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2008年1月31日 (木)

再掲 スターリン主義について

 ここしばらくhiroさんがコメントで中ソのスターリンや毛沢東による虐殺の問題を共産主義そのものの問題ではないかと指摘が有る。正直言ってスターリン主義の問題について人に説明出来るほど僕の理解は深くないのだが、出来る範囲で彼らが共産主義の疎外形態であり、本来の共産主義を裏切る物だと言う事に答えなくてはならないだろう。これから述べるのは中核派の理論を僕が理解した範囲で書いているので、他の党派によるスターリン批判についてはそれぞれの主張を参考にして欲しい。

 スターリン主義とは世界革命の放棄と一国社会主義の絶対化にその正体を見い出すことができる。一、九一七年のロシア革命によって帝国主義の段階から社会主義・共産主義の世界革命の時代への過渡期の扉が切り開かれた。レーニンは当時のーロシアの後進帝国主義的な状態から、ドイツにおける革命が情勢を決定する要因であるとして、その勝利の日まで耐え抜く事を当面の課題として設定した。しかし残念ながら、当時のドイツにおける革命党の不在によってドイツ革命は血の海に静められ、敗北に終わる。レーニンは次の革命情勢まで、世界革命を訴えつつコミンテルンを通じて世界各国に世界革命を目指す党の建設を始める。

 ところがレーニンが健康を害し病床に着くとスターリンが党内で勢力を伸ばし始める。レーニン自身はスターリンのもつ乱暴で強引な手法に危機感を抱き、病の床の中からスターリン追放を訴え、その為にトロツキーが全権を掌握する様に依頼する。残念ながらトロツキーはそれに応える事をせず、スターリン派が党内の実権を握っていく。レーニンの死後、後継者の座を巡り両者は党内を二分する闘争を行う。トロツキーはマルクス・エンゲルス・レーニンの世界革命論を継承する立場から永続革命論を訴え、それに対しスターリンは一国社会主義可能論で応酬すると同時に、党書記長の立場を利用して自己に同調する者のみを抜擢していく。一国社会主義論とはソ連の様な広大な領土と資源を持つ国においては世界革命と切り離されても社会主義の建設が可能であると言う物であった。この主張は世界革命の事業が持つ困難な道に日和見主義的傾向から反対し、ソ連一国のみ無事であれば他国の共産主義運動はソ連防衛のために利用するというきわめて反動的な物であった。残念な事にトロツキーの党内闘争が不徹底であったために左翼反対派は敗北し、スターリンがソ連と国際共産主義運動を完全に支配する。この過程でスターリンが最初にした事はオールドボルシェビキ、つまりレーニンと共に革命の最も困難な時期を闘い抜いた最良の共産党員、革命の生き証人約九〇万人を粛清する事であった。共産主義の変容によって帝国主義を根本から批判する事無く相互に依存する時代となる。

 しかしその中でもハンガリア革命の衝撃、スターリン死後における批判の続出、日本においては日共六全総における暴力革命の放棄、事実上の共産主義との絶縁宣言によって新左翼の運動が始まる。五〇年代半ばの事である。スターリン主義の存在によって第二次世界大戦の過程を世界革命に転化する事が出来なかった事が、帝国主義の延命を許す事になったが、それであってもアジア・アフリカ・中南米における民族解放革命闘争の火を消す事は出来ず、同時に敗戦帝国主義である独・日帝国主義の復興と最新設備による生産力のアメリカ的水準による不均等発展の中でアメリカを中心とする帝国主義世界は大きなきしみを生じてくる。他方スターリン主義においても世界経済から切り離された中で一国社会主義を建設しようとする無謀な試みの中から、根本的な矛盾が拡大してくる。本来の共産主義が持つ、労働者人民の生き生きとしたエネルギーに依拠する事が出来ないで人民を秘密警察で監視・抑圧する事でしか体制を維持することができず、人民の間にはスターリン主義に対する様々な抵抗が巻き起こる。九〇年を前後してスターリン主義の根本的な矛盾が爆発し、ソ連東欧において相次いでスターリン主義が崩壊する。

 スターリン主義の崩壊を資本主義の優位だとして短い春を謳歌した帝国主義においては、スタとの対抗上押さえつけられていた帝国主義同士の矛盾・抗争・対立が表面化してくる。帝国主義は再び三度危機の時代に突入したのである。

 というのが、中核派における「段階・過渡・変容・危機」という現代世界を見る場合の時代認識でありスターリン主義批判の基本です。中核派による共産党批判

 他の党派系列では「旗旗」の草加さんが「日本共産党への批判」という長文のエントリーを載せておられますので、戦旗共産同からの批判として参照してください。少なくとも私より質・量ともに充実しています。

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コメント

 薩摩長州さんの同僚はレーニンその人を知らなかったのですね。確かにそれは凹みますね。高校の世界史で習う筈なんですが・・・
 外部注入論も説得力を持ちますね。

投稿: アッテンボロー | 2008年2月 1日 (金) 22時48分

いいよな~、ドン引きされたりビックリされたり。あるときおいらが仕事なかまにレーニンの話をしたら、レイ人って何人?古代人?そんな国あったっけ~??だもんな。たしかに古代人かもしんないけど。やっぱ外部注入論は正しいよ。

投稿: 薩摩長州 | 2008年2月 1日 (金) 18時37分

 TAMO2さん、それは引かれるのではないでしょうか。私もレーニンを尊敬しているというとビックリする人がいました。

投稿: アッテンボロー | 2008年2月 1日 (金) 14時08分

職場で「ロシアで真実偉大と言えるのはレーニンとドストイエフスキーくらいだ」と言ってドン引きされました(爆)。

投稿: TAMO2 | 2008年2月 1日 (金) 07時29分

  TAMO2さん、文献の紹介どうも有り難うございます。最近中々読書がはかどらないのですが、時間が許せば読んでみたいと思います。
 レーニンも人間ですから、色々迷いや誤りもあったことと思います。でもそれらを含めてレーニンの功績は偉大であったと思う次第です。

投稿: アッテンボロー | 2008年1月31日 (木) 23時18分

未読ですが、岩波書店から『スターリン主義』という本が出ています。このシリーズには、『ロシア革命1900-1927』という本もあります。

後者の読書メモにリンクしておきます。
http://red.ap.teacup.com/tamo2/191.html

なお、スターリンへの道を切り拓いてしまったのは#ロシアが産んだ#レーニンだと小生も思いますが、歴史は逆説に溢れていますからねえ。少なくとも、真っ直ぐな道であったわけではありません。ウヨもサヨも、それが分からない人が多すぎる。

投稿: TAMO2 | 2008年1月31日 (木) 22時05分

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