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2011年4月 2日 (土)

「国家と革命」

 先日ブログのコメントへの返事にマルクスの言葉を引用したのだが、実は「宣言」が手元になかったのでレーニン「国家と革命」(岩波文庫1983年の第30刷)からの孫引きであった。小泉政権の「改革」路線の下で新自由主義政策の必然的結果である格差社会深刻化という時期になっても実は「国家と革命」は絶版となったままである。これは「左翼出版社」の岩波書店のみならず、共産党が経営する新日本出版社版、国民文庫版も同様である。まして角川書店版など・・・

 マルクスの資本論については去年NHKが四回連続の番組で取り上げることが有ったが、結論は共産主義社会を遙か未来のものとして彼岸に追いやるという点で事実上共産主義を否定するものであった。

「国家と革命」第一章階級社会と国家  一 階級対立の非和解性の産物としての国家

「マルクスの学説については、いまや、革命的思想家や解放闘争をおこなっている被抑圧階級の指導者たちの学説について歴史上たびたびおこったことがおこっている。抑圧階級は、偉大な革命家たちの生前には、彼らに不断の迫害をもってむくい、その学説を野蛮きわまる敵意、狂暴あくなき憎悪、虚構と中傷との乱暴きわまる攻撃をもってむかえた。彼らの死後には、被抑圧階級を『慰め』、瞞着するために、彼らを無害の聖像にかえ、彼らをいわば聖列にくわえ、彼らの名前に特定の栄誉をあたえると同時に、他方では革命的学説の内容を去勢し、その革命的な切っ先をにぶらせ、それを卑俗化しようとする企てがなされる。マルクス主義のこのような『改作』に、いまや、ブルジョアジーと労働運動内部の日和見主義者とが一致協力している。彼らは学説の革命的な側面、その革命的精神を忘れ、押しのけ、歪曲している。そしてブルジョアジーにうけいれられるもの、もしくはうけいれられると思われるものが前面におしだされ、礼賛されている。今日では、社会排外主義者はみな『マルクス主義者』である」

「このような事態のもとで、マルクス主義の歪曲が前代未聞にひろがっているときにあたんて、われわれの任務は、なによりもまず、マルクスの真の国家学説を復興することである。このためには、マルクスおよびエンゲルス自身の著作から、いくたの長い引用をする必要がある」

 ずっと以前にも「国家と革命」の冒頭部分を引用した記事を書いたことがある。なるほどマルクスの「資本論」は資本主義社会の基本矛盾を説き明かす学説として再評価されている。だが、国家論・革命論についてはどうであろうか? フランス三部作に於いて史上初の労働者権力であったパリコンミューンの教訓を徹底的に引き出し、分析し、共産主義者が目指すべき将来の社会像の雛型を解き明かしていることを誰が触れるだろうか。

 このことはレーニンについても「国家と革命」を絶版のまま復刊しないという手法で岩波書店などの論壇「左翼」や共産主義運動の疎外体であり変質形態である日本「共産」党などのスターリン主義が行っている共産主義の歪曲・否定である。たとえば北朝鮮スターリン主義に於いては金日成が作り上げた「主体思想」なるものによって共産主義を「のりこえた」と表明している。スターリンその人は「マルクス・レーニン主義の基礎」をもってマルクス・エンゲルス・レーニンの革命理論を否定した。宮本賢治・不破哲三・志位和夫と言った歴代党首もまた熱心に共産主義の革命的側面を否定し続けている。不破が延々と執筆している「レーニンと『資本論』」も何冊か読んだが、基本的にはレーニンの時代では適用できたが現代日本ではレーニンは通用しないという趣旨の共産主義否定文献となっている。(わざわざ共産党の事務所まで行って購入したが、日本「共産」党が共産主義を捨て去った党であると言うことを再確認しただけに終わった)

 さてネット右翼や我がブログの常連投稿者であるROM人さんなどは民主党政権を「左翼」だと思い込んで左翼批判の題材にするのであるが、僕自身はただの一度も民主党を「」左翼だ」等といった覚えはない。むしろ労働者党ではないとして批判してきたし、「敵の敵は味方」と言うことで自民党の勢力を削ぐために一時的に「共闘」した程度にしか思っていない。古巣の革共同もその分派である革共同再建協議会も民主党政権打倒を掲げているし、僕はその主張を支持する。

 マルクスは選挙制度というものについて辛辣な表現をしている。選挙というものは数年に一度支配階級の内部でどの勢力が権力を握るかを競い合う茶番に過ぎないと言うことである。そして労働者階級の成熟度を測るバロメーター以上でもなければ以下でもないと明言している。レーニンがロシア革命におけるボルシェヴィキの国会議員団の意義を合法的に共産主義思想を宣伝扇動する手段としか認めていなかったことと全く同じである。日本「共産」党が主張する「議会主義革命」だの「敵の出方論」などは民衆を、労働者階級人民を欺瞞する主張に過ぎない。まして「二段階革命論」などは論外の噴飯ものである。

 今現在の政界に於いては自民党清和政策研究会(旧福田派であり小泉純一郎の所属派閥)から、自民党木曜会(旧田中派)の分派である小沢グループと反共労働運動団体同盟を支持基盤とするである民社党・社会党から社会排外主義に転落した横道や、それ以前から自民党との連立を目標としていた構造改革派の旧社民連の菅直人らの寄り合い所帯である民主党が政治権力を握ったに過ぎない。経済界で言えば三菱財閥に対抗するために三井財閥と住友財閥とが連合して三井住友フィナンシャルグループを作ったと言うことだ。

 官僚機構は自民党政権時代のまま温存され、ブルジョアジーの間での力関係が変わっただけに過ぎない。

 延々と書き連ねてきたが、結局言いたいことは民主党政権は保守反動政権であり、そこから福島原発大災害についての反人民敵対応が必然的に出てくると言うことである。

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コメント

おっと失礼。
アッテンボローさんは参政権については反対でしたね。


ぶっちゃけ卵やラーメンの値段なんてどうでも良いんですけどね。
貴方ではなく、マスゴミをどうにかしない限り、この国はあいつらに牛耳られたままです。
日本人が自分で考えないのは、彼らが情報を与えないから。
自民や民主といった政権を変えるよりも、欧州のようにしっかりしたメディアを作ることこそ、日本を生まれ変わるようにする第一歩だと思います。

投稿: ROM人 | 2011年4月 5日 (火) 23時55分

 あれ?  ROM人さん僕が外国人参政権に賛成した事って有りましたっけ?

 基本的に在日朝鮮人や中国人と言った人々を日帝の侵略政策に動員していく手段だとして反対の立場なんですが・・・

 それから、mixiの日記だったかも知れないんですが、鳩山前総理は卵の一般価格を知らないことを批判したんですけどね。ブログより手軽なんでそちらでの記事が最近増えています。

投稿: アッテンボロー | 2011年4月 5日 (火) 22時29分

今回の事に責任を感じないようじゃぁ、政治家に責任を取れ!と言える立場じゃなくなりますよw
責任とは思想や信念とは関係なく「自己の行動が原因で引き起こされたこと」について発生するものですから。

>むしろ能面のような人間の方が怖い。
少なくとも感情<論理の人でなければならないでしょう。
個人的にはオーベルシュタインのような人こそが、人の頂点に立つべきだと思っています。

>「国家」と言う形態を取るブルジョア支配社会を否定しています。
ならば社会構造に関して言及すれば良いことであり、日本軍のネタを現在の価値観で論ずることはナンセンスでしょう。
当時は当時の価値観があり、今は今の価値観があるわけですから。
同時に「外患」でないのならば、少なくともそれに対する対応策を提示すべきでしょう。
欧州では移民政策を行って、悉く取り返しのつかない問題に発展しているのですから。
それをさらに強化したような外国人参政権など、将来にイスラエル・パレスチナの問題以上に禍根を残すのは目に見えています。


>自民党や民主党の行っている政治は衆愚政治そのものですよ。
自民も民主も政治政党であり、同時に最低限の情報公開は行っています。
衆愚政治の根幹はマスゴミです。
あいつらの「報道しない自由」こそが最大のガンです。
実際、麻生総理を「漢字が読めない」とか「カップラーメンの値段を知らない」という事で騒いでおきながら、民主党の数えきれないほどの問題発言は完全にスルー状態ですし。

投稿: ROM人 | 2011年4月 4日 (月) 08時07分

 ROM人さん、僕が責任を信じるとしたら未だに革命に勝利できていないこととか、国鉄決戦の敗北、郵政民営化攻撃を阻止できなかった事などですね。少なくとも革命党の指導下でそのために闘ってきたのだから。

 感情論って人にもよるでしょう。むしろ能面のような人間の方が怖い。

「反日」とか「外患」ってそもそも共産主義者は世界中の労働者階級の団結・連帯を主張しているわけで、「国家」と言う形態を取るブルジョア支配社会を否定しています。

「エリート思想」は有る点では否定できませんね。「前衛党」って名乗る以上は。でも自民党や民主党の行っている政治は衆愚政治そのものですよ。

「ダブルスタンダード」左右のどちらにもいますね。基準としては革命的左翼は日本人や日本人が行った侵略行為についての反省と自責の念を強く感じている。右翼は「被害者意識」が強くて侵略戦争に動員されやすい。

投稿: アッテンボロー | 2011年4月 3日 (日) 22時16分

>民主党政権を「左翼」だと思い込んで左翼批判の題材にするので

「左翼」じゃない「サヨク」です。(時々変換ミスしてるけど)
左翼はただの思想集団。別に思想的に問題じゃないし、理解できる面もかなりあります。

一方日本の「サヨク」はソ連とかそっち系。

・責任感の欠如
 手段として民主党を当選させておきながら「民主党に期待なんてしてません(キリッ」

・感情論
 理論など全くない感情丸出しの発言。理屈で責められると、最終的には相手の人格攻撃に入る。

・反日思想
 歴史を捏造してまで日本は戦争で残酷だと言いたがる。強制連行、慰安婦の嘘がばれても、前述のように間違いを認めたことが一度も無い。

・外患
 何故か外国人の味方をして、日本人を貶す。外国人参政権とか、自衛隊解散とか、亡国思想が大好き。

・エリート思想
 民主主義を唱えながら「国民は愚民だから、俺達が導くんだ」などと、実際は国民を見下している。

・ダブルスタンダード
 「(自衛隊を合法化できる)憲法改正できる国民投票法案なんて許せない!」と言いつつ「憲法で定められてるけど天皇は廃止すべき!」と唱える。
 他にも「南京大虐殺」については騒ぐくせに「通州事件」「尼港事件」については何も言わなかったり「日本が悪い」などと意味不明な発言。


まぁこれは右翼側にもいますけどね。
少なくとも感情的になり、自省ができない人のことを指すかと。

投稿: ROM人 | 2011年4月 3日 (日) 10時21分

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