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2007年11月15日 (木)

「ナゲキバト」を読んで

 よく拝見している瀬戸智子さんの「瀬戸智子の枕草子」「ナゲキバトを読んで」と言う記事でこの本を知った。簡単な粗筋に興味を引かれた。やはり瀬戸さんの文は人を引き込む魅力がある。出版社を教えて貰いインターネットで注文した。最寄りの書店に届けて貰う。八月下旬のことだったがその後色々と体調を崩したりしていて未読のままであった。漸く一昨日と昨日とで読み終えることが出来た。作品自体はそんなに分量はなく、文体も非常に読みやすいものであるが、内容が内容であったので色々と考えながら時間を掛けて読んだ。

 交通事故で両親を亡くし祖父の元に引き取られた少年が、或る時好奇心から猟銃でナゲキバトを撃ち殺してしまう。アメリカの片田舎が舞台であるので銃は身近な存在であるようだ。撃ち殺したナゲキバトには二羽のひよこが居た。残されたつがいの一方では二羽の雛を育てることは無理であるため、祖父はどちらか一方を選んで始末するように言う。少年は悩みつつもその一羽を選ぶ。少年の苦悩が伝わってくる。安易に銃を使ったことに対する後悔の念だ。

 半年ほど後には少年の牛が死に瀕することになる。仔牛が少年の不注意でアルファルファの芽を食べてしまったからである。アルファルファを食べると牛の胃の中でガスが発生し、ゲップをすることが出来ないために苦しんで死んでしまうのだ。仔牛の苦しみを取り除くために少年は再び銃を取る。仔牛に対する責任を感じつつ、少年は引き金を引く。

 命を巡って色々と決断を迫られる場面が登場する。祖父の語った昔話にもその様な場面があって、少年は考える。日本人である私にとって神は絶対のものではないし、まして宗教を否定する共産主義者にとっては無縁である。だがしかし少年にとっては命や神や誠実であることについての様々な問いかけが為される。少年は9歳であった。幼い心で一つ一つの重大な選択を為していく。

 私はかつて機動隊と市街戦を演じた時、警官を殺す気で掛かっていった。今でも労働者階級を苦しめる資本家とその手先は処刑されて当然であると思っている。だが罪無き者を、愛しいものを手に掛けるという選択を迫られた場合どの様な行動を取るだろうか。少年のように悩み苦しむであろう。そこからの逃亡は許されない。苦渋の決断と無縁であることは幸せであると同時に命の大切さを知る機会に恵まれていない不幸なのかも知れない。

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「書籍・雑誌」カテゴリの記事

コメント

 せとともこさん、丁寧なコメントどうも有り難うございます。良い本を教えて頂き感謝しています。命を巡る決断について色々と考えることが出来ました。
 漸く秋らしい気候になりつつありますね。我が家では先月、妻を除く全員が風邪を引いてしまいました。私が一番治りが遅かったのですが、今はみんな元気です。

 ミッターマイヤーさん、私に対する表現が少々大げさな気がします。
 人それぞれ背負っている物は違うのですが、飼い犬を処分することになった時の心痛、お察しします。中にはそれらがトラウマになってしまう場合もありますが、ミッターマイヤーさんの場合は如何なのでしょうか。

 ROM人さん、敵味方の区別はアメリカが第一次大戦中に日本人に植え付けたんですか。初耳ですね。戦場での交歓が有ったことは事実ですし、寧ろ私たち共産主義者はその事を強調して来ました。日露戦争の時などボルシェビキがかなり軍隊工作をしていましたからね。そして銃口は自国の帝国主義者に向けようと訴えていました。ここに共産主義者は戦争を内乱に転化する現実性を見ています。
 末端の警察官達が思想的に腐敗しているのは現実です。参考までに拙稿「警察、機動隊、国家の暴力」http://rounin40.cocolog-nifty.com/attenborow/2005/08/post_a5ba.htmlや「釜パト声明」http://rounin40.cocolog-nifty.com/attenborow/2007/08/post_83ab.htmlに「世界陸上事前弾圧に関する続報」http://rounin40.cocolog-nifty.com/attenborow/2007/08/post_f760.htmlなどを参照して下さい。少なくとも私たち共産主義者が警察官に対して持っている怒りが分かるでしょう。

投稿: アッテンボロー | 2007年11月17日 (土) 21時26分

>私はかつて機動隊と市街戦を演じた時、警官を殺す気で掛かっていった。今でも労働者階級を苦しめる資本家とその手先は処刑されて当然であると思っている。

この考え自体アメリカに汚染されていません?そもそも敵=悪って思想は、第一次大戦中にアメリカが植えつけたもの。その前の日露戦争とかは、休戦が存在し、その間に死体や負傷者を収容。中には敵味方入り乱れての宴会もやったとか。
何が言いたいかというと、戦争という物は、お互いの心情のぶつかり合いであって、その中で正義という物は一つに限らない。確かに資本家のトップに対しては「処刑されてしまえ」と思うのは構わないと思います。しかし警官や機動隊も人々を、単に「手先」だけとしか考えずに死ねばいいのにみたいなのはどうかと。

人間の命なんて、所詮は青酸カリ一滴以下。ゴキブリ、アリ、カビ、そんな命と何もかわらない。結局は自分自身の自己満足のために命の大きさを語ってる。でもその自己満足のために人間は生きている。というのが持論です。まぁ命の価値観については、哲学書を読むのが一番でしょうね。

投稿: ROM人 | 2007年11月16日 (金) 22時28分

孤独な少年だった僕は
世界でいちばん孤独だと想い
いつも怖い親を避けて
飼い犬と日が暮れる迄
ずっと遊んでいた。

ある日、僕の一番大事な友達の飼い犬を
大人の傲慢で不要に成り
役所で薬殺にすると言い出した。

そう僕は当時年端もいかぬ少年で
親の持つ巨大な権力に対抗する力もなく
代々右翼的な一族に対し
一人で蜂起する勇気もなく
ただ犬を庇うなら出て行けという脅しに
素直に真に受けるだけ。

そう大人に成った今なら
それなりに資金もあり
動物愛護協会に預けたり
里親を募集する事も出来るだろう。

でも僕は最後迄犬の傍にいたかったから
僕一人で役所に連れて行くと言い出した。

もうすぐ殺されるなら
最後迄僕は犬の傍にいたかった。

孤独な僕の友達は
最後迄僕になついて
ずっとずっと抱きしめてくれた。

ある日僕の親友のS君は
飼い犬が薬殺されるのを
止められなかった事を糾弾した。
それに僕が役所に引き連れた事に
失望して見損なったと言った。

僕は何も反論出来ず、
ただドキドキしながら
僕はうつむくばかりだった。

僕は最愛の飼い犬に
手を掛けた少年だと。

でも飼い犬だけはきっと
僕の気持ち判ってくれただろうって
僕は帰りの満員電車の中で
今日も涙を堪えている。

僕の胸に一生突き刺さった棘が痛むから
僕はきっと幸せなのかも知れない。

追記
僕は労働者による革命を信じ、
反戦平和の為に闘って行きます。
でも大抵僕らの側には
死刑廃止を唱える人権派がいます。
でも僕は死刑賛成で
アッテンボローさん同様、
国鉄民営化で自殺者を出した
あの政党には生きる価値はない
そう想っています。
今迄いちばん罪も無き労働者を殺した政党だから...。

ああ今回の記事には感涙です。
僕が何を書くか
何を叫ぶべきか
僕の行く道を今日も示して下さって
僕はとっても幸せです。

投稿: ミッターマイヤー | 2007年11月16日 (金) 21時11分

こんにちは。
急に寒くなりましたね。
お元気でいらっしゃいますか?
お坊ちゃんはお風邪などひかれていませんか?
これから季節の変わり目、どうぞくれぐれもご自愛くださいね。
さて、ナゲキバトのご紹介ありがとうございました。
私もアッテンボローさん同様、キリスト教的な信仰は、よく分からなかったのですが、
あの本の中で「生きることと死ぬこと」の選択が余儀なくされる場合、人は如何にあるべきか、いやあろうとするか、、、を考えさせられました。
アッテンボローさんの最後の言葉、ズシンと響きます、、、
「苦渋の決断と無縁であることは幸せであると同時に命の大切さを知る機会に恵まれていない不幸なのかも知れない。」
本当に、、、

投稿: せとともこ | 2007年11月16日 (金) 13時15分

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