食品偽装の船場吉兆 佐世保の銃乱射事件 東京高裁警官のメモ開示命令
食品偽装の船場吉兆にも労働組合が出来たらしい。今日の毎日新聞朝刊社会面に船場吉兆の食品偽装問題の小さな記事が載っていたのであるが、前半は取締役の指示によって偽装が行われていたことを報じていたのだが、後半では職員が加盟する労働組合が団体交渉に応じるように申しいれを行ったことが書かれていた。会社側は対応をしなかったとなっており、団交拒否として不当労働行為に当たる。船場吉兆では問題発覚によって経営縮小のために希望退職を募っているようなのだが、 アルバイト・派遣・パート関西労働組合に加盟した心斎橋店のパート職員ら10人が一方的な希望退職募集に対して交渉を求めているとのことだ。関連組織として管理職ユニオン・関西がリンクされているのでそこと関連が深いのだろう。管理職ユニオン・関西と言うと、2チャンネルのお笑い経営学板では北葛ユニオンと並んで話題となる個人加盟労組である。
佐世保のスポーツジムにおける銃の乱射事件の犯人は、昨夜の速報では身長が180~190㌢で目出し帽を被っている外人と思われるとあった。長官では170~180㌢となっており、ネットで朝から読んだ情報では150数㌢の日本人男性が容疑者で、しかも自殺していたと発表されていた。速報を見た時に気になったのは事件直後に外国人と報道されていたことである。外国人犯罪の増加を意図的に印象づけているのではないかと思って子ども達と少し話をした。ただ場所が佐世保だけに米兵による犯罪の可能性も思わないではなかった。
今朝の時点の情報と合わせて考えたことは、目撃証言が如何に当てにならないかと言うことだ。事件や事故の当事者は動転しているために記憶が非常に曖昧になる。例えば警察が行った防犯訓練で、予め事件が起こることを知らされていた参加者数十人に事情聴取を行ったところ僅か十数分前の出来事であったのに犯人役の服の色を正確に覚えていたのは一人か二人であったという事例がある。特に私のように革命運動に関わっていた人間からすると、警察が「目撃者」の証言を誘導によって操作して予め弾圧しようとしていた対象者を犯人だと言わせた事例が沢山あり、無罪判決を勝ち取ったことが何度もある事を知っている。物証が無くて目撃証言だけの場合冤罪であることが多い。
冤罪に関連して言えば、目撃証言と並んで冤罪を生み出しているのが警察・検察の強要による「自白」である。東京高裁が取り調べ段階での警官のメモを開示するよう命令したことは取り調べの可視化に向けた大きな前進であると思う。警察は密室となっている取調室の中で被疑者・容疑者に対して執拗に自白を迫る。その際には党外が法律に疎いことを利用して弁護士選任の権利を告知しなかったり黙秘権の行使についての告知も行わない。更には実際にはあり得ない量刑を適用すると脅して司法取引を持ちかける。私自身の経験でも85年10月20日の三里塚闘争で逮捕された時に凶器準備集合罪・公務執行妨害・火炎瓶等の取り締まりに関する罰則の合計で懲役を言い渡されるぞと脅かされた。暴行を振るわれるのも日常茶飯事である。
おまけに警察・検察は、被告人にとって無罪に繋がるような証拠を押収していた場合には開示しないという姑息な手段も使う。典型的なのが狭山差別裁判における石川一雄さんの再審請求に対して東京高検は相当量の証拠を隠し持ったまま明らかにしない事だ。取り調べの模様をビデオ録画するなどの方法が検討課題に挙がっているが、導入される場合には全ての録画映像を開示する義務を検察に課す必要がある。そうでなければ脅迫や利益誘導をしている部分を編集で消して、罪を認めた部分だけを証拠映像として提出しかねないからである。
今日は重大事件の後なので新聞の一面と社会面にだけ目を通し、気になったことについて簡単に三題噺のような記事を書くつもりであったのだが、書いているうちに冤罪事件や権力犯罪についての部分が長くなってしまった。何ともまとまりが悪いがご勘弁を願いたい。
船場吉兆:大阪市に報告書 喜久郎取締役の偽装指示認める
高級料亭「船場吉兆」(大阪市)は14日、本店の商品の賞味期限ラベルを張り替えていた問題で、食品衛生法に基づく報告書を大阪市保健所に提出した。10日に農林水産省に出した改善報告書に記した瓶詰など10商品に関した内容。賞味期限は製造時でなく発送時を起点としており、返品後の再出荷の際にも張り替えていた。
また、報告書では、湯木喜久郎取締役の従業員への指示を認め、「社内における賞味期限は1~2年で、この期間内に収まるよう張り替えた」と明らかにした。保健所は「極めて不適切」と評価し、料亭の営業再開時は連絡するよう求めた。
一方、船場吉兆心斎橋店のパート従業員ら約10人が14日夜、労働組合と団体交渉をするよう求め、大阪市中央区の本店を訪れた。同社側は対応をしなかった。従業員らが加入する「アルバイト・派遣・パート関西労働組合」によると、会社側は「1カ月分の平均給与の支給」などの希望退職条件を一方的に提示。応募締め切りを今月15日としているという。【田辺一城、小林祥晃】
毎日新聞 2007年12月15日 11時03分
開示命令:東京高裁、警官メモに 調書否認の被告公判
捜査段階で容疑を認める調書が作成されたが公判で否認した50歳代の男性被告を巡る裁判手続きで、東京高裁が検察側に警察官の取り調べメモや備忘録の開示を命じる決定を出していたことが分かった。検察はメモの存在を明らかにしておらず、裁判所が存在が明白でない資料の開示を命じるのは異例。今回の決定は、取り調べの可視化の問題にも一石を投じそうだ。
決定は11月8日付で、高裁の門野博裁判長は「検察が容易に入手でき、弁護側主張の証明力が高い証拠は開示の対象とすべきだ」とした。また、「不当な調べの有無の水掛け論を防ぐには録音・録画が望ましいが、現状では捜査官の作成メモや取り調べ経過一覧表などの客観資料で立証するよう努力すべきだ」と指摘した。
関係者によると、被告は1月に警視庁に偽造通貨行使容疑で逮捕された。警察、検察の調べで認める調書が作成されたが、東京地裁の公判では無罪を主張した。争点整理手続きで、弁護側は調書の任意性を争い、被告を取り調べた警部補のメモの開示を請求。検察側が「保管する証拠の中にない」と拒んだため、地裁に証拠開示命令を申し立てた。地裁は請求を棄却、弁護側が高裁に即時抗告した。
門野裁判長は「検察が開示義務を負うのは原則、手持ち証拠」としつつ、新たに導入された争点整理手続きに触れ「検察の判断のみで開示対象を決めれば重要証拠が開示されず、手続きの目的が達成できない恐れがある」と判断。警察官のメモは開示の必要性が認められ、弊害も考えにくいと結論付けた。【北村和巳】
毎日新聞 2007年12月15日 東京朝刊
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コメント
>今朝の時点の情報と合わせて考えたことは、目撃証言が如何に当てにならないかと言うことだ。事件や事故の当事者は動転しているために記憶が非常に曖昧になる。
うむ、本当にその通りですよね。
(関係ないけど、そのくせ戦争犯罪に関しては「物証はない、けど証言がある」ていつも言ってる気が……)
警察の取調べを可視化するのは、事件について共犯とかがいた場合などの問題もあるでしょうけど、せめて監視カメラを設置、その画像を常に弁護士に提出するくらいはしてもいいでしょうね。
しかしまぁ、今回の事件。
立てこもってる犯人を取り逃がした挙句に、捕まえることも出来ずに自殺されて。
相変わらず警察無能すぎます……
勉強さえ出来れば一気に警部補からというシステム自体が見直されるべきかもしれませんね。
投稿: ROM人 | 2007年12月15日 (土) 21時19分
はっはっはっは!
目撃証言が当てにならないというのは、たしか「革命軍」関係の裁判でも問題になったはず…「火曜サスペンス」の世界じゃないんだから。
ROM人さんへ
>勉強さえ出来れば一気に警部補からというシステム自体が見直されるべきかもしれませんね
警察の能力が向上すれば…の立場上はともかくとして、80年代の後半に、そのような批判をする左翼の本…第三書館ポリスシリーズというのがありました。福島県警の巡査部長が、昇進試験の際に問題を漏らしてもらって「合格」したという話がありましたよ。権力の不当性を打つことについては、共闘できますね。(^^)
投稿: GO | 2007年12月15日 (土) 21時45分
ROM人さん、目撃証言が当てにならないのは事件・事故の直後は動転しているために事態を正確に把握していないというのがあります。時間が経って冷静になってから思い出して改めて記憶した物の中には信憑性が高まる物がありますね。それから忘れようにも忘れられないのが自分が被害者になった場合の記憶でしょう。ですからそんなに矛盾しているとは思いません。
で、警察の「無能」ですが、一般市民の安全を守るためには役に立ちませんが権力者の安全を守るためでしたら非常に有能さを発揮していますね。反戦運動や市民運動への弾圧など、警察の持つ階級的性格を如実に表していると思います。
GOさん、本当に「革命軍」関連の裁判では目撃証言を巡って争われた物が多いですね。富山裁判や迎賓館砲撃事件弾圧など、枚挙にいとまがない。手元に資料の類がないので詳しく書くことが出来ませんでしたが、機会が有ればそう言ったでっち上げ弾圧についても記事にしたい物です。
投稿: アッテンボロー | 2007年12月15日 (土) 22時21分
警官は馬鹿で無能につきとりあえず多数で仕事する、なかなかいいシステムだと思います。(藁)
難しい仕事は後回し簡単な仕事で働いたふり、仕事は与えられるものでなく作り出すものであればこうなるのは必然です。
ただ警察自体にも幹部にも思想性はなく自己保身だけが異常増殖した集団で体制が変わっても上に忠実と思います。
旧共産圏の警察組織も同じだったろうし、その他多くの組織とも共通しているような。
特定の組織に入ってウン10年もすると自分たちだけがすべてと勘違いしないためにも10年ごとに一度は組織を離れて考え直しましょう。
ただし政治組織だけでなく一般企業勤務もそうですが組織を離れるとすべての地位を失います。
投稿: tatu99 | 2007年12月16日 (日) 10時17分
tatu99さん、警察は権力者の腐敗を最も顕著に体現する組織だと思います。ですから旧ソ連などのスターリン主義諸国や日米の警察機構は腐って当然だと思います。体制その物の変革が必要ではないかと思います。
日本でも戦後警職法の前くらいまでは警察も民主的であったようなことを羽仁五郎さんの「自伝的戦後史」で読んだ記憶があります。まだ当時は政府が腐り出す前だったのでしょうね。
投稿: アッテンボロー | 2007年12月16日 (日) 11時43分