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2007年11月20日 (火)

JPU阪神東支部元支部長酒井さんへの不当労働行為裁判第8回期日

 本日神戸地裁204号法廷において酒井裁判の第8回期日が行われた。既に前回9月25日の第7回期日において、原告側酒井さん被告側郵政共に言い分が出そろっていたために本日の公判は双方の証人尋問についての日程調整のみの短い時間で閉廷した。来年2月6日の次回第9回期日において、当該である酒井元支部長・武庫川ユニオンの小西書記長、当局側証人として尼崎局の大槻元副局長の証人尋問が行われる。

Dscf0007_2  閉廷後婦人会館に移動して報告・交流集会がもたれ、約60人が参加した。阪神東支部の現支部長が司会を務め、最初に在間弁護士から今日の公判についての概略が報告された。前回の期日で双方の言い分が出そろったために裁判所が判断に入ることになる。今まではお互いの言い分をぶつけ合ってきたのであるが今後は証人調べに移行し、判決が下される。証人尋問の日程も来年2月6日の11時からと決定した。来年3月が人事であるのでこの構成で判決が出るであろう。橋爪裁判長は弱者に温かい判決を下す人である。次回の尋問は丸一日かけて夕方まで行う。従来であれば証人調べだけで1年くらい掛かったがスピードアップして1日で3人くらいの証人調べを行う。互いの証人の言いたいことを予め先に出しておいて反対尋問が中心になる。3月までに判決を求めていく。次回の法廷にも多くの傍聴を集めて組合側証人には無言の声援を、当局側証人には無言のプレッシャーを与えよう。

 次いで森弁護士から「ゆうメイト雇い止め裁判」についての報告が行われた。郵政ユニオンに所属するゆうメイトに対する雇い止め解雇裁判での9月31日に敗訴という不当判決を批判した。今年10月1日に非常勤公務員から民間の有期労働者になったこともあって負けは分かっていたが、どういう理由で判断するかが問題であった。郵政職場は大量の非常勤労働者を雇用している。集配業務は二つに分けて対面配達以外はゆうメイトが行っている。この事を問題にしていた。非常勤といえども公務員である限りは期間で定めることは出来ないと最高裁が言っている。有期雇用が認められないのは定員増が認められない場合で代替が効かない場合のみである。常勤を雇用すると高く付くので大量の非常勤を雇用しているが、この事で事業の基幹を担っているのがゆうメイト。寧ろ本務者の方が補助的業務となっている。スキルレベルを判定して時間あたりの単価を上げたりしている。最高裁の基準に照らして雇い止め解雇は違法である。理由的に良い判断を期待していたが箸にも棒にもかからない通り一遍の判決であった。ゆうメイトを単純労働と言っている。非常にゆうメイト、郵政の仕事をバカにしている。正規職員を増やさないのは企業経営にとって当然と言いなす。高裁に控訴した。

Dscf0002  郵政職場の不当労働行為を正す会の代表である今西さんの挨拶があった。今日も多くのJPUの仲間・職域を超えた仲間が集まった。裁判闘争も佳境である。次回は大量動員で傍聴しよう。「クローズアップ現代」では、見せかけの管理者としてコンビニなどで入社2~3ヶ月で支店長にならされている実態が放送されていた。残業が月180時間とか200時間とか有るが、管理職なので当然残業手当が付かない。1年もすると転職・鬱病になるなどしている。あらゆる職場に派遣労働者が送り込まれ使い捨てにされている。日本は先進国ではアメリカに次ぐ貧困率15%である。日本がおかしくなっている。酒井裁判を通じて地域の労働者にまっとうなことを伝える。まっとうなことと労働者が生きるために不当労働行為を訴える。非正規労働者をどうするか。酒井裁判はその意義を持っている。2月6日総動員をと締めくくった。

 職場の報告に移り、山中さんから兵庫連協と全国大会について語られた。10月1日民営分社化がスタートし、10月22日にはJPUと全郵政が解散大会を行い、統合してJP労組が発足した。タスキがけ人事が行われ委員長には全郵政の山口がなり、書記長にはJPUの難波がなった。副委員長他の役職もタスキがけである。議案提起の後拍手で承認すると言うことが行われた。普通なら意見集約の後投票である。結成レセプションには民主党の菅直人・国民新党の綿貫民輔・連合の高木委員長が来賓に招かれていた。2千人から3千人が参加したが、この費用が1億2千万円であった。地方では11月10日にJP労組近畿地本が結成された。支部委員会による意見集約は行わず、全国大会と同様議案提起の後で拍手で採択した。好き放題勝手をやられた。

 兵庫連協も前議長と事務局長が外された。代議員選挙で定数の場合は信任不信任の投票が行われるが、兵庫の場合は定数以上の立候補があるので選挙を行ってきた。地本の藤井書記長はあまりにも組合員の言うことを聞かないし、いい加減であり言ったことをしない。その結果今回の解散大会では落選した。当選者と600票差で4300中2千ちょっとの得票であった。民意の現れである。全国大会でも地方段階でも組合員には役員を決められない密室の論議である。組合員の民意を問う年に1回の投票を踏みにじる行為であり、やり過ぎだ。兵庫連協は4つのブロックがあるが阪神東だけでなく左派の支部に対して排除の論理である。全郵政は企業の発展に貢献することと「左右」の全体主義排除などが特徴であるがそれがそのまま取り入れられている。周りに非常勤が多い。どうして声を集めて大きくするかが大切だ。地本は山脇が委員長で書記長には全郵政出身者がなった。

 遠山さんからは神戸中郵の報告があった。三人の代議員が地本大会に参加したので何人かが喋ろうと現行を用意したのであるがOBに止めさせられた。シャンシャン大会であった。今日のこと、色んな事をバネにしたい。職場に全郵政がいる。働く仲間といると楽しいこともある。全郵政を含めて守っていく。労働組合は一人一人の組合員の思いを浮かべてやっていくものだ。浮かばなくなったら信頼されなくなる。

 司会から強制配転反対の闘いと労働運動の再生がテーマである。勝負所に来ている。組合員に視線を合わせていけばいける。と簡単な提起の後更に職場からの発言と共闘の発言があった。

 加古川総分会の江渡分会長が、自らに地本から勧告処分を受けたことが報告された。江渡分会長は、10月1日に大阪中郵前で行われた民営化反対の街頭宣伝の際に毎日放送のインタビューに応じていたため地本に目を付けられたのだ。そして酒井さんと自分とどっちが早く排除されるか、酒井さんが本命である。地本からすると許せない裁判闘争である。守っていく闘いが大切だ。そして関西合同労組関西トランスポート分会の闘いの報告を続けた。9月28日に神戸地裁で勝利してバックペイも勝ち取った上雇用関係も認めさせた。その後四人の分会員をバラバラの職場で就労させている。就労自体は1ヶ幾らの歩合給から時給600円の6時間雇用で交通費無しというものであるが、今後の団結の中で跳ね返そうと就労している。勝利判決後の苦しい労働にも耐えている。

 国鉄闘争鉄建公団訴訟原告団からは大串さんが発言に立った。酒井さんにかけられた不当配転攻撃は酒井さん個人にかけられたのではなく闘う者を叩きつぶす攻撃である。支援も含めて闘わなければならない。多くの仲間が集まって相手を追い詰めていこう。国鉄闘争は全動労裁判の判決が年末に出るのと年明けには第二次鉄建公団訴訟の判決が出る。ここで闘争の行方が決定される。また明日21日には国鉄鷹取工場でアスベストの被害でなくなった方の裁判が神戸地裁である。更に22日には午後6時半から尼崎駅事故を検証する集会がある。国土交通省航空・鉄道事故調査委員会の報告では日勤教育の問題には触れているが、企業の安全軽視体質については触れていない。元全日空パイロットの村中さんの講演と尼崎事故の遺族である浅野さんの発言がある。

 最後に当該の酒井さんから決意表明が行われた。毎日多くの仲間に支えられて闘いが続いている。変わらない物として信じられる仲間がいることを痛切に感じている。先日息子が裁判の傍聴に来たが息子には休みの日に自分の時間を割く行為その物が分からないようだ。今の社会では直ぐ裏切られるからだ。親爺のマニアックな闘いとしてみているようだが労働運動というものはそう言うものではないと教えたい。

 人事交流は個人の闘いではない。多くの仲間が命を絶ったり、退職したり、闘いの場を奪われた事への闘いだ。87年の郵政事業活性化計画に端を発している。職場を見つめ直す。中心に労働運動がある。この間の変化の中心、問題状況に関わる。労働運動がまともでないと民主主義に関わる。まともな労働運動を取りもどす闘いだ。労組の統一は労々対立の不幸な歴史を乗り越えてと言うが、どんな運動をするのか。10年後20年後、今以上に企業内組合に傾倒するのか、地域に広がるかが問われている。労働運動は思想・宗教などが違う労働者の大衆運動だ。崖っぷちの運動をどうするのか。労働運動が組合員や働く者の希望の星となるようにしたい。益々厳しくなって続いていくが皆さんと共にやっていく。

Dscf0010  最後に司会の音頭で団結ガンバローを三唱し報告集会が終わり、その後懇親会が行われた。

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