10・29日本郵便非正規ユニオン結成総会報告 死ぬな! 辞めるな! 闘おう! 通信 10月31日号
人事交流=強制配転に反対する近畿郵政労働者の会/発行
苦境を生きる当事者の
声に耳を傾けよ!
10月29日に神戸勤労会館にて日本郵政非正規ユニオンが結成され、参加者は百名を超えた。「反対する会」周辺からは非正規労働者を先頭に、12名が参加し、JP労組近畿地方本部の統制策動=「再教育」を弾劾した『死ぬな!辞めるな!闘おう!通信』(10月29日号)を会場内で配付し、これからも可能な範囲で協働しようと訴えた。
TVやラジオの悩み相談では、根本的な解決が語られることはない。特に、経済的な問題ではそうなのだが、悩みというのはすべからく社会的なものであって、しかしTV・ラジオの相談員はそれを個人的な心のありようとか、自分の専門的な知識の狭い範囲でしか考えることができない。そこには問題の本質を構造的に掴む社会性が欠けている。しかし労働組合には「どうしたら」解決できるかというテクニック面だけではなく、「どうして」このような問題が起きるのかという社会的な考察があちこちに見られる。労働組合の歴史を最初のページから通して読もうとすると、多くの場合は中途で投げ出すことになるだろう。語られている悩みはそれぞれ深刻で、暗く、重く、いたたまれなく、地味で、個人的だ。しかし忘れてはならないのは、これらの人々が「人間らしく生きる権利」を持った一個の主権者だということだ。18時30分の定刻に始まった結成総会は、終始、自分の置かれた苦境を語る当事者たち自身の、平易な語り口で進行された。
主催者挨拶は武庫川ユニオン執行委員長が行い、議案提案のはじめに、経緯についての報告があった。郵便事業会社長田支店の「非社員に賃金を支払う予算がないので、現在の一日8時間の雇用契約を、次の10月からの契約では一日6時間雇用にして貰おうと考えています」と突然知った時の衝撃を語る言葉で始まり、かれらの直面する困難の大きさが伝わってくるようだった。次いで、日本郵政非正規ユニオンの活動方針案及び支部三役の選出及び決意表明が行われた。会社はコスト削減・効率性の追求で利潤を拡大し、利潤至上主義であることを看破した。そして資本のやりたい放題を制約する労基法や団体協約を踏みつぶそうとするのが新自由主義であり、労働組合の組織的抵抗だけが歯止めとなり、これがなければ資本に隷属するしかないとして、労働組合武庫川ユニオン長田郵便分会の闘いの正当性が訴えられた。ここに非正規労働者独自の労働組合が結成されたこと、これに危感を募らせた資本郵政という階級構図のもとで、こういう形態を取って闘いが始まった。
10・29日本郵政非正規ユニオンの結成総会には、非正規労働者がその労働者性を獲得していく過程が刻まれているのだが、それらはすべて「労働者である」という宣言と、それに基づき団体交渉を果敢に実行したことから始まったのだという事実が示されている。徐々にではあるが、確かに、階級闘争は変容しつつある。結成総会の主催者挨拶は、「声をあげ始めた昨今の青年労働者の態様は、小林多喜二の『蟹工船』に描かれている労働境遇と重ね合わせているだけではないと思える。」とそのことを強調した。去年から今年にかけて、いろんな形で労働者人民の不満が表面に出てくるようになっている。はっきりした矛盾として現れている。いままでは報道管制を敷いていたが、もう止めようもないくらいはっきりした形で出てきている。結成総会の諸報告は、すでに開始されている来たるべき全国闘争への教訓を引き出すために、全国の職場活動家が取り掛かっている作業のひとつであるといっていい。現場活動家が総括し始めたこのような作業は、これからわれわれが郵政戦線の諸問題を考えていくうえで貴重な材料を提供してくれている。それらはまだ素描の形ではあるが、全体として一定の方向性は与えられているといっていい。しかしまた、それを圧殺しようとする敵の側も、総力をあげて襲い掛かってくる。たとえば、関西トランスポート分会への解雇攻撃等を見ればそれはわかる。関西トランスポート分会によって取り組み始められた闘争形態・ストライキの課題の解明の仕事もまだ端緒に着いたばかりであり、冒頭に触れたように、まだ一定の方向が与えられたに過ぎない。こうした労働者階級の共同闘争の気運が、日本資本主義の直面している危機のなかで、資本の側から掛けられてくる攻撃、生活の破壊、諸権利の制限・侵害等に対する、労働者人民の反撃を通じて作りだされてきたという点である。10・29日本郵便非正規ユニオン結成総会のなかで、触発されたところを以上整理してみた。
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コメント
> TVやラジオの悩み相談では……問題の本質を構造的に掴む社会性が欠けている。
悩み相談だけではなく、民衆一般の考え方に、個人の自業自得論としての「自己責任」なる言葉が、際限なくまかり通っている。ここに、社会意識の欠落が助長されている。
また、敗者が必要な椅子取りゲームの構造を理解した時点で、自分だけは勝者になろうとする考えを助長する「勝ち組負け組」の言葉。ここに努力や向上心が結びついて、必要なものとして安易に正当化される。
私たちは心の底から嫌悪する。
> 非正規労働者がその労働者性を獲得していく過程
これが社会意識の獲得なのであり、労働運動のもつ自己変革の力なのである。
この労働運動を推進する労組は、この自己変革へ向けてのプログラムを自然の成り行きにまかせるのではなく、行動とともに個人意識の変化を見据えて社会的意味づけを提供し続けなければならない。
日本郵便非正規ユニオン結成を祝福します。
投稿: トチロー | 2008年11月 3日 (月) 12時47分
トチローさん、実際に「相談員」となっている人間は資本主義社会での「成功者」ですから、自分が努力のみの結果で地位と財産を築いたと思いこんでいますからそれを押し付けて「自己責任」とするのでしょうね。まさにブルジョアイデオロギーを一般大衆にすり込むための機能を果たしていると言えるでしょう。
日本郵政非正規ユニオンはJP労組の中で「お客さん」として扱われることを良しとせず、自らの力で権利や労働条件を守り獲得しようと決意した人たちの集まりです。社会を構造その物の中に貧困を必要とし、それを生み出し、拡大固定化しようとする支配階級の意図があることに気づいた人たちです。きっと郵政職場の二十数万の非正規労働者達もその事に気づいて闘いに続くと信じています。
投稿: アッテンボロー | 2008年11月 3日 (月) 21時20分