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2011年3月17日 (木)

東電は原発被害を補償しない!!

原子力損害賠償法

原子力発電、原子燃料製造、再処理など原子力施設の運転中に発生した事故により原子力損害を受けた被害者を救済するため、1961年に原子力損害賠償法(原賠法)が定められています。原子力損害賠償法では以下のことが定められています。

原子力事業者に無過失・無限の賠償責任を課すとともに、その責任を原子力事業者とする。
賠償責任の履行を迅速かつ確実にするため、原子力事業者に対して原子力損害賠償責任保険への加入等の損害賠償措置を講じることを義務付ける。(賠償措置額は原子炉の運転等の種類により異なりますが、通常の商業規模の原子炉の場合の賠償措置額は現在1200億円)
賠償措置額を超える原子力損害が発生した場合に、国が原子力事業者に必要な援助を行うことを可能とすることにより被害者救済に遺漏がないよう措置する。

原子力損害賠償制度 原子力災害は、天災や社会的動乱の場合を除いて、原子力事業者に損害賠償の責任があります。電力会社は「原子力損害賠償責任保険」を保険会社と結び、また、国と「原子力損害賠償補償契約」を結ぶことになっています。事業者の責任が免ぜられた損害や保険限度額を超えた場合は、国が被害者の保護のために必要な措置をとることになっており、事業者と国が一体となって原子力損害の填補を行うようになっています。

賠償措置額については、2009年(平成21年)の原賠法の改正により、現在1サイトあたり最高1200億円となり、適用期間が10年間(2019年末まで)に延長されました。

以上電気事業連合会サイトよりhttp://www.fepc.or.jp/present/safety/saigai/songaibaishou/index.html

 先日生命保険・損害保険の免責条項についての記事を掲載したのだが、今日はなゆーさんが紹介されていた原子力損害賠償法によると、今回の福島原発による核被害・原発災害・放射能汚染については「天災や社会的動乱」という免責条項が適用されるのではないかという可能性が大きくなってきた。

 民間生保は今回の東日本大震災について免責条項を適用しないで保証すると表明している。「全ての生命保険会社、地震による免責条項等の不適用を決定
平成23年3月15日

 今回の東北地方太平洋沖地震により被災された皆さまに心よりお見舞い申し上げます。
 各生命保険会社では、被災されたお客様のご契約については、地震による免責条項等は適用せず、災害関係保険金・給付金の全額をお支払いすることを決定いたしましたのでお知らせいたします。

(※) 一般的に、災害関係特約については約款上に、地震等による災害関係保険金・給付金を削減したり支払わない場合がある旨規定されていますが、今回はこれを適用せず災害関係保険金・給付金を全額お支払いすることを全ての生命保険会社から確認しております。」(社団法人生命保険協会加盟全社=日本で営業している生命保険会社全てhttp://www.seiho.or.jp/data/news/h22/20110315-1.html)が、寡聞にして損害保険の分野ではそのような会社を見かけない。そして「原子力損害賠償責任保険」は読んで字のごとく損害保険の分野に属する。「マイコミジャーナル」http://journal.mycom.co.jp/news/2011/03/15/032/によると「各損害保険会社も今回の地震に関する顧客対応策を発表。このうち三井住友海上火災保険では、被災者に対して2カ月間の「継続契約の締結手続きの猶予」ならびに『保険料の支払いの猶予』の特別措置を実施するとしている。」とあるのだが、これは保険料引き落としが遅れても失効になるのを猶予するということであって保険金を支払うという表明ではない。

 社団法人日本損害保険協会のサイトでは本日22時現在保険金の支払いについては地震保険の支払いを迅速にすると言うことと、それ以外の保険ではケースによっては支払い対象になるかもしれませんという表明だけしか存在しない。以下は11日付損保協会の周知事項。
「東北地方太平洋沖地震に関する損保業界の対応について【No.10-029】(2011.3.11)
 このたびの東北地方太平洋沖地震により、被災された方々に心からお見舞い申し上げます。
 社団法人 日本損害保険協会(会長 鈴木 久仁)では、「大規模地震災害中央対策本部」を当協会本部(東京都千代田区)に設置して、万全の体制で対応にあたっています。地震保険に関する不明な点等につきましては、相談窓口までお問い合わせください。
(相談窓口)
社団法人 日本損害保険協会
 ○そんがいほけん相談室  フリーダイヤル  0120-107808
 携帯・PHSからは  03-3255-1306
 損害保険各社では、地震保険をご契約されている建物または家財について、損害の程度に応じた保険金の迅速なお支払いに努めてまいります。

 なお、地震保険以外の損害保険(自動車保険、傷害保険、医療保険など)につきましては、補償条件次第では、地震による損害が補償される場合があります

 詳細については、ご契約の損害保険代理店または損害保険会社にお問い合わせください。」http://www.sonpo.or.jp/news/release/2011/1103_04.html

協会長ステートメント 会長 鈴木 久仁(2011.3.17)http://www.sonpo.or.jp/news/release/2011/1103_05.htmlでも支払いについては地震保険の対応と地震保険については政府に再保険をかけているので支払いについては心配いらないというものである。要するに地震保険に関してだけは政府が税金で支払ってくれますと言うこと以上は何も言っていない。「会員各社はいずれも、通常の保険金支払いに充当する責任準備金に加え、巨大災害に備えた異常危険準備金を積み立てております。また、今回の我が国の危機に際し、世界各国から心強い支援の申し出が相次いだように、損害保険の世界においても、各国が「再保険」という形態でグローバルにリスクを負担し、支えあう仕組みが存在しております。これらを反映し、支払い余力を示す指標であるソルベンシー・マージン比率も十分な水準が確保されております。

 さらに、我が国の地震リスクは極めて巨大であり、民間保険会社だけでは引き受けることが困難であるため、政府が「再保険」により引き受けを行っております。従いまして、保険金のお支払いが滞るようなことはもとより、損害保険会社の健全性が損なわれることは、決してございません。どうか、ご安心いただきますようお願い申し上げます。」

 同じく17日付の広報では「被災者への継続手続き・保険料払い込みの猶予について(2011.3.17)http://www.sonpo.or.jp/news/information/2011/1103_05.html
東北地方太平洋沖地震およびその後断続的に発生した地震により被災された皆様へ

 このたびの地震により被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。
 各損害保険会社では、被災者の皆様のご契約について、東北地方太平洋沖地震発生日以降、お客様保護の観点から、お客様の罹災の状況に応じ、以下の対応(特別措置)を行うこととしておりますので、お知らせいたします。
 なお、対応(特別措置)の詳細については、各社の窓口にてお問い合わせください。
 *東北地方太平洋沖地震には、これに伴う福島第一原発事故を含みます。

1.継続契約の締結手続き猶予
 継続契約の締結手続きについて、最長6か月間、猶予できるものとします。
2.保険料の払い込み猶予
 保険料の払い込みについて、最長6か月間、猶予できるものとします。
 ※猶予期間については、状況に応じて各社において延長することがあります。」と非常に素っ気ない。

 何度か阪神淡路大震災に関連した記事で述べたが、生命保険の分野では国営時代の簡易保険が多数存在している間は免責条項が適用される可能性は低い。しかし損害保険の分野はそうではない。損害保険会社各社が保険金を支払うように世論形成をはかる必要を痛切に感じる。

【追記】プレカリアートさんのブログ「アフガン・イラク・北朝鮮と日本」に転載されていた「原発「安全神話」の崩壊と新たなヒバクシャの発生に対する日本反核法律家協会の見解」http://blog.goo.ne.jp/afghan_iraq_nk/e/158b1ee6f3bc83c5b92f95e8d4784b0a?fm=rssで原子力損害賠償法について触れていたのでリンクしておきます。元のサイトはhttp://www.hankaku-j.org/data/jalana/npt_012.html

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コメント

斜陽の企業とは違い、電力会社は最も手堅い事業体だと思います。電力会社の100%過失と解釈して、電力会社の保険額以外に一兆円規模の補償になるとしても国から低金利(例0.5%程度)で借りることができれば、毎月15億円程度の返済能力があれば、金利の例で約60年で完済できます。極端な話では100年ローンでもいいと思いますが、実現性は乏しいのでしょうか。原発全体で国に支払う金額をそのレベル以上にできないのでしょうか。

投稿: 税金主体でない補償の仕方は? | 2011年10月12日 (水) 22時42分

 このコメントに関しては ROM人さんに同意します。

投稿: アッテンボロー | 2011年3月18日 (金) 23時12分

 そりゃそうだ。日本は法治国家だからな。だが法律が無くても損害賠償は請求できる。
 でも法律上殺意が無いんだから殺人罪ではなく業務上過失致死になる。東電幹部は資産を取られる以外は、かるーい禁錮で済むんだろうね。


 革命家を気取りたくないが、東電の幹部連中を皆殺しに出来ないなら、武力を持って新しい法律を作っても良いと思う。

投稿: ROM人 | 2011年3月18日 (金) 18時20分

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