚になるわけですから。天下り先を転々として多額の退職金をせしめるのが彼らの人生のゴールですからね。下っ端の公務員の場合は労働者意識が強いほど腐敗しにくいんですけどね。
tatu99さんが言う公務員の腐敗防止策に近いことが、実はレーニンの「国家と革命」の中に書かれています。政治家や官僚の賃金は労働者の水準でなければならない事や、いつでも主権者である住民の意思で罷免できるようにすることが必要であるとあるんです。機会が有れば一度読んでみて下さい。
投稿: アッテンボロー | 2007年6月15日 (金) 22時05分
田舎者を言い換えて地方住民が理念でユーセー民営化に賛成したのでもなく、ムード的なものでテレビCMと同じく何となく良い物だと騙された面が強いと思います。
田舎育ちの感性で言いますと近所の○○の息子が郵便局員に限らず市役所職員、教員さらに警官であるのも不愉快だ、民営化が良いから何もかも民営化してしまえと考えても不思議でありません。
左翼の視点であればでは一人一人が賢明な知識と行動であればとっくの昔に民主連合政府が生まれていたことでしょう、ネトウヨ視点では公安調査庁にしろ社会保険庁にしても朝鮮総連の手先弁護士会同様に支配階級の腐敗は免れないものであり、すべての公務員は腐敗する宿命であり防止策は天下り廃止などと脳天気なことを云わず終身雇用の廃止公務員の10年勤続定年制しかないと考えます。
投稿: tatu99 | 2007年6月15日 (金) 08時30分
結局、その「文句を言うお客さん」のような方は郵政民営化問題を「消費者」「ユーザー」の視点からしか捉えていなかったということでしょうね。
ちょっと前までは「郵便局が民営化すれば庶民にとってより便利になる、そして日本も変わるんじゃないか?」と期待して支持したものの、民営化が近づくにつれて必ずしもユーザーの利便性が向上するわけでは無いことが肌身で分かるようになった。だから、今は反対-ということでしょう。
「社会」という視座が欠落しているんですよね。
>だがしかし、不思議なことに中選挙区の時代から地方の切り捨てを主張する自公両党の強力な地盤なのである。(アッテンボローさん)
これは別に不思議では無いでしょう。
自民党は地域の「地縁・血縁」等の結び付きや利権によってその勢力を堅持してきたのですから。特に、田舎の場合は国家の再分配機能によって経済を維持してきた面があるので、利権を握っている自民党は強いですよ。
公明党は創価学会ですし、地方では自公政権発足のはるか前から自民党と馴れ合っていたわけですしね。
もっとも、新自由主義的「改革」によって自民党そのものや自民党の基盤たる地域共同体も変質してきていますから、今後も自民党が力量を発揮するかどうは分かりませんが。
投稿: まこと | 2007年6月13日 (水) 08時26分
私は、お客によって言い方を使い分けてはいましたが、はっきり言うようにしていました。でも人間は自分に直接かかわりあうことには反応しても、大局的にはなかなか判断できないもののようです。
「いまさら何を言うか」より「今からでも変えていきましょう」ですよね。
投稿: 千葉428 | 2007年6月13日 (水) 05時53分
アッテンボローさん、その残酷さは大事とも思う反面、「お客さん、変わったことは再び変えられるんですぜ」と言って、暗に非自公への投票を呼びかけるっていう手のほうが良いと思いますよ。
投稿: TAMO2 | 2007年6月12日 (火) 22時13分
とらちゃんさん今晩は。早速のコメントどうも有り難うございます。実際問題小泉自公政権に投票しておいて今更文句を言う人の気が知れません。今後は「自業自得です」というように心がけようと思っています。
投稿: アッテンボロー | 2007年6月12日 (火) 22時09分
こんばんわ!
書かれてある、その通りです。
私は、コイズミ劇場に酔いしれていた国民に一番責任があると思う!
郵政民営化、断固反対だった。
郵政ぐらい国家がせいよ!って今も思っています。
私の予想、
何年かしたら、また元に戻る気がします。
いつまでもいつまでも自民党の天下じゃぁ~ないもん。
それと、地方が寂れていってることも、連動してる気がします。
今更ながら、コイズミに1票入れた人を恨むわ。・・・・・・・
投稿: とらちゃん | 2007年6月12日 (火) 21時36分