地元ネタ

2009年8月18日 (火)

「御所の票はアテにしない」by奥野信亮

 近く行われる第45回衆議院選挙を巡って、いつのどの会議・会合での発言であるかまでは特定出来ていないのであるが、奥野会(奥野誠亮・信亮後援会の通称)で掲題の発言が為されたという。十数名の奥野会会員・元会員から聞いたので御所市においては相当広く知れ渡っている事実である様だ。ある元自民党員は「御所の票をアテにしないやなくてアテに出来んの間違いやろ」と吐き捨てた。実際、奥野信亮は05年の「郵政選挙」の際には選挙本部・事務所を地元の御所市ではなく香芝市に設置した。今回の選挙では大和高田市に設けている。前回選挙の際、御所市での得票は民主党候補にダブルスコアの大勝をしているのであるが、今回はその地盤が完全に崩壊している。

 元々御所市というのは信亮の父親誠亮の出身地で、1987年(昭和62年)竹下内閣国土庁長官時代に「あの当時日本に侵略の意図は無かった」等と日中戦争が侵略戦争であることを否定するなどの妄言を吐き長官職を辞任せざるを得なくなったのであるが、それでも地元の人々は誠亮を支持してきた。しかもこの誠亮は地元への利益誘導は極一部の人々にだけしか持ってこなかった様で、自民党議員にしては珍しく銭金ではなく「思想」で大衆を組織している、敵ながら天晴れな爺と言う印象があった。御所の庶民は「奥野さんは御所に何も持って来て呉なんだ」と言うほどで、時折服部安司(元衆院議員・参院議員で服部服部三男雄前参院議員の父親)が郵政大臣であった時に、地盤の北葛城郡河合町に京都伏見から近畿郵政研修所を移設させたこととの比較が為されたりした。誠亮というのは奈良県第二の名門校である旧制畝傍中学から一高をへて東京帝大に進学し、戦前は内務省官僚として特高警察課長を務めるなどの極右反動思想の持ち主である。

 で、まあ、このお江戸育ちの二代目さんは基本的に御所とは無縁の人生を送ってきたのである。日産自動車に入社し、系列会社で社長などを歴任したのも誠亮とのパイプを繋ぎたかった日産首脳部の思惑と言われるほど親の七光りで人生を渡ってきたオッサンである。しかも03年の衆院選挙で当時60才にして世襲議員として立候補した際の売り文句が「企業経営者の感覚を国会へ」であった。96年日産自動車取締役、99年日産グループのバンテック社長、03年バンテックホールディングス社長という時期、日産はカルロス・ゴーン体制の下で大量の首切り合理化を行い会社に忠誠を尽くしてきた労働者数万人を弊履のごとく捨て去っていた時期である。つまり小泉「構造改革」の下での庶民切り捨て・「格差社会」拡大に格好の人材であった。06年にはバンテックホールディングス取締役に選出されているので日産との関係は国会議員となった今現在でも切れていない。

 御所の或飲食店経営者は「あいつアホや」と公言した。03年に東京育ちの「若殿様」が初めてお国入りし、地元のアザレアホールでお目見えの行事を行った時のことをこう述懐している。「初めての選挙やのに、普通は行儀良う座ってなアカンのに、あいつは足広げてふんぞり返ってた。」またある人は一昨年の御所市長選挙を巡る確執で一気に見放されたとも述べている。御所市では07年に市長選挙と市議補選とが同日投票で行われているのであるが、市長前職が引退の意を表明しているにも拘わらず続投を要請し続け、結局翻意させることが出来ずに新人同士の対決となった。信亮が推したのは現市長であるが、対立候補は奥野家の国家老とも言うべき重鎮である。自民系同士の泥仕合の結果、市長選では信亮が推した現市長が勝利したが、市議補選では民主党新人が信亮の推した自民系新人に圧勝した。そしてこの選挙が奥野会に深刻な分裂をもたらした。信亮・現市長ラインと対立候補系とで真っ二つに割れたのである。しかも約400人いた御所市内の自民党員が今現在では90名程度と約5分の一に激減した。

 奥野が出馬する奈良県第三選挙区は香芝市・葛城市・御所市・大和高田市および北葛城郡王寺町・上牧町・河合町・広陵町・三郷町から成るのだが、市長・町長の中で奥野支持を明確にしているのは大和高田市長唯一人である。御所市長ですら態度を表明出来ないほど信亮の旗色が悪いのだ。大和高田市とはどの様な町か、以前地元ネタの第一として「ドッジボール大会」という記事を書いたのだが、ハッキリ言って中曽根行革による電電公社(現NTT)・専売公社(現JT)・国鉄(現JR)の民営化によって寂れた町である。実は御所市も同様で、電電公社の営業所は廃止・保守部門は奈良市に集約、国鉄の駅は要員削減され、今現在はシルバー人材センターに駅業務を委託しているのが二駅で後は無人駅が二つ。電電公社・専売公社・国鉄の民営化に国会で賛成投票したのは先代の誠亮、郵政民営化に賛成投票したのは信亮である。御所も大和高田も、奥野親子によって寂れたと言っても過言ではない。この様な人物がホームページで「7つの約束」の④として「地域の生活を守り、地方の特色を生かす、地方が主役の地方分権を推進します。」と書いて果たして信用出来るであろうか?

 「奥野を落とせ!!」 これが民意である。

 そうそう、書き忘れたが誠亮・信亮の親子間でも諍いがある。息子の旗色悪しと判断した誠亮が、地道に後援会会員を回って信亮支持を要請しているらしいが、それに対して信亮は「余計なことをするな」と文句を言ったそうである。「親の心子知らず」の典型であろう。親子間でも相争い、後援会も真っ二つ。奥野信亮に未来はない。

| | コメント (62) | トラックバック (23)

2009年5月 2日 (土)

お好み焼き おけいちゃん

 御所市で最も繁盛しているお好みやさんが御所市竹田60の7にある。地図を掲載するスキルがないので省略するが、御所市栄町交差点か葛城公園でGoogle検索すれば地図が出てくるはずだ。実はこの店、御所郵便局が栄町71の3に有るため郵便局員の溜まり場だった時期がある。何故過去形なのかというと、今では郵政民営化の流れの中で食べに行くことすら出来ない現状があるからだ。1989年4月の開店以来、美味しいために大変繁盛しているのだが、局から歩いて1分と掛からない近距離だから局員が昼の休憩時間や勤務終了後にたむろしていた。拘束時間が8時間45分であるため、7時出勤の人間が4時頃から、8時出勤の郵便外務は5時頃、8時半からの貯金・保険・総務の人間は5時半頃から、次々に足を運んだ。貯金・保険の外務員の場合は昼時の集金やお客さんとの商談で食事が1時であったり2時であったりするし、郵便課や貯金保険課内勤の休憩は担務によって10時であったり3時頃であったりするから、店が開いている間中郵便局員の姿があった。

 それが一変したのが96年であったか97年であったかに開始された人事交流という名の強制反転による組合つぶしの攻撃の結果だ。それまで現場の局員というのは本人が希望するか、所属局が統廃合で無くなるかでもしない限り採用から定年退職まで長い人間なら40年以上同じ局にいた。職場の長老だから、1~3年の定期異動で居なくなる管理職より発言力がある。こういった人たちが全逓の主要な役員を占めていた。集配などは体力的に若い者の方が仕事が早い場合があるので、時々年功賃金に不満が出るのだが、先輩達はその分良く奢ってくれた。春と秋の移動で同一局所に5年以上在籍している職員を対象にして一回あたり職場の人員の5%を入れ替え、5年で総入れ替えするというのが郵政当局の方針だ。配転の対象となったのは30代後半から50代前半のベテラン達。奢ってくれる人がいないから自然とおけいちゃんに足を運ぶ回数が減る。追い打ちを掛けたのが飲酒運転の罰則強化。バッシングの中で公務員は懲戒免職が当たり前となる。今は昼休みに食事に出る際にも制服を着て局外に出ることが禁じられているため、着替えるのが面倒くさくてみんな仕出しの弁当か自宅から弁当持参になってしまった。局の近隣の飲食店は売り上げが激減した。昔はどの店も局のお得意さんだったが、今は違う。

 別におけいちゃんは局員だけで保っていたわけではなくて、美味しいとの評判を聞きつけて香芝市や五條市からもわざわざ食べにやってくるお客さんが居る。いつのことであったか地方紙の奈良新聞にも取り上げられたので結構有名だ。私がいつも注文するのはモダン焼き。焼きそばをお好み焼きの生地でくるんだボリュームたっぷりの一品だ。仕事帰りは慎んでいるが、休日に家族で出かける時は妻がハンドルを握るので遠慮せずに生ビールを頼むことが出来る。ささやかな贅沢だ。奈良に来ることが有れば、是非とも一度は足を運んで欲しいおすすめの店だ。

営業時間 午前11時から午後7時
定休日  月曜日
場所   近鉄御所駅から徒歩約7~8分もしくはJR御所駅から徒歩約5分。御所市竹田60の7(電話0745-65-0730)

| | コメント (2) | トラックバック (3)

2009年4月29日 (水)

ドッジボール大会

 久々のオリジナル記事。しかも家族ネタを書く元気が出てきた。元気と言うより余裕と言えるかも知れない。

331_2  先日26日の日曜日、息子の勇樹(仮名)が通う小学校区内の子供会が協力してドッジボール大会が有り、朝から付き添ってきた。早起きは三文の得と言うが、珍しい人を見ることが出来た。元モーニング娘、加護あいの母親を間近に見ることが出来たのだ。何度も離婚と再婚を繰り返しているだけあって確かに美人だ。肖像権の関係があるだろうから掲載は自粛するが、さも有りなんと言えるだろう。今年からPTA会長に就任したそうで、何でも会合の席で「一年で終わる気はありません」と発言したと聞く。いずれは市会議員にでも立候補するのかも知れない。

 加護あいは何人か前の夫との間の子供らしくて、隣の小学校を卒業している。数年前までは父方の親族が経営する加護運輸という会社のトラックにデカデカとイラストが描かれていた。既に潰れてしまったそうで、今は見ることが出来ない。今でも近所のガソリンスタンドには加護あいの超巨大なポスター貼ってある。05年9月11日の郵政選挙であったか、別の国政選挙であったか、つんくと現役のモーニング娘とが奈良市内で公明党の候補者の選挙を応援していたから、腐った卵でもぶつけてやろうかと思ったことが有るので、思想背景の分からない現時点では庶民の生活破壊に手を貸すおそれがあるから支持する気はない。

347_3  肝心の大会は勇樹の所属するチームは一回戦で敗退してしまった。寂れた町の小さな小学校ではあるが、それでも150人くらいの小学生が参加し、数多くの父兄が見物していた。大阪への通勤圏内に有るのでそれなりに人口は有るが、数十年前は「商都」とまで言われていて商店街は通行に苦労するほど栄えていたらしい。85年の電電公社民営化によってNTTの営業所が無くなり、87年の国鉄分割民営化で高田駅の人員は減った。走る電車はワンマンカーとなり、駅が近づくとキンキンと音がする。ATSとか言う列車自動制御装置が危険信号を出しているのだ。運行速度が遅いので尼崎のような脱線事故は無いと思いたいが、出来るだけJRには乗らないことにしている。20年来の郵政民営化攻撃によって郵便局は常勤が非常勤に置き換えられ、ついに05年の郵政選挙で民営化決定、07年民営化スタートだ。今では郵便局会社・郵便事業会社(郵便屋さん)は過半数が非正規社員。地元に落ちる金は激減した。ユニチカの工場の跡地にはユニチカオークタウンというショッピングセンターがあり、数年前まではダイエーが入居していたが、経営不振のために撤退しライフが入った。近鉄大和高田の駅前には高田シネマ、近鉄高田市駅のそばには高田大劇という映画館もあったが、隣町にジャスコがダイアモンドシティーアルルを作りシネコンが入居したために潰れてしまった。どちらの映画館も歩いて行ける距離だったので重宝していた。

 シネマでは妻と二人「踊る大捜査線」「TRY」を見たり家族揃って「犬夜叉」「ワンピース」「デジモン」などの劇場版、息子を連れて仮面ライダーや戦隊ヒーローの映画を見た。大劇では「橋のない川」を長女を妊娠中の妻と二人で見たのがきっかけで「ドラえもん」・ゴジラ・「とっとこハム太郎」ハリーポッターシリーズなどを見た。今は映画を見るには橿原市に二つあるシネコンまで車で行くか、阿倍野か難波まで電車で出るしかない。

 次女が通う中学は元々高田市駅前に有り、地域振興策としてSATYが建てられた。近くにはイズミヤもあった。十年ほど前にイズミヤは撤退。跡地にはマンションが建っている。SATYはニチイなどのグループで、高田店は一時グループ内で一番繁盛していたと聞いている。大店法の規制が厳しかった頃に出店したため、地元の商店街の反対を封じ込めるのに専門店を多数入居させたが、改装のたびに家賃を上げて追い出したために体力のない店から順次無くなった。今はそのSATYも破綻したためにイオングループ傘下となったが、同じイオングループのジャスコに客を奪われ閑古鳥が鳴いている。共食いも良いところだ。

 マンションで思い出したがJR高田駅前にあった市の教育委員会跡地と近鉄高田市駅そばの保育所の跡地には日本エスリードのマンションが建っている。実は今の家を買う前に入居していたハイツの管理会社がここの子会社のエステムプランニングと言うところでコロコロ社名を変えているし、非常に腹が立った事が度々ある。ハイツの共用灯が電球切れになった時は「そんなもの」自分でしてください」と言われ、浄化槽が詰まった時は何ヶ月も放置された。挙げ句の果てに退去する時には「うちの物件は阪神間が中心ですから奈良は後回しです」と来たもんだ。数年経ってからのオマケがマンションのセールス。去年から今年にかけて5回、夕食時に電話が掛かってきた。3回目と4回目には「うちは持ち家だから要りません」とハッキリ断ったが5回目があった。子会社とは物件管理で取引があったが、親会社に個人情報を提供して良いと許可をした覚えは一切無い。法律やプライバシーを守ることに関する意識が低い会社らしい。オマケに引き継ぎも出来ない。しつこい。案の定マンションは売れ残りが多数有り、分譲貸しどころか売る前から賃貸に出回っている。購入した人は資産価値が下落しているはずだ。

 住宅ローンも26年残っているし、子供達はここで生まれ育った。国会議員の奥野信亮みたいに地元の御所市を見捨てて発展地の香芝に逃げ出すわけにも行かないから、多分一生ここで暮らす事になるだろう。そう思うと大和高田市や働いていた御所郵便局のある御所市に愛着が湧いてきた。「地元ネタ」というカテゴリーを新設したので、追々触れることがあるだろう。

| | コメント (7) | トラックバック (2)