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2008年9月21日 (日)

'08このままでええの!? 日本と世界 10・19反戦・反貧困・反差別共同行動in京都 <プレ企画> 9/20 反戦・反貧困・反差別

 京都駅前にあるキャンパスプラザ京都に於いて9月20日、10・19国際反戦デー集会の事前企画である集会が開催された。この事前集会は当日一日では到底包摂しきれないほどの運動領域について少しでも取り上げて問題意識を共有しようという物である。また、円山公会堂での本集会に向けた決起集会でもあった。参加者の全てが10月19日円山公会堂へ一人でも多くの仲間を連れて集まろうという決意を固める場であった。集会は100名弱の結集を持って成功裏に開催された。

049  冒頭の司会の挨拶のあと、龍谷大学教授であり弁護士でもあり、JFORジュネーブ国連首席代表である戸塚悦朗さんの講演「『戦後責任を問う』-日本軍『慰安婦』問題-」が行われた。配布された資料では「戦争責任を問う日本軍性奴隷問題立法解決案」と題されていたのであるが、法律学者である立場からの戦時性奴隷(従軍慰安婦)問題についての解決策を国際法に詳しい立場から提起がなされた。

 戦時性奴隷(従軍慰安婦)問題が被害者たちの告発によって問題化された当時、加害者である日本政府・旧軍関係者などはこの問題を単に朝鮮を始めとする国々の女性が日本軍を相手に自発的に売春を行った物であるとして歪曲し逃げ延びようとした。しかし被害者たちの告発が持つ真実の前に第三者の見方・歴史研究は被害者の証言を裏付け日本軍自らが「慰安所」を経営していた事実を明らかにした。国際的にもアメリカやカナダ・EU議会などでこの問題についての日本政府批判の決議が続々と成立し、問題はもはや言い逃れの出来ないことが明白となった。

 ここで問題となったのが国内法の研究・国内法と日本の裁判の欠陥である。国際法の研究者、ICJ・IFOR・JFORなどは国際法に対する重大な違反が有ると認定している。第三者である国連・ILO機関なども重大な違反を認定している。日本の司法の場において戦時性奴隷(従軍慰安婦)の側が敗訴していることと国際社会の判断との大きなずれについての考察がなされた。大きな問題点は日本国憲法の持つ限界点である。日本政府は日本軍関係者に対しては恩給を支給するなどして戦後補償を行ってきたのであるが、諸外国の被害者に対しては殆どといって良いほど保証をしてこなかった。この大きな問題点の出発点が日本国憲法が基本的人権を保障しているのが「国民」に限定されているという限界である。

 現実には現在の日本政府は「国民」に対してすら憲法で保証された諸権利を履行していないのであるが、この事は世界人権宣言の成立以前に日本国憲法が作成され、施行されたという事にある。憲法制定時には全ての人間を対象として権利を保障するという観点が欠けていたと言うことなのである。この問題はまた日本政府が国際連盟を脱退して以降国際法を順守すると言う意識が非常に希薄であることにも関連している。例えば731部隊による細菌戦の人体実験や実践での使用については当時の国際法でも禁じられていたにも拘らず日本軍はそれらを実行したし、またそれについて戦後責任を一切果たしていない。あるいは女性に対する奴隷的労働についても当時の国際法に違反している。最近の事例で見ても子供の権利条約について履行していないなどの事例が沢山ある。

 日本国憲法は第98条2項において国際法の順守を掲げているのであるが、これが守られていない。護憲を唱える人々は9条の問題については声高に遵守を主張するのであるがこの点についても政府に対して順守を求めていかなければならない。対米関係さえよければ他の諸国、とりわけ第二次世界大戦の被害者であるアジア諸国やヨーロッパ諸国はどうでも良いと言う国際感覚の欠如である。だが今日の世界情勢の中で戦後責任を取ろうとしない日本、現在においても在日外国人の諸権利について無権利状態に追いやって恥じ入ることの無い日本の商品に対して不買運動などが焦点となっている。日本がこのまま国際社会で孤立し没落して行くのかどうかという極めて保守的な観点からさえ日本政府の対応はお粗末というしかないのである。

 戦時性奴隷(従軍慰安婦)問題を通じて日本社会が変わらなければならないのは、女性に対する無権利状態が厳然として存在していることである。OECD加盟国の中において男女の賃金格差は減少する一方であるのだが、唯一日本のみが拡大する傾向にある。女性の権利が抑圧されているという現状があるのだ。これと同根の問題が戦時性奴隷(従軍慰安婦)問題にもあるのである。戦時性奴隷(従軍慰安婦)問題を解決に向かわせることで日本において憲法が定めるところの諸権利を国籍を超える国際的人権問題として突破していく糸口がある。戦時性奴隷(従軍慰安婦)問題はパンドラの箱である。この問題を解決しようとすれば日本国憲法のげんかいを乗り超えて世界人権宣言が目指している崇高な理念を具現化していく必要があり、国内の法体系を大きく変えざるを得ない。そしてそうすることで日本国憲法前文に掲げられている「国際社会において名誉ある地位を占めたい」と言う文言が生かされて来るのである。第一歩は衆議院選挙において自公連立政権に終止符を打つことである。

 かなりはしょった要約であるが戸塚悦朗さんの訴える趣旨は纏める事が出来たと思う。

050  休憩を挟んで郵政ユニオンの酒井満さんから非正規労働者を抜きにして立ち行かない郵政四事業の実態と劣悪な労働条件・賃金体系に押し込められているゆうメイトの実態が報告された。一番大きな問題を上げれば契約社員やパート・アルバイトは業績評価や職務行動評価・基礎評価・スキル等でがんじがらめに縛られ、「成績優秀」な極めて少数の人間のみが正社員に登用されるという制度によって職場の不満や問題点について声を上げる事が出来ない状態におかれている事を指摘した。郵便事業会社の春闘回答では2000人を正社員に登用するという物であったが、実際には各種人事評価によって数十人が採用されたに停まっている事が暴露された。

052  すべての外国人労働者とその家族の人権を守る関西ネットワーク(RLNK・リンク)の早崎直美さんからは山梨県で起こっている中国人研修生に対する暴行を伴った国外退去強制問題から始まり、「研修生」と称して来日し、生産現場を支えている外国人労働者の無権利状態についての告発がなされた。山梨の事例は残業手当が350円、月収が5~6万円しかない状態で日本人労働者と全く同じ労働を行いながら劣悪な労働条件ある事に対して、せめて残業手当を引き上げて欲しいと言う極々当たり前の要求に対して暴行・軟禁・入管法による国外退去を含む諸問題が起きた事により中国政府もこの問題について無視する事が出来ない状態になっていると言う事である。これは中国人「研修生」に限らず全ての外国人「研修生」に共通する問題である。また、こういった外国人「研修生」の無権利状態を放置する事で経営者が人権感覚をマヒさせ、日本人に対しても劣悪な労働条件を強制する様な意識になっているとして他人事ではないのである事を訴えられた。

055  青年労働者を組織してフリーターなどの労働条件改善に取り組んでいるユニオンぼちぼちの中村研さんからは若者の労働実態についての報告がなされた。35~45歳の労働者の場合約70万が非正規雇用であるのに対して、20~35の世代では非正規雇用が倍増している。こういった問題は青年労働者が明日の生活にも困窮する状態であり、今月の家賃が払えるの稼働かと言う危機感を持ちながら生活しなければならないと弾劾した。将来など全く希望が持てないのである。秋葉原における無差別殺傷事件はこの様な状況におかれた青年労働者の悲鳴である。そしてこの様な事件を再発させないためにもフリーターの労働条件改善を勝ち取る必要がある。そして他方では正規雇用されている労働者の無権利状態での超長時間労働である。本人は勤務によって平日の昼間しか業務を行っていない行政機関に訴える事が出来ないが、両親などが心配して相談をして来る。過労死しかねない状況でも正社員に縋り付かなければならない。一度退職すれば二度と正社員の道は無いと言う状況に追い詰められている。この問題についても取り組んで解決していきたいとの事であった。

 まとめの提起が行われ、10・19円山公会堂を去年の10・21の1200人を上回る結集で成功させようと結ばれた。

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